基本概念
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 凡才先生には、指導方法についてレベルが高いとか低いといった考え方はありません。プロ野球選手でも、野球を始めたばかりの小学生でも、同じ二本の手と足を持った人間です。スポーツ全般に共通する事ですが、自分の体を上手に使えば、それなりに良い結果につながるものです。「バットの芯で、しっかりボールを捕らえなさい」とか、「相手の胸にボールを投げなさい」というような指導はよく耳にしますし、そう指導されている方も多いと思います。これで、ある程度の結果が出せる選手は、“才能豊かである”といえるでしょう。凡才先生が野球を始めたのは中学生になってからでしたので、何年も野球をやっている同級生との差は歴然でした。相手の胸にボールを投げる事もできないし、バットにはかすりもしません。当然、毎日のように上記のような指導を受けるのですが、一向に上達しません。当時は、「自分には、なんで才能が無いのだろう」と、嘆いたものです。しかし、漠然とではありますが「上手な選手と同じ二本の手と足を持ちながら、どうして、これ程の違いがあるのか?」という疑問もありました。担任の先生に「何でもいいから部活やれ」と、言われて、なんとなく野球部に入部したこともあり、この時期は、野球が楽しくなかったものです。

 あたりまえの事ですが、上達には楽しむ事が近道ですね。野球を楽しむためには、ある程度の結果が必要です。チームの足を引っぱってばかりでは楽しくありませんし、チームメイトも認めてくれません。野球は助け合うスポーツですから、少しでも多くチームに貢献する必要があります。チームに貢献すると言う事は、アウトを取るために貢献し、点を取るために貢献する事です。ヒーローになろうと思っていなくても、これが出来れば、チームメイトがハイタッチで迎えてくれる場面も自然に出てきます。それゆえに、ある程度の結果を出すことはとても重要だと考えています。

 野球を始めて間もない頃の凡才先生は、本を読んだり、先輩や指導者にいろいろ教えてもらっても、なかなか理解できませんでした。そこで、独学で「才能が無くても結果の出せるやり方」をテーマに取り組んでみました。そんなある日の打撃練習中に、自分と同じように、お世辞にも上手だとはいえない選手が、たまたま、きれいな打球をセンター前に打ったのです。その瞬間、体中に衝撃が走りました。その選手には申し訳ないのですが、「才能が無くても少しは結果が出せるかもしれない?」という漠然とした意識が、「才能が無くても結果が出せる!」という確信へと変わりました。実際には、バットを出した所に、たまたまボールが来たのですが、「そうか!ボールが来る所にバットを出せばいいんだ!」と考えたのです。この日以来、凡才先生の野球人生は大きく変わりました。中学では、ベンチで応援する事が多かった凡才先生は、高校では1年生でレギラーを獲得し、3年生では4割9分4厘(80%が長打、得点圏打率6割6分6厘)の成績で、夢の甲子園にも出場する事ができたのです。

 こうして作り上げてきた練習方法や考え方は、あまり他人には理解してもらえない凡才ゆえの風変わりな理論だと思っていましたが、最近になって、超が付くほどの一流選手の中に、同じような考え方や練習方法を実践している選手が多数いる事が分かり、大変驚きました。才能があっても成功しない人は沢山いますが、大成功している人には、才能プラス工夫があるようです。つまり、凡才の私たちにも、まだまだ、やるべき事はあり、そのやり方次第で、ある程度の結果が出せるという事です。悩めるあなたも、まだ自信の持てない君も、「必ず上手になってやる」と、自分に言い聞かせ、自分を励ましましょう。そして、結果が出せたら胸を張っていきましょう。

キャッチボールが出来ればアウトが取れるようになります。
バットが振れればヒットが打てるようになります。
難しそうな事をひとつひとつ簡単にしていく事が凡才先生流の基本概念です。


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