学内バスの構想と計画−筑波大学キャンパス・バス構想

 学内バスの構想については、 筑波大学施設部のWebページ に掲載されている 『筑波大学の施設・環境計画』 (筑波大学施設部施設環境計画室、1985)に詳述されていますから、詳しくはそちらをご覧下さい。この資料は、学内バスに限らず筑波大学の施設全般にわたる構想・計画についてまとめたもので、全編を読めば学内バス運行の背景にあるものがよりはっきりと見えてくることでしょう。このページでは、学内バスの構想・計画の概略と、現状との比較について述べることにします。

 筑波大学は、およそ南北4km、東西1kmと、日本でも有数の広大な敷地を持つ大学です。このことは、必然的に移動の困難をもたらすものと建設当初より予想されていました。移動の手段としては徒歩の他に自転車や自動車が想定されていましたが、何もしないで放っておけば自動車の増加が大きな問題になることは目に見えていました。 そこで、学内バス−計画では『キャンパス・バス』と呼ばれていましたが−の運行が建設当初より計画されていました。大学自らが学内移動のためのバスを運行するということは、日本で初めての計画でした。

 当初の計画では、図1に示すように3つの系統による運行が計画されていました。


図1

 1系統は、大学中心部を循環するもので、昼間時間帯6時間に5分間隔で、両方向循環での運行が計画されていました。1周の所要時間は16分、所要車両台数は8台とされていました。
 2系統は、朝夕の2時間ずつ(計4時間)に、1系統を一の矢学生宿舎地区へ乗り入れさせるものです。この系統は、10分間隔・両方向循環での運行が計画されていました。こちらは1周22分、所要台数6台とされていました。
 3系統は、大学中心地区と平砂・追越学生宿舎地区を結ぶものです。朝夕2時間ずつに、片方向循環で6分間隔での運行が計画され、1周14分、所要台数3台とされていました。

 また、大学内のバス交通は概ね学内バスでカバーすることとし、関東鉄道バス(以下、関鉄バス)は学内に入らず、敷地の東側を通る学園東大通りを運行されることを想定していました。そのため、本部棟付近(現在、関鉄バス「筑波大学中央」停留所の折返場がある場所)に関鉄バスとの乗り換えターミナルを設置することが考えられていました。

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