冬天的楽趣(五)

今回の連載も2014年夏のリメイクから始まります。
たっくさんのストックがありながら、またもリメイクです。
いつになったら大量ストックの毛糸を使いきるのやら・・・
そこで一句。
「貧乏性 もったいないぞで 大量ストック」

 

* * * 第41回 * * *

「ラグランの魔法」


私には似合いそうもない、明るい色目の毛糸です。
一見すると、綿糸のように見えるのですが、着れば暖かい100%羊毛です。
淡いグリーンが基調で、黄色と白のグラデーション。色合からして私には似合いそうにありません。
母の半袖セーターでした。
衣服の整理をしていたら、昔私が母に編んであげた、この半袖セーターがでてきました・・・
このままにしていても、私には着ることができません。
迷いましたが、泣く泣くほどいて、編み直すことに。
裾と袖口、首まわりはガーター編み、身ごろはシンプルにメリヤス編みで、
なんの意味もなくラグラン袖にしました。
偶然のラグラン袖が思いのほか功をそうして、以外にも可愛くなりました。
色合が悩みのタネでしたが、ラグラン袖にしたことで、一気に解決!
私が着ても浮きませんでした。
魔法のようです。
母に編んであげた、デザインにはもう戻れませんが、可愛く生まれ変わったラグランセーターを
この秋着ている私です。

・・・てか、いい加減、新しい糸に取り掛かれよっ!
ほどいて編んでばっかじゃんよー

(2014年10月記)





 

* * * 第42回 * * *

「震災靴下」

震災から3年が過ぎました。
3年前のあの日、揺れだしてすぐに停電になりました。
それから10日あまり、電気のない生活をしておりました。
まだ寒い時期でしたので、石油ストーブを焚いておりました。
居間を避難所とし、布団を持ち込んで3人がおしくらまんじゅうのようになって寝ておりました。
いつもなら電気毛布の生活ですが、電気が使えないので、
仕方なく足にフワモコの靴下をはいて寝ていましたが、これがけっこう暖かで、重宝しました。
でも、この靴下は100円均一で買った物なので、いつのまにやらゴムが伸びてベロンチョに。
捨てるのももったいないので、ほどいて糸にしました。(←だから、そこまでするかぁ?)
それが、白の部分です。それと少しだけ入ってる茶の部分もフワモコ靴下です。
それに基調の赤っぽい毛糸に中間色の青を入れて模様編みにしてみました。
実は基調の赤は、第4回「もどきセーター」を編み直したのです。
いくらなんでも堂々と‘ベネトン’はないかな?と気になっておりましたので・・・。
それにボーダーっぽいデザインも、若くなってきましたし。
衿と袖口、裾は前回と同じ縄模様編みにして、4色使いで数段おきに穴あき模様と裏編みの模様を
入れてますので、単調にならずに凝った模様編みにしました。
余り毛糸で、おそろいの短いマフラーも編みました。
歳の割には、なかなかアグレッシブな仕上がりだと思いません?
丈が少し短めですが、これなら少しは長く着られるデザインになったかな、と
久々の自信作2連発でした♪

・・・てかさあ、いい加減、ほどくのやめません?

(2014年10月記)





 

* * * 第43回 * * *

「チロぽん手提げ」

大好きなチロぽんが2015年夏に逝ってしまいました。
ウチに来てから10年くらいだろうか・・・。
人間でいうとまだ60歳台だったのではないかと思う。
そう考えると早すぎたようにも感じます。
だけど、大食漢のチロぽんは、大好きな牛乳やヨーグルトも私たちと同じように食べて
一番の好物はマグロで、めっぽう目がなく、どうにも我慢することができない。
マグロエキスが沁みこんだ白い大根のツマをおなかいっぱい食べていたっけ(笑)
「チロ、それはダミーのマグロなんだよ・・・ごめんね」
私たちから何でももらって食べていたせいか、晩年は歯が抜けてヨダレが・・・。
それでも食欲は衰えず、なんでも食べた。だけど逝ってしまったよ・・・(泣)
A4版が入るサイズの手さげが欲しかったので、猫の編みこみをしてみました。
素材はモヘア。もちろん裏付きです。持ち手は100円均一で調達したプラスチック製。
チロには似ていませんが、毎月の書道の競書提出などにはピッタシ!
と言いたいところですが、使いづらいです。
おそらく持ち手がグラグラして傾いちゃうせいだと思うんです。
それに腕に掛けられないし・・・。いっそのこと持ち手を取り外した方がよくね?
・・・って、それじゃあただの袋になっちゃうか。
なーんか、使いづらいのであまり使ってません。
使いやすいように、改良を加えて、作り直さねばと思っていますが、
先に持ち手を付けてから、裏地を付けたので、手直しは面倒なことになります。
しばらくこのまま使ってみるしかないか。
チロぽんを偲びながら・・・。

(2016年1月記)





 

* * * 第44回 * * *

「プレゼント交換」

太極拳を2ヵ所の教室で教えています。
そのうちの1ヵ所は家の近くなのですが、もう1ヵ所が10q離れた山沿いの公民館なんです。
ですので、冬場は道路状況を見ながら急遽お休みにすることもあります。
生徒さんは2人なので(私を入れて3人)連絡もスムーズ。
年末に3人でクリスマス会をすることになりました。
場所は、以前も食事で訪れたことのある‘支那そば’の登りが立つ喫茶店です。
この支那そばが絶品だったんです♪
生まれてこのかた、これほど美味しいラーメンは食べたことがない、ってくらいに。
グルメ本で紹介されてる、喧しいオヤジのいる気取ったラーメン屋にだって劣らないと思いますよ。
とにかく、もう一度食べたいな、って思っていたところなので、そこに決定。
田舎なので選ぶほど、店数がないんですけどね。
その忘年会でクリスマスプレゼント交換をすることになったんです。
師匠である私も二人分のプレゼントを用意せねばならないという難題を背負ってしまいました。
「う〜、なんにしよう?」
‘家にあるもの’と言われても、野菜も作ってないし(野菜を頂いたりしています)。
「どうしようかなぁ、いやぁ困った・・・」
私にできることと言えば、編み物くらいで。かといって何を編もう?
このところ自分が使っていたペットボトル入れがボロボロになっていたので、
編み直そうと考えていたところでもあって、重宝しているペットボトル入れを編むことにしました。
これなら一年を通して使えますし、太極拳がらみで使えるしうってつけかな、と。
コンセプトはペットボトル入れというよりは、そのまま飲める使いやすさでペットボトルカバーですね。
同じ素材の糸を使って編むことにしました。
ただ、縒りが弱い糸なので上部は別素材の強い糸で編むことにします。
初め赤系から取り掛かりました。二目ゴム編みから輪っかにして棒模様編みにしていきます。
これが結構時間がかかる。
底まで編んで、ゴム編みに模様を考える。
「赤系だからお花かな〜」
かぎ編みで花をあしらって出来上がり!
一本編むのに、構想を決めるまで何度編み返したことか・・・。
5日くらいあーでもないこーでもない、してたかも。夜中まで・・・。
でも、一本出来てしまえば、あとはバリエーションを変えて編んでいくだけです。
二本目は青系で。模様編みも微妙に変えています。
ポンポンを付けて三色使い出来上がり〜。どちらも600ml仕様です。
最後に自分用ですが、長年使っていた糸(灰色)なので擦り切れて短くなっています。
ですので、底は緑の糸を足して編みました。丈も短くしか編めませんでした。
模様編みも似てるようで、実は三者三様です。
赤系と青系はプレゼント交換にギリ間に合ったのですが、そのあと自分用を編んだので、
撮影できずにいました。教室に行って、先日撮影してきました。
でも、この写真・・・持ち寄ったお菓子、散らかってますからー!
シンプルにボトルケースをだけ撮りたかったんだけどな・・・(涙)




(2016年1月記)





 

* * * 第45回 * * *

「里子に行った子供たち」

「もどきセーター」に始まり「震災靴下」で編み込みセーターに編みなおして、いざ着ようと思っても、
なんだかよくよく見たらダサくて、結局一度も着たことがありません。
「ラグランの魔法」で生まれ変わったセーターのように、ラグラン袖に編み直そうと思いほどきました。
普通の山袖よりラグラン袖のほうが毛糸が少なくて済む気がします。
だって一枚編めちゃったじゃない?
裾と袖口にだけ透かし模様を入れただけでシンプルにメリヤス編みで仕上げました。
やっぱりラグラン袖は着易いです。それにカワイイです♪
スカートにもズボンにもどちらにも合わせられて部屋着に最適♪
編み込みで騒がしいデザインより、シンプルに一色でまとめたほうが見た目のいいですし、
なんといっても、余り毛糸が少なくて助かる。
だって私、余り毛糸が気になって仕方ないんですよ・・・。
きっちり使い切らないと気がすまない性分。
自分では気が付いてないかもしれないけど、何でも基本そうなんだと思います。
思いつくとでは、食材も全部使い切らないと気がすまないし・・・。


「チロぽん手提げ」もそうです。
持ち手が使いづらくて、これまた一度も持ったことがないので編み直しました。
大量の余り毛糸を使って、モチーフに挑戦。六角形を繋いで作りました。
かぎ編みで夜なべに編みました。思った以上に個数必要だし、結構糸を使います。
一辺が20cmほどの小さなバックなのに何日もかかった。
それに一個一個切断しなきゃいけないから、モチーフはあんまり好きじゃないし。
「チロぽん手提げ」のベースの色でふたつ出来ました。
着物にも似合いそう・・・。
ひとつは、近所の人にあげました。
私、ここで生まれましたが、近所づきあいもありませんし、年配の人なら知ってますが、
最近の嫁いできた人などはまったく分かりません・・・。
その日、図書館で編み物の本を見ていたら、声をかけられました。
他県から嫁いできたその人は、高校の美術の先生をしていた女性で、
60代と思われますがトレードマークはおかっぱ頭。どことなく風変わり。
ほとんど、話しをしたことがありませんが、なんとなくお互いに顔見知り・・・。
「編み物するんですか?」
「ええ、好きなんです♪」
彼女は、洋服のリメイクをするのだそうです。
「気に入った服を着続けたいから、擦れたところも繕って着たい」のだそうです。
ああ、分からないでもない。
お気に入りの服、ってボロになっても着たいですよね。
「これから編んだの見に行ってもいいですか?」
と言われ、突然の訪問を断る理由もなく、その日のうちに彼女はやって来た。
近所の人が私を訪ねてくるなんて初めてかも・・・。
そんなわけで、私は手編みを、彼女はリメイクをお互い見せ合って。
・・・で、ひとつあげちゃったのさ。
写真右のグリーンが入ったほうを、勢いであげちゃったのさ。
裏も付けてたしね。
赤の方には裏をつけてませんでしたので・・・。
というわけで、「チロぽん手提げ」は里子にでました(涙)

里子といえば、「みどり極太の波瀾万丈」のベストも着る機会がなかったので、
いつもお野菜をいただく太極拳の生徒さんにあげちゃいました。
だって、私にできることといえば編み物くらいしかないんだもの。
あのみどりの毛糸も「ふたり分の毛糸」から始まり幾度となく変身を遂げて、
ようやく落ち着いたところでした。
母に着てもらう想定で編んでいましたが、母が袖を通すことはありませんでした。
自分で使ったり、着たりするには限界があります。
作っても着ないんじゃ意味ないし、バックだってそうそう何個も使わないし。
機会があったら里子に出すのもいいかも。
そりゃ私は、めちゃめちゃ寂しいけど・・・里子にだされたほうがタンスで眠るより幸せですよね(涙)

(2017年4月記)





 

* * * 第46回 * * *

「可哀想なネコたちへの鎮魂」

なんだか猫ブームです。
チロぽんがいなくなって2年近く。
トラ子もいなくなって1年半。
野良猫は何匹も見かけるのに、懐いて家に入ってくる猫は一匹もいない。
猫好きの私は寂しいです。
ニャンコと戯れたいです。
そんな気持ちがこのバックを編ませました。
模様は裏表で、灰トラの隣りはチロぽんがモデルで、
黒猫の隣りが数週間だけ滞在したパンダ猫がモデルです。
パンダ猫はそれはそれは大きなオス猫でした。
トラ子がいた頃、野良だったパンダ猫がトラ子のご飯を食べにやってきて、
そのまま滞在するようになりました。
そのせいだったのでしょうか、トラ子がいなくなり、パンダ猫だけが残りました。
昼のほとんどを外で過ごしていましたが、ご飯食べたり夜はコタツで寝たり・・・。
そうこうするうち、みるみると痩せてきて・・・もともと病気を持っていたのでしょう。
「おまえ、食べてるのに痩せてきたね・・・」
名前をつける前に、パンダ猫はとうとう行方をくらましてしまいました。
‘パンダ’と呼んでいたのは、パンダみたいに白黒だったからです。
可哀想な猫たちよ。
困ったらいつでも私のところにおいで・・・。

(2017年5月記)





 

* * * 第47回 * * *

「チグハグなお年頃」


何年ぶりでしょうか・・・新しい毛糸で編むのは(嬉)
何年もリメイクとか、余り毛糸消費でバック編むとかばかりしてきました。
何年ぶりでしょうか・・・新しい毛糸で編むのは・・・。
このデザインは私の大好きなアラン模様の組み合わせです。
模様によって段数が違いますので、複雑に見えますが、編み図がありますので、
さほど難しくはありませんでした。
「いつか編みたい」「あの糸で」というようにイメージは何年も前から出来上がっていました。
基本、編み図どおりの仕上がりですが、横幅や丈の長さは目分量ですけどかなり調整しました。
その調整にかなりの時間を要しましたが、目数を決めてから編みあがりまでは早かったです。
評判は上々。
我ながら体型ぴったりに編めました。
お気に入りの一枚です。
ここ何年間のうちでも傑作の部類に入ります。
モヘアなので軽くて暖か。
まだまだ他にもストックの毛糸はたくさんあるし、毛糸によってはイメージが出来上がってるのも
いくつかあります。
だけど・・・そのイメージの暖め期間が長すぎて年齢にそぐわなくなってきていたりしています・・・。
例えば、「ハートマークをあしらって・・・」というイメージを長年暖めていたりすると
もう、それはちょっと編んだところで着れないだろうし・・・。
歳を考えてデザインやイメージしなきゃなんないのに、
自分の顔と年齢、好きなデザインが、かみ合わなくてチグハグになってしまう、
そんな中途半端なお年頃・・・。
基本的にシンプルなデザインを好む一方で、手編みとなると派手好みになってきているということ。
歳相応のデザインで編んで、しかも派手にって、
かなり頭を悩ませる作業になってきてるんですけど・・・。

(2017年6月記)