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2月18日(土)

「獺祭(だっさい)」

日本語は奥が深くて、私なんかの知らない言葉がたくさんあります。
先日も、おおーっ。と思う言葉が紹介されていました。
それが「獺祭」です。
二文字で「だっさい」と読みます。
「獺」はカワウソのことで、カワウソは獲物の魚をきれいに一列に並べるのだそうです。
その並べた様子が、私たちが先祖のお墓参りに行って、供物を並べる様子に似ていることから
先祖を敬う、お祭りする、という意味に使われるようになったんですって。
なんかいいなあ、って思いました。
それにしても、カワウソの習性って面白いですね。
魚をきれいに並べて、最後は食べちゃうんでしょうけど・・・。

先祖を敬う、といえば、うちの母が亡くなって3年が過ぎようとしています。
三回忌は昨年でしたが、今年でまる3年が経とうとしています。
お墓の法名石に、まだ母の法名を彫っていません。
毎月の命日にはお墓参りをしてきましたが、なんだかまだここに来て欲しくなくて、
気持ち的に彫ることができずにいました。
親戚には「一周忌までに彫らないとね」って、言われたこともありましたが、
どうしてもそんな気分にはなれなくて、拒んできました。
昨年の三回忌の時も、法名石には母の法名を刻んでなくて・・・。
今年に入って、もうそろそろかな、と思えるようになってきたので石屋さんに頼みに行きました。
今時、機械で彫っちゃうので、簡単なのかなと思っていたら、
文字を加工したり、準備に時間がかかるもので、当日は天気にも左右されるらしいです。
石があまり冷たいと彫れなかったり、もちろん雨や雪でも彫れないとのこと。
文字はてっきりパソコン文字かと思っていたら、手書きするんですって。
それをパソコンに取り込むとのこと。
「えー?!そうなんですか?じゃあ、今回も手書きするんですか?」
「そうなんです。でも、私は書けないので、先代の文字を集めて使います」
石屋の先代のおじいちゃんは、手書きしていたので、それを集めるのに3、4年かかったらしく、
パソコンに入っているので、それを集めて使うらしいです。
「だったら私が書いてもかまいませんか?」
せっかく習字してて、母にしてあげられることはこれくらいじゃん。
てなわけで、即席の隷書体で書いて持っていった。
「雰囲気はでてますよね」と言われた。
雰囲気とかじゃなくて、れっきとした隷書体なんですけど。

その後、パソコンに取り込んでお墓にいらした時、確認しに行ったら、雰囲気がまるで違ってた。
「最後の画が、まっすぐ伸びないと・・・。これだと広がってますね」
ちょっとしたとこなんだけど、これでは隷書にならない。
石屋さんは「隷書っぽいからいいんじゃないですか」と言うけど、それっぽいだけでは・・・。
ということで、やり直し。
ほんのちょっとした角度の違いで私の文字でなくなってきている。
これじゃあ、手書きした意味がない。
石屋さんは、よもや私が師範とは思っていないだろうし、
今回、本部師範に一発合格したとは夢にも思っていないのだろう。
素人が書いた、ぐらいに思っているに違いない。
素人でも、素人なりのこだわりがあるのだ。
もう少し時間があったら、吟味できたのにな。
私もまさか手書きとは思ってなかったし、手書きなら前もって準備しておいたものを・・・。
だって、半日しか時間ないんだもの。結局、2時間仕上げ・・・。
お墓参りに行くたびに、「あーあ・・・ここ失敗だった・・・」と自分の字を反省することになるだろう。
まあ、それもまたよし。「獺祭」いたします。
でも、母はきっと喜んでくれるに違いない。
だって、ヘタでもチョンでも、ほかでもない私が書いた文字なんだもの。





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