山本昭一最後の作品

山本作品


パラ令和3年8月号「おもちゃ箱だより」内で特別出題されました。
令和3年10月号に簡単な解説が掲載されていますが、こちらではより詳細な解説を掲載しています。

感想・短評は引き続き募集します。(hiraiyas610@gmail.comまで)
web版解説ページ上で追加掲載します。



<修正図作成・特別出題の経緯> (パラ8月号「おもちゃ箱」だより、より)

 原図はこれでした。

   

 1981年10月ミニコミ誌「詰将棋の詩」に出題されましたが、簡単な余詰発生のため、出題取り消しとされたものです。後日再出題となっていたものの、それ以降二度と掲載されることはありませんでした。
 「旧版・怒濤」では作意不明の図として掲載だけしておりましたが、誰からも注目されなかったようで、十数年の間、何の反応もありませんでした。
 配置から推して、4香ハガシらしいことだけはわかるのですが、作意の推定すら誰にもできなかったようです。したがって、「新版」では図面の掲載すらも見送ることになりました。
 「新版」発行後、修正不能と断言してしまった作品を、添川氏に完璧に修正されるという出来事が起こりました。
 これについて、自分の不明を詫びるとともに、感謝を伝えるメールを添川氏に送ったのですが、そのついでに、ダメ元でこの図についても問合せしてみることにしたのです。
 何と、氏はたった一日で、メインの趣向を解明された上で、仮修正図を送ってこられました。「氏に不可能はない」を改めて再認識させられることになりました。
 具体的には、最初のワンサイクルに無理があったようなので、3香ハガシに変更。収束は、作者の読みに何か抜けがあったようで、どうやっても不詰のため、適当に駒を配置して、とりあえず詰む手順をくっつけただけということでした。あくまでも、メイン趣向を実現させることだけが主目的の仮修正図という位置づけでした。
 これで完全だったら問題なかったのですが、さすがに、収束部分で多数の余詰が発生しており、完全作と言えるものではありませんでした。
 そこで、私が、収束を上手くまとめることができないか検討してみることにしましたが、これはなかなか難渋することになりました。
 結果的には、添川案に数枚の置き駒を追加するだけで完全作になることを確認できました。これはもうラッキーとしか言えませんが、元の添川案が飛び抜けて優秀であっただけなのかもしれません。
 ついでに余詰防止の置き駒を追加することで、最初のワンサイクルも実現させて4香ハガシも復活させることにしました。柿木で検討したところ、問題なく完全作の裁定だったので、勇躍とこれを添川氏に確認していただいたのですが・・・・。
 無理矢理、余詰防止の駒を置く案は氏の美学に反するようで、強く反対されてしまいました。これには正直戸惑いましたが、氏からは、替わりに序奏を別に付け直す案を提案していただきましたので、文句なしでそれを採用させていただくことになりました。
 最終的には、その案に数手逆算して全駒使用になったところで完成としました。

 せっかく完成させた作品なので、これをどういう形で発表するか考えることになりました。

 紆余曲折はありましたが、結局は、「おもちゃ箱」で出題していただく方向で、加藤さんと相談していましたら・・・・・・。加藤さんから、詰パラ8月号の「おもちゃ箱だより」のページを使って、紹介・出題するのはどうか、との提案がありました。
 もちろん喜んで、その話に乗せていただくことになったわけです。



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