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@詰パラ '98.12



54金、同玉、53桂成、55玉、45飛、同金、
47桂、同馬、66銀直まで9手「8」

 1998年の年賀状用に創った作品。9と8は似た字形なのでこれを立体にしてしまおうというのは容易に考えつくところでしょう。
 当初は玉方45桂、攻方34銀の形で5手詰でした。とりあえずはそれでできているので、安易な年賀詰としてはそれくらいで妥協するつもりでしたが、図をマジマジと眺めているうちに、ふと45桂を攻方にできるのでないかとひらめいた。それならただの駒取りが邪魔駒消去という高級手筋に化けているではないですか!
 さらにもう一つの問題が残っていて、34銀の配置では36の駒が不要駒になってしまうということ。こちらも34金と36歩の配置にすれば解決していました。つまり1枚ですむところをわざわざ2枚にするという曲詰独特のテクニックで、通常の作図感覚とは逆で面白いところです。しかもこれのおかげで45飛捨てがヒモツキでなくなり、手の感じがずっと良くなったのはラッキーでした。




A詰パラ '92.10



53飛成、同玉、65桂、同歩、54銀、同玉、
64銀成、55玉、15飛、35桂、同飛、同銀、
67桂、同角成、56銀、同馬、47桂、同馬、
45馬まで19手「ケ」

 谷川浩司プロの結婚祝賀詰の一つ。創棋会から強制的に創らされたものですが、喜んで挑戦させてもらいました。
 全体の構図と収束は簡単にできたのですが、65の駒にどうやって意味付けするかで悩まされました。結果、駒取りを入れることで問題は解決。全体としては無難な仕上がりと思っています。
 自分としては7作目の曲詰で、この作品の創作を通じて、何となく曲詰創作のノウハウがつかめたような気分になりました。それまでが全て合駒入りのカタカナだったもので、それならいっそのことカタカナ46文字を全部合駒入りで創ってみようではないか、と思い立つきっかけになった作品です。

 なお、その後、46文字は一応全部完成したのですが、アとツが余詰で潰れて修正不能となっています。他に、単に字になるだけで出来が極端に悪い作品が10作ばかりあり、それらを全部創り直す必要があるのですが、今現在は情熱・気力が減退していて、保留状態です。いずれは挑戦してみるつもりですが、いつのことになるやら・・・・・
(この度どうにか完成しました。)→カタカナ合駒入り曲詰集




B近代将棋 '93.3



77馬(イ)66桂、64銀打、54玉、66桂、同龍、
46桂、同龍、14飛、34桂、同飛、同歩、
55銀、同龍、46桂、同龍、64銀成、同と、
44馬まで19手「サ」
(イ)66龍は同馬、46玉、37銀、35玉、15飛以下

 本作は龍の翻弄が理想に近い形で表現できたと思っています。また、後から追加した初手は相当の不利感を伴うみたいで、イの変化の味良さと相まって作品価値を高めてくれたようです。
 難を言えば不動駒がやや多いこと。特に74歩と43桂は作意上全く働かないので気になる存在ですが、 どちらもなければ余詰なので飾り駒ではありません。




C近代将棋 '94.8



37銀、55玉、46銀、同歩、35龍、45金、
同龍、同玉、35と、同玉、26馬、45玉、
56金、同銀、36角、55玉、44馬、同銀、
64龍、同玉、54金まで21手「ニ」

 本作の収束の切れ味の良さは、自作曲詰中最高と言えます。収束部分だけ取り出して短編曲詰として発表しても十分通用するのではないかと思っています。
 この収束に逆算で金合か銀合を入れようとして悪戦苦闘しました。というのも当初は65地点の合駒ばかり考えていたからなのですが、合駒地点を45にしてみたら、意外にあっさりとまとまってしまいました。




D近代将棋 '94.12



62角成、85玉、74角成、同玉、65金、同玉、
63飛成、64銀引、55金(イ)同玉、54龍、同玉、
45銀、同玉、56銀、54玉、24龍、44香、
同龍、同歩、55香、同銀、53馬まで23手「ト」
(イ)75玉は64龍、86玉、45銀、77玉、66龍引、88玉、28龍以下同手数駒余り

 本作の収束も気に入っています。変化が少しうるさいですが、大駒の力で何とか詰みます。(単に詰めるだけなら難しくないですが、作意手数以内で詰めるのは苦労するかも・・・・)
 最初は一段下の完全な中央で創っていましたが、収束で余詰が発生するのでやむを得ずこの形に。さらに最近になって、柿木将棋に初手24龍以下の余詰を指摘されてしまって、発表時の92角を83角に修正させられてしまいました。初手の紛れが極端に減って不本意ですが、これも背に腹は変えられないところです。




Eめいと '94.12



55龍、同玉、56金、64玉、76桂、53玉、
63と、同玉、74角、同銀、66香、同銀生、
65香、64桂、同香、52玉、53歩、同玉、
71馬、54玉、46桂、同銀、44馬まで23手「ロ」

 発表時は66歩→66香で、13手目64香以下が作意でした。一応完全作として通っていたのですが、最近になって柿木将棋にあっさり潰されてしまいました。で、本図のように修正したら、何のことはない、普通の合駒が捨合に昇格して、前よりずっと味がよくなったではないですか!「ケガの功名」とでも言うのでしょうが、何ともお恥ずかしい話です。




F詰パラ '97.7



66金、同香、64銀、46玉、57銀、同玉、
58金、46玉、36金、同馬、38桂、35玉、
47桂(イ)同馬、26馬、34玉、33飛成、45玉、
35馬、56玉、53龍、54桂、同龍、同飛、
48桂、同馬、46馬まで27手「ミ」
(イ)34玉は、33飛成、45玉、36龍、54玉(同玉は36馬以下)、63銀直、43玉、21角以下同手数(別詰あり)

 この形で不動駒1枚なら上出来だと思っています。
 残念なのは中央から1段ずれてしまったことと、イの変化が完全には割り切れていないことなのですが、いかんともしがたいところです。




G詰パラ '96.9



61歩成、同玉、52と、同玉、44桂、42玉、
41桂成(イ)同玉、32銀、42玉、43銀成、同玉、
34銀、54玉、55銀上、65玉、66歩、56玉、
45銀、同玉、63馬、54桂、同馬、同歩、
46香、56玉、48桂、同と、57馬まで29手「モ」
(イ)33玉は34銀、24玉、51馬以下

 初手は変化イに備えてのいわゆる変化伏線。これが全てです。
 発表時は44生銀だったので余詰でしたが、これで修正できているはずです。
 これも中央から1段ずれています。さらに問題なのが36香の配置。作意上ちゃんと働いているかのように見えますが、実を言うと3筋に香が2枚ある必要はなく、36香をそのまま取り去っても作意は成立するし余詰もないようで、限りなく飾り駒に近い駒と言えます。つらいところではあります。




H詰パラ '95.3



32歩(イ)41玉、74角成(ロ)63桂、同馬、同歩、
31歩成、同玉、43桂(ハ)32玉、73銀生、52香、
同飛成、同歩、33香、43玉、34金、54玉、
55歩、同玉、44銀、54玉、53桂成、同歩、
43銀、55玉、45成桂、同玉、56銀左まで29手「マ」
(イ)同玉は65角成、43歩、同馬以下
(ロ)52桂は同銀成、同歩、91飛成以下
(ハ)41玉は51桂成、同玉、52銀成、同玉、73銀生以下

 小駒図式でできていた収束の素材に、無理矢理、桂香合を逆算で入れたもの。成桂が1枚必要になるのがつらいところですが、1回桂合を入れた上での話なので、大目に見てもらうしかありません。
 発表時は73銀、98飛の形でしたが余詰。修正したら不動駒が1枚減るし、手の味も格段に良くなりました。これまたお恥ずかしい話です。




I詰パラ '80.12



99金、同玉、88銀打、同龍、同銀、89玉、
99飛、88玉、68龍、78歩、98飛、同玉、
78龍、97玉、98銀、96玉、87銀上、95玉、
86銀、94玉、85銀右、83玉、74龍、92玉、
93歩、81玉、82歩、同玉、94桂、81玉、
92歩成、同玉、72龍、93玉、82龍まで35手

 詰将棋研究会(詰研)の企画組曲「四つ蛇の目図式」の一つとして出題されたもの。つまり、盤の4隅にこの形が並んでいて、4局で一つの組曲になっていました。
 もともとは別の作品が用意されていたのですが、余詰で潰れてしまい、急遽追加募集されることになったので、たまたま東京に行って会合に参加していた私が挑戦させてもらった、という次第です。
 さすがにその場で完成、というわけにはいきませんでしたが、家に帰ってから数時間、意外にあっさりとできてしまいました。




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