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@近代将棋 '79.6



34桂、11玉、41飛(イ)21桂、22桂成、同玉、
42飛成(ロ)32歩A23金、11玉、33馬、同桂、
31龍、21合、22金まで15手
(イ)同金は33馬以下
(イ)飛金銀香合は同飛成以下
(イ)21歩は、22桂成、同玉、42飛成、32桂(他合は33馬、13玉、24金、12玉、23金まで)、33龍、11玉、12金、同玉、13龍まで
(イ)21角合もほぼ同様
(ロ)他合は12金、同玉、32龍以下
A 13金も可(本局唯一のキズだが、最後に動く金でもあり、それほど気にすることはないと思っています。)

 最初の作品はこれしかないでしょう。
 盤面3枚、持駒2枚の超簡素図式から、限定打1回と限定合2回が登場。変化は全てきれいに割り切れ、収束も33馬がピッタリ決まってまずは理想的な仕上がりと自負しています。
 本作の創作時、41飛の実現だけを念頭に置いて何となく駒を配置。さてこれからどう手を加えたら作品になるだろうか、とおもむろに詰手順を捜してみたら、何とそのままできていました。ウソのような話だが、長くやっているとこういうこともたまにはあるようです。
 岡田敏氏の勧めもあって近将に投稿し、塚田賞新人賞を受けた。本賞を取れなかったのは残念だったし、初入選から3年もたって新人賞もどうかと思うが、初めて賞というものをもらった記念碑的な作品です。それまで何年もなかった新人賞が突然復活したりしたのも岡田氏の影響が大きかったのだろうとは思います。


A詰パラ '79.4



A76金(イ)26玉B85金、25玉、94金(ロ)24玉、
84飛、44角、同飛、同歩、25飛、同玉、
43角、26玉、16角成まで15手
(イ)24玉は84飛以下作意と同じ
(イ)75桂は同飛、26玉、85金、76桂、同飛、27玉、25飛、26合、77飛まで
(ロ)85合は同飛上、26玉、25飛まで
A 77金は27玉で逃れ
B 65金は25玉、66金、75桂、同飛、26玉、55金、76桂で、同飛寄は27玉、同飛引は25玉で逃れ

 初手は金を動かす他はないが、うかつに動かすとその影に落ちられてつかまらなくなる。それならと、75→76→65→66→55と金ノコで近付けていけば簡単、と思うとさにあらず。紛れBのごとく絶妙の中合があって詰みません。(これは2枚飛車の交点に中合するという高級手筋の事前処置に、飛の前後関係を入れ替えるための中合というやや複雑な構成になっています。)逆に、金ソッポ2回で遠ざけてしまうのが正解でした。
 発表時は15歩と33歩のない11手詰でした。合駒が非限定で後味の悪い収束になるのですが、変化(イ)とのかねあいでそれ以上短く切り詰めるわけにもいかず、といって収束を引き延ばしてみても、間延びして主眼の前半部の印象が薄れるだけと思い、やむを得ないものと判断して、そのまま発表してしまったのですが、案の定、収束に不評が集中してしまって少々ガッカリさせられました。
 ところが、発表数年後のある日、旧作を見直しているうちにふとこの改良案を思いついて愕然としました。これなら収束もスッキリして原図の欠点はほぼ解消されているではないですか!どうしてこんな簡単なことに気付かなかったのか地団駄を踏む思いでした。もし最初からこの図で発表していたらどんな評価を受けていただろうかと思うにつけ、推敲の重要性を実感させられた痛恨の作品でもあります。



B詰パラ '80.5



12角成、同玉、14香(イ)13歩、同香成、同玉、
A14歩、22玉、27香(ロ)24桂、同香、23桂、
同香成、同玉、B27香(ハ)26桂、同香、24桂、
C同香、14玉、D17香(ニ)15歩、同香(ホ)同玉、
27桂(ヘ)24玉、16桂(ト)23玉、24歩、22玉、
14桂、13玉、23歩成、同玉、15桂打、14玉、
34龍、13玉、23龍まで39手
(イ)13桂は同香成、同玉、15香以下
 ・14歩は同香、同玉、16香、15歩、26桂、13玉、14歩、22玉、25香、23歩、13歩成、同玉、15香以下。
 ・14桂は同香、同玉、26桂以下
(ロ)23歩は13歩成、同玉、25桂、14玉、16香、15合、26桂以下
(ハ)24歩は同香、14玉、15歩以下
(ハ)24桂は13歩成、同玉、25桂、14玉、16香、15合、26桂以下
(ハ)25桂は同香、24桂、15桂、14玉、26桂以下
(ニ)24玉は16桂、15玉、27桂以下
(ホ)24玉は16桂以下変化(ト)と同じ
(ヘ)14玉は26桂以下変化(ト)と同じ
(ト)14玉は26桂、13玉、25桂、22玉、23歩以下同手数(長手数別詰あり)

A 15香、14歩、同香、同玉、15歩、13歩、33龍、23歩以下逃れ
B 13歩成、同玉、17香、16桂、同香、14桂、同香、同玉、17香、23玉以下逃れ(桂2段合で逃れ)
C 13歩成、同玉、17香、14角、25桂、22玉、33桂成、31玉以下逃れ
D 26桂、24玉、16桂、15玉以下逃れ

 私の初期の作品を語る時に忘れてならないのが、持駒4香の一連のシリーズです。攻方龍1枚で持駒4香にして、龍玉の位置変換をしながら詰手順を捜し出すという作業の繰り返しでちょうど詰む形を発掘していった。これにより数作発掘できたが、本局はその集大成とでもいうべき作品です。
 初手は飛角図式にするための付け足し。3手目の香打は非限定で、対する桂合はやや複雑ながら早詰なので歩合に決定。7手目15香も有力ですが、58角が微妙に効いて不詰。となれば14歩が必然で、8手目22玉以下の手順に注目。
 9手目、17手目の27香はともに限定打。対してはいずれも二段桂合するのが最善で、その位置も完全に限定されています。この形でこんな手順が飛び出すなら、それだけで感激物ではないでしょうか?
 21手目以降収束に入りますが、17香も限定打。対して15歩合の局面で、最初香四であった持駒が桂四 に化けています。その後は4桂と1歩を全て使い切って、持駒が余らずに詰んだのは全く持って幸運だったしか言えません。ただしホヘトの変化は、種々の詰め方があるにもかかわらず、どうしても変同以内では割り切れず。キズといえるのですが、こればかりはしかたないようです。
 発表時、あまりに変化が複雑すぎたためか、作者が期待していたほどの評価が得られず、少々ガッカリさせられました。「攻方に好手がない」という評にも一応うなずけるのですが、この形でこんな奇跡的な手順が実現できただけでも充分だと思っています。
 ついでに参考図として4香シリーズの他の3作も並べておきます。(変化は割愛)

<参考図1>近代将棋 '80.9



54香、52歩、同香成、同玉、54香、42玉、53飛成、31玉、32歩、21玉、24香、22歩、31歩成、同飛、22香成、同玉、24香、32玉、33歩、41玉、52龍まで21手
※盤面飛一色の二重条件作にもなっている。13手目31歩成で作品になった。

<参考図2>詰パラ'80.5



24香、22歩、同香成、同玉、24香、31玉、32歩、41玉、44香、43歩、31歩成、同玉、33香、41玉、32香成、51玉、42成香、同玉、43香成、31玉、32歩、41玉、52龍まで23手
※43歩中合とそれに対抗する香の押し売りが見所。非限定などのキズがないのも特徴。

<参考図3>詰パラ'80.5



15香、13歩、同香成、同玉、15香、14桂、同香、23玉、13香成、同玉、16香、15桂、同香、22玉、14桂、23玉、24歩、同玉、25香、15玉、27桂、14玉、16龍まで23手
※捨合で必死の延命も香の打ち換えで詰形になるという不思議な手順。本図とは表裏一体の姉妹作。

 こうやって改めて見てみると、コンピューターソフトもない時代によくぞこんな手順をひねり出したものだと、その根気と執念に我ながら感心してしまいます。こんなものをそれまで誰も発掘していなかった、というのも幸運以外の何物でもないでしょうね。


C詰パラ '93.5


54角(イ)43角、同角成、23玉、56角(ロ)45歩、
同角、24玉、23角成(ハ)同玉、24歩、同玉、
64飛成、23玉、34龍、12玉、21馬、同玉、
23龍、22銀上、33桂、31玉、41桂成、同玉、
43龍、42合、32金まで27手
(イ)22玉は21角成、同玉、23飛成以下
   (以後も22玉は21馬以下)
(イ)43歩は同角成、23玉、24歩以下
、 (ロ)24玉は34馬、15玉、45飛成まで
(ハ)35玉は24馬、45玉、65飛成以下

 2手目22玉では21角成以下簡単に詰むので、玉方は捨合を駆使して何とかその形にさせないようにするのですが、合駒変換していったら結局同じことになる、という一幕物でした。
 創棋会で「11香、21桂、31銀配置の実戦型」という課題が出た時、それならいっそのこと41金まで置いてやれ!と考えて、後は形から手順をひねり出した物です。当初は53龍の形で2手目43歩合以下21手詰の予定でしたが、角合経由の合駒変換を入れることに挑戦してみたわけです。その際、上部脱出防止用の駒が26歩36歩の2枚だけでおさまったのはラッキーでした。
 なお、発表図では角が持駒でしたが、解説時の山腰雅人氏の意見を入れて置駒に改作しました。
 また本作は、初形で持駒を含めて攻方2枚、詰上がりも攻方2枚という珍品。この条件に合う作品はめったにないと思います。


D詰パラ '92.9


32歩、22玉、21角成、同玉、25香(イ)24桂、
同香、23桂、同香、32玉、A22香成、同玉、
14桂(ロ)32玉、33香、23玉、22桂成、13玉、
25桂、22玉、32香成、同玉、33桂成、21玉、
24龍、31玉、22龍、41玉、42龍まで29手
(イ)23歩は同香、32玉、33歩、23玉、25香以下
(イ)23桂は12香成、同玉、14龍以下
(ロ)23玉は25香、24桂、15桂、32玉、22桂成、同玉、42龍、32歩、12香成以下
(ロ)13玉は25桂、23玉、22桂成、同玉、33龍、11玉、13香以下
A 33香、23玉、15桂、13玉、25桂、12玉、14龍、21玉、23龍、11玉、13龍、21玉以下逃れ

 創棋会の課題「使用駒八枚以内」に挑戦するとき、四香シリーズの再現を試みたが、さすがに旨くいかず、替わりにできたのがこの作品。
 この簡素な形から桂二段中合が飛び出すのが売り。5手目25香に対して単に32玉は33香、22合は41龍で詰むので、中合して32玉とかわすしかないが、1歩でもあると33歩とたたかれるので桂中合しかない。しかし単に23桂合では12香成から14龍があるのでそれを避けるために24桂中合が必要になる、というのがその機構です。
 11手目以降収束となるが、香を桂に打ち替えた途端詰形になり、綺麗に駒が捌けて詰上がる。ロの変化と合わせて、偶然できたとは思えないほど旨くできた収束ではないでしょうか。
 当初35とはなかったのですが、それでは9手目12香成以下余詰で、泣く泣く置くことになった。そのため、課題に合わせるために、頭4手を省いて発表せざるを得なかったのは何とも不本意でした。


E詰パラ '89.4


A33と、(イ)同桂、24龍、(ロ)23金、B同龍、同馬、
62飛成、32歩、同と、同馬、13金、11玉、12歩、21玉、
33桂、同馬、11歩成、同馬、33桂、同馬、12金、31玉、
43桂、同馬、22金、41玉、53桂、同馬、32金まで29手
(イ)11玉は14龍、13歩、21と、同玉、24飛、23合、同飛成以下
(ロ)23歩は62飛成で
 ・42歩、33桂成、31玉、42龍、同馬、43桂打、41玉、42と、同玉、64角、41玉、31角成、52玉、53角成、61玉、64龍以下
 ・52歩、同龍、同馬、33龍以下
 ・32歩、同と、同馬、同龍以下

A 13と、同桂、24龍、23金で逃れ
A 62飛成、42歩、24龍、23金で逃れ
B 62飛成、42歩、33桂成、11玉以下逃れ

 創棋会の「不動駒なし」の課題に向けて手元にあった素材をとにかく逆算してみたもの。
 当初は31との替わりに43角だったので、変化も易しい作品でしたが簡単に余詰んでしまいました。手順そのままで余詰を修正するにはこの形しかないので、後は変化が詰むかどうか、運を天に任せたわけですが、そのため変化が思いもかけず複雑になってしまいました。盤面を左端までいっぱいに使って手数もギリギリで割り切れたのは奇跡的と言ってもいいところです。


F詰パラ '83.7


14角、13玉、23角成、同玉、25香、24桂、
同香、12玉、13歩、同玉、25桂、12玉、
22香成、同玉、34桂(イ)23玉、33馬、12玉、
22桂成、同歩、13歩、21玉、43馬、32歩、
33桂、31玉、41桂成、21玉、12銀、同香、
同歩成、同玉、13歩、同玉、15香(ロ)14角、
同香、同玉、25金、13玉、24角、12玉、
34馬(ハ)23香、同馬、同玉、34銀、12玉、
13角成、11玉、22馬、同玉、24香、11玉、
12歩、同玉、23銀成、11玉、22成銀まで59手
(イ)同銀は、33馬、12玉、34馬以下
(ロ)14桂は24銀以下。他合は同香以下。
(ハ)23桂は、13角成、同玉、24金、12玉、13銀、21玉、22銀成以下

 ジャマ角消去に始まり、3回の合駒を交えて軽いサバキをテーマにした作品。収束も大駒がきれいにさばけて不満のない仕上がりと思っています。
 本作の原案は詰棋創作を始めたばかりの頃の作で、43馬以下あっけない収束という中途半端な作品でした。変化にしか働かない16金など、何とも稚拙な構図でした。
 数年後、ともかく収束をもう少し見られるようにしようとして、とりあえず12銀以下強引に手をつないで、その後を考えてみることにしました。そうしたところ、角合は出てくる、香合は出てくる、問題の金もちゃんと動いて、収束角捨てまでピッタリという具合で、何とそのままできているではないですか!要するに、後半部分は創ったというよりも、できていた図を単に解図しただけのこと。やったのは歩合防止の17歩と余詰(41手目35角以下)防止の45とを置いただけのことです。幸運に恵まれたとしか言えません。


G詰パラ '79.7


43歩成、同玉、76角、53玉、26角、35香、
同角、同歩、55香、54桂、同香、43玉、
53香成、同玉、65桂、43玉、73桂成(イ)53玉、
63成桂、同香、55香、54桂、同香、43玉、
53香成、同玉、65桂、43玉、73桂成、53玉、
63成桂、同香、55香、54桂、同香、43玉、
53香成、同玉、65桂、43玉、73桂成、53玉、
63成桂、同玉、54銀、73玉、72桂成、同玉、
94角、83歩、同角成、同玉、84香(ロ)72玉、
82香成、61玉、51歩成、同玉、63桂、61玉、
71桂成、51玉、62桂成、同玉、72成香、52玉、
53歩、51玉、61成桂まで69手
(イ)54香は同角、53玉、63角成、同香、54香、43玉、44香、33玉、22銀、同玉、23金、31玉、41香成以下
(ロ)73玉は65桂、72玉、82香成、62桂成、同玉、53銀成以下

 ここからは長編趣向詰を並べてみます。
 本作は初めて創った本格趣向作。香桂合駒変換をからめた香はがしですが、趣向の性格上四香はがしにできないのはやむを得ません。
 香合の変化を支えるための舞台装置作りに苦労させられたのを覚えています。つまり、イ54香合の変化を詰めるためには、43玉に44香以下詰まねばならないが、同じ形で55桂と打ったのでは詰まない構造にしなければならないわけで、この点は苦労の甲斐あってうまくできたと思っています。
 収束がうまくまとまったのが最大のお気に入り。趣向の都合上必要な盤面三桂配置も無理なく果たせたし、収束のためだけの配置を最小限に抑えて、大半を趣向に必要な駒でまかなうことができたのはラッキーでした。
 3手目76角は、何となく打ってしまうかもしれませんが、伏線的限定打になっています。
 なお、発表時67手を一部変更しています。


H「磯子蟹」 詰パラ'93.2


A61歩成、同玉、51歩成、同玉、41歩成(イ)同玉、
42歩、51玉、52歩、61玉、62歩、71玉、
72歩、82玉、73と、92玉、82と、同玉、
93龍(ロ)同玉、85桂左、82玉、93香成、72玉、
73金、同金、同桂成、同玉、65桂左、62玉、
73香成、52玉、53金、同金、同桂成、同玉、
45桂左、42玉、53香成、32玉、33金、同と、
同桂成、同玉、25桂、23玉、33香成、12玉、
22銀成、同金、13歩、11玉、22成香、同玉、
23歩、31玉、22金、41玉、33桂、51玉、
62成香まで61手
(イ)61玉は62歩、71玉、72歩、82玉、73と、92玉、82と、同玉、93龍、72玉、73金、同金、同龍、同玉、65桂左、62玉、73香成、52玉、42金、61玉、51と、71玉、72歩、81玉、82歩、91玉、92歩、同玉、85桂まで
(ロ)72玉は、73金、同と、同龍、65桂左、83玉、93金、同玉、85桂以下

A 72歩、82玉、73と、92玉、82と、同玉、93龍、同玉、85桂左・・・・45桂左、42玉、33金(53香成は31玉で逃れ。このためあらかじめ41歩を消去しておく必要がある)、同と、同桂成、同玉、25桂、23玉、33香成・・・・23歩、31玉、22金、42玉で逃れ

 オリジナルティーを認めてもらえる趣向手順にはめったに巡り会わないが、これは結構いけていると思います。
 ありふれた横送り趣向の変形ですが、序盤に伏線的な一往復(変化に備えた玉方41歩の消去)を挿入できたことと、趣向の雰囲気を壊さないような収束手順がスンナリ入ったあたりは気に入っています。
 残念ながら、発表図は持歩を一枚「25と」と置いていたため、イの変化がわずかに詰まず、不詰になってしまいました。この図で修正できているはずです。


I「龍神淵」 詰パラ '94.5


34銀成、同香、33銀打、同香、同銀、23玉、
24香、同と、同銀成、同玉、25歩、同玉、
34角、24玉、
「23角成、同玉、25香(イ)24香、同香、同玉、
94飛成(ロ)84歩、25歩、同玉、95龍、85角、
A34角、24玉、」
「23角成・・・・84龍、74歩・・・・85龍、75角、
34角、24玉、」
「23角成・・・・74龍、64歩・・・・75龍、65角、
34角、24玉、」
「23角成・・・・64龍、54歩・・・・65龍、55角、
34角、24玉、」
B25香、33玉、45角、37角成、23香成、44玉、
54龍、35玉、36歩、同馬、34龍、46玉、
36龍、55玉、56龍、64玉、C91角、74玉、
54龍、83玉、56角、93玉、92角成、同玉、
52龍、83玉、82角成、84玉、85銀、95玉、
73馬、同桂、92龍まで103手
(イ)24角は同香、同玉、94龍、84歩、33角、23玉、24歩以下
(ロ)84角は同龍、同角、33角以下

A 同龍、同歩、34角、24玉、25香(23角成は同玉、25香、24角、同香、同玉、33角、23玉・・・・)、33玉、55角、32玉、23角成、43玉、33飛成、54玉、44龍、63玉以下逃れ
B 23角成、同玉、25香、24香、同香、同玉、54龍、44金で逃れ
C 54龍、73玉、95角、82玉、52龍、93玉、84銀、94玉、92龍、93金、同銀成、95玉以下逃れ

 本格的な龍ノコ作品を創ってみたくて悪戦苦闘、やっとこの趣向にたどりついた。後で大塚氏の「龍騎兵」の亜型とわかってガッカリしたが、気を取り直して大学院に投稿。対抗に恵まれて半期賞を受賞することができました。
 当初はもう1サイクル回してあっさり収束させる予定でしたが、Bのごとく44金合がどうやっても詰まず。別の方向で収束させるしかなくなって、試行錯誤の結果、何とか左辺に追い出す手順を得ることができました。しかし、収束用に使える駒が限られている上に、趣向と収束が舞台を共有することになってしまい、趣向に影響を与えない配置を強いられて、どうなることかと思ったが、その制約下でこれだけの収束手順が得られた点は大いに満足しています。


番外 「白馬童子U」 めいと'97.11


44桂、同と、53歩、41玉、42銀成、同と、52金、同と
44飛、51玉、52歩成、同玉、42飛成、同玉、
43飛成、51玉、53龍、41玉、42歩、32玉、
43龍、21玉、23龍、31玉、32歩、42玉、
75馬、64と、43龍、51玉、53龍、41玉、
42歩、32玉、76馬、65と・・・・・
98馬、65と、43龍、21玉、A12香成、同玉、
89馬(イ)同桂成、14香、21玉、23龍、31玉、
32歩、42玉、86馬、64と、43龍、51玉、
53龍、41玉、42歩、32玉、87馬、64と
・・・・
98馬、65と、43龍、21玉、B23龍、31玉、
33龍(ロ)32銀、43桂、21玉、12香成、同玉、
89馬、21玉、12馬、同玉、24桂、11玉、
13龍、21玉、12龍まで125手
(イ)45歩は同馬、同金、14香、21玉、23龍、31玉、32歩、42玉、43龍、51玉、52歩、62玉、26馬、35歩、63桂成、71玉、72成桂、同玉、73桂成以下
(ロ)32角合も同じ(非限定)

A 23龍、31玉、33龍、32銀、43桂、21玉、12香成、同玉、89馬、同桂成、32龍、13玉、33龍、23桂、24銀、14玉、23龍、25玉、35銀、同玉、26馬、46玉以下逃れ
B 12香成、同玉、89馬、34歩、24桂、22玉、32桂成、12玉、34馬、同金、13歩、11玉、21成桂、同玉、23龍、31玉、34龍、32歩で逃れ

 市島啓樹氏との合作なので番外となったが、これもはずせない作品です。
 前作「白馬童子」はパラ入選100回の記念作だったのに余詰で潰れた苦い思い出の作品。(一応修正図はできているので図面だけ載せておきます。)それを見た市島氏が馬ノコのバトンタッチをする作品に改作して私の元に送ってこられました。綺麗な収束も入ってなかなかの出来でしたが、検討の結果、収束で修正不能の余詰があり、今度は私が、その余詰筋を作意にして作り直し、全体の構図や序奏も全面的にやり直して完成させたものです。
 要するに、途中の馬ノコのバトンタッチの部分は全面的に市島氏のアイデアというわけです。
 修正のポイントは、1回目の89馬には歩合が効かない(変化イ)が、2回目には効く(紛れB)ような構造創りにありました。
 収束があっけないのと、合駒非限定を何とかしたいところですが、この収束は趣向部分と密接な表裏一体の関係があり、無闇にいじることはできないようですので、これで妥協するしかない、とうのが結論です。

「白馬童子」
 詰パラ '95.4(修正図)

  42歩成以下103手




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