鑑 賞 室

巧妙な手順、きれいに浮かび上がる文字。
“一局で二度おいしい” あぶり出しならではの楽しさ、面白さを、じっくりとご覧ください。




※将棋盤右上の「発表」年月は、原則として結果発表月を表しています。


ア-1 護堂浩之氏作


掲載誌 詰パラ
出  題 1996年5月
結果発表 1996年9月

新ヶ江幸弘氏結婚祝賀詰


まず6手目53同玉の局面に注目。ここですぐに54歩では同玉、55歩、65玉で逃れ。そこで51飛打として以下8手進めていくと、6手目と全く同じ局面で持駒が「飛金歩歩」から「金金歩歩」に変わっています。すると今度は54歩、同玉、55歩、65玉なら76金、74玉、84金までの詰みなので、55同と以下収束へ向かうことになる訳です。曲詰にこうした持駒変換を採り入れた作品は非常に珍しく、これぞ趣向詰作家の面目躍如と言えるでしょう。


ア-2 森本 哲司氏作


掲載誌 詰パラ
出  題 2003年10月
結果発表 2004年1月

『きしはじめ』名義で発表


    【 作者感想 】

平成10年頃の作。全く修正なく成立したのは珍しい。

いきなり歩中合が飛び出したかと思えば、立て続けに金合、角合、桂合と、まさに合駒のオンパレード。収束も龍切りで決まっていて、文句のつけようがありません。半期賞は惜しくも逸しましたが、この年の看寿賞の選考では柳田明氏が本作を候補に挙げていて、「曲詰で三間空いた中合は珍しく、ほとんど作例がないのではないか」と評しています。いかにも現代的なあぶり出し曲詰の傑作です。                                  (記:管理人)




   
 
 

このページのトップへ