建物名称 石炭記念館
所在地 山口県宇部市
高さ 建物本体高37m 展望台床面高32m
竣工 1969(昭和44)年
概要 宇部市は1897(明治30)年に沖ノ山炭鉱(宇部興産の前身)が操業開始したのを契機として飛躍的な発展を遂げた町である。1921(大正10)年には県都・山口に先んじて村から一躍市制を施行し、現在約17万を擁する人口は山口市のそれを上回っている。近年は中心市街地の商業不振など勢いは停滞気味であるものの、依然として県内では下関に次ぐ有力な都市であることに変わりはない。
1967(昭和42)年までに市内の炭鉱はすべて閉山し、工業の主力は化学・建設資材・機械・金属等へ転換したが、永年にわたって宇部発展の基盤となった石炭産業を後世に伝えようと、地元政財界そして多くの市民の寄付によって日本初の石炭記念館が誕生したのは1969(昭和44)年のことであった。塔の部分は東見初炭鉱で実際に使われていた竪坑櫓を利用したもので、昇降機のワイヤーを巻き揚げる滑車(=矢弦車)が据え付けられていた最上部を改造して展望台を設けている。記念館が立地する「ときわ公園」は常盤湖を囲む188haの広大な市営総合公園で、遊園地、動物園、野外彫刻美術館などを備えている。
TF式分類 第1種 II類
登頂日 2003年3月19日
 2003年3月19日の登頂記録
石炭記念館は2階建ての展示棟と、その上に建つ展望台からなる小規模な博物館です。

竪坑櫓は炭鉱のシンボル的施設であり、かつて炭鉱があった場所にモニュメントとして残されているケースは各地で見られますが、展望台をくっつけてしまったのは宇部だけでしょう。

こちらが入口。私は炭鉱にも興味があって、当館へは1997(平成9)年に訪れています。つまり今回は2回目の訪問。
前回は展示を見るのが目的でタワーには登らなかったので、今回が初登頂です。

ちなみに入館は無料。前回来たときは、ときわ公園への入場が有料でしたが、2年前から無料開放されました。

展望台は、ご覧のようにだいぶ手狭です。真ん中にエレベーターシャフトがあるのでしょうがないのですが、花見シーズン以外は展望台が込み合うこともないので、これでいいのでしょう。実際、私しかいなかったし。
眼下には常盤湖。水面にはたくさんの白鳥が浮かんでいますが、ときわ公園きっての人気者といえばモモイロペリカンのカッタ君です。なにしろ映画化もされているんですから。
常盤湖は1698年に灌漑用水確保を目的として築造された、周囲12kmの大規模な人造湖。湖畔は桜の名所として知られています。
公園内には遊園地もあります。もっぱら子ども向けのアトラクションで構成されていて、一番スリリングなマシンということになっているスーパーローラーコースターは宙返りすらありません。
この日は早朝にひと雨降って、どんよりと重い曇り空だったのですが、私が展望台に登ったらちょうど薄日が差してきました。
海の手前は山口宇部空港。右手に飛行機の姿も見えるのですが、ちょっとわかりにくいですね。
展示室では宇部炭田に関する資料が体系的に並べられています。半地下構造の模擬坑道や、戦前の炭鉱住宅を復元したスペースがなかなか面白く、地元小学生の社会科見学コースにもなっているようです。
ときわ公園

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