建物名称 ツインアーチ138
所在地 愛知県一宮市
高さ 全高138m 展望台床面高100m
竣工 1995(平成7)年
概要 木曽川、長良川、揖斐川が流れ込む伊勢湾の河口から木曽川上流の愛知県犬山市まで総延長107kmにわたる川岸一帯は国営木曽三川公園として整備されている。公園は大きく3つの地区に分けられ、そのうち愛知県旧尾西市域・岐阜県羽島市のあたりから上流が「三派川(さんぱせん)地区」と呼ばれている。この三派川地区の拠点施設が愛知県一宮市の「138タワーパーク」で、ツインアーチ138はシンボルタワーとして屹立している。「138」というのは「いちのみや」の語呂合わせである。
2つのアーチとエレベーターシャフトからなるタワーの形状も特異だが、建設工法も「リフトアップ工法」という珍しいもので、下から組み上げていくのではなく、まずアーチの頂部と展望階を地上で先組みし、油圧ジャッキでリフトアップしながら下にむかって部材を継ぎ足していくという方法が採られた。建設中はタワーがあたかもタケノコのように成長していく過程が見られたことだろう。
なお国営木曽三川公園には「中央水郷地区」の岐阜県海津町(現・海津市)にも展望タワーがある。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 2001年8月6日
 2001年8月6日の登頂記録
尾張一宮駅前から1時間に1本しかない山郷西行きのバスで約20分、光明寺がツインアーチ138の最寄りバス停です。バスが走ってきた県道はズバリ「タワー通り」と名付けられています。

バスはかつてタワーのすぐ前まで乗り入れていたらしいのですが現在は路線が廃止されており、光明寺バス停は最寄りとはいえ歩いて5分くらいかかります。

こんな形状のタワーは世界的にもあまり例を見ないのではないでしょうか。ツインアーチ138のパンフレットによると「木曽三川の雄大な流れを象徴」しているそうです。
立派なエントランス。
入場券は左手に設置してある自動券売機で購入するので窓口はありません。その入場券もエレベーター乗り場でおねえさんに回収されてしまって手元に残らないのでちょっと味気ない。
券売機には「本日の景色」が5段階評価された表示が出ています。薄曇りの今日の評価は3。登ってみたらろくに景色が見えなかったというのでは哀しいですから、これは気が利いていますね。
タワーのライトアップは各地で行われていますが、ツインアーチではそれに天気予報の要素を加味しています。明日は晴れならピンクとオレンジが30分おきに交互に点灯するという按配です。
「タワーの色を見ると明日の天気が一目瞭然!!」と書いてありますが、どの色がどの天気なのかをいちいち憶えていなければ意味がないので、あまり周辺住民がこれを活用しているとも思えないんですがね。
はい、毎度おなじみの高度表示メーター付きエレベーターです。
ガイドのおねえさんは乗っていませんので自分で「展望室」と書かれた階床ボタンを押して上へ行きます。
地上100mの展望室に着きました。
エレベーターを降りるなり子どもたちの嬌声が聞こえ、その傍らでは世間話に花を咲かすお母さんたち。そういえば1階ロビーでも中高年の一団が談笑していたし、どうやらこのタワーは観光施設というより地元の町内会館という性格が色濃いようです。その証拠に(?)6枚綴りの回数券が売られています。
これが評価3の風景。たしかに遠くが霞んでいますが、まぁわるくない展望でしょう。方角としては西方の木曽川下流方面を望んでいます。川の右岸は岐阜県川島町。
タワー南側は住宅地と農地が混在する田舎の風景が広がっています。
一宮市は県内でも6番目に多い27万5000の人口を擁していますが、あまり都会というイメージはありません。
138タワーパーク内にはいくつかの広場が造成されています。右奥に見えるのは日本初の本格的植栽庭園迷路とされる「ピサニの迷路」で、18世紀にイタリア・ベネチア郊外にあった宮殿の庭園をモデルにしているとか。
左に少しだけ見えているのは9品種4000株のバラの花壇「ローズストリーム」で、見頃は初夏と秋の2シーズンだそうです。
河川敷に出現した巨大な気温グラフ。夏休みの恒例だそうで、タワーの展望室から見ないとわからないほどスケールがでかい。そこで毎年8月31日には展望室が小学生で満員になるそうです(嘘)。
しかし夏休みの宿題に毎日の天気と気温を調べさせるのなんていまだにやってるんですかね?
タワーおよびタワーパークでは積極的にイベントを行っているようで、私が登ったときは展望室で「昔懐かしのおもちゃ展」をやっていました。市民から提供を受けた昭和20年代から50年代くらいまでのおもちゃが年代ごとにショーケースに飾られています。
この写真は昭和40年代の展示。真ん中の2体のソフビ人形はなんでしょうか。右はたぶんジャイアントロボ、左はアイアンキングだったっけな。
軽食がとれるラウンジ「BIG TREE」。ささやかながらおみやげコーナーもあって、タワーオリジナルグッズも何種類か用意されています。
タワーの巨大なアーチを見て、アメリカのセントルイスを連想した人はなかなか鋭い。パーク内にはセントルイスのシンボル「ゲートウェイアーチ」の20分の1ミニチュアが建てられています。
おみやげに買ってきたのはこの2点。右はピンバッジで、同一図柄で色違いが何種類かあります。

左はタワーのミニチュア。高さは3cmくらいで、生意気にも透明ケース入りです。材料がなんだかわからないのですが(ポリパーツかな?)塗装はいかにも手作業で行われている感じで、よーく見ると塗りの出来に個体差がある。もちろんしっかり吟味してなるべく出来のいいやつを買いましたが。
造形は甘いにもほどがありますね。かなり寸胴だし。でも本来なら空間であるべき部分が空をイメージしたのか水色に塗られているところはいいセンスしてると思います。
あんまり売れてるとも思えないんだけど、なんだか素朴でいいじゃないですか。

現在は路線バスが138タワーパークへの乗り入れを再開しているが、バスの経由地や運行時刻は頻繁に変更されることがあるので訪問前には充分確認されたい。
国営木曽三川公園

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