建物名称 通天閣
所在地 大阪府大阪市浪速区
高さ 避雷針高103m(下記注意事項参照) 展望台(5階)床面高87.5m
竣工 1956(昭和31)年
概要 大阪きっての庶民的な歓楽街「新世界」が誕生したのは1912(明治45)年のこと。このとき新世界の中に開設されたルナパークという遊園地の目玉施設として、高さ64mの展望タワーが建てられた。それが通天閣である。パリの凱旋門の上にエッフェル塔を載せたようなデザインの初代通天閣は1943(昭和18)年に火災で焼損し、折からの戦争に鉄材を供出するため解体撤去されてしまったのだが、戦後の混乱が次第に落ち着いてくるとミナミの人々の間に通天閣を復活させようとの機運が盛り上がるようになる。こうして有志の出資による通天閣観光株式会社が昭和29年に誕生し、現在の2代目通天閣が1956(昭和31)年に竣工したのである。なお、通天閣観光が公にしている塔の高さは100mだが、これは避雷針を含めない数値である。
国内の展望タワーでは老舗中の老舗だけあって、通天閣には数多くの逸話がある。2代目通天閣を設計した故・内藤多仲博士は東京タワーを設計した人物でもあるということ、通天閣の名付け親は儒学者・藤沢南岳だったことが初代の竣工以来75年目にして判明したこと、オープン以来年中無休で臨時休業したのはたったの2日だけということなど。興味深いコンテンツが満載の公式サイトはタワーファン必見である。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 1回目 2002年5月6日
2回目 2007年4月13日→この日の登頂記録へスキップ
注意事項 通天閣は2012(平成24)年4月に内装および外部ネオンサインを全面的にリニューアルしています。また、2016(平成28)年10月に開業60周年を記念して避雷針を交換したことにより、建物全高(=避雷針高)は108mになっています。
 2002年5月6日の登頂記録
周囲が建物の密集地帯なので通天閣の全景を写真に収めるのはなかなか難しいのですが、フェスティバルゲートの大階段の上は人気の撮影ポイントのようです。どうもづぼらやの看板の方が目立っているような気がしますが(笑)

ところで、なんだか通天閣に色気が足りないように感じませんか? そうだとしたら、それはたぶん2001(平成13)年の大改修を機に展望台下のくびれた部分にあった日立のマークが取り外されてしまったからでしょう。
あの真っ赤な「亀の甲」マークはいいアクセントだったのですが、21世紀を迎えてイメージを一新したいという日立本社の意向で、すべての屋外広告からマークを外すことにしたのだそうです。

ちなみに通天閣と日立のネオンは切っても切れない深くて長い縁があるわけですが、西面(写真の左側)だけは公共広告となっています。ちなみにこのとき掲げられていたフレーズは「人、まち、かがやく!大阪」。

ここが入口。頭上に大きく掲げられたサインボードは2000(平成12)年に設置されたもので、「通天閣」の文字は作家・藤本義一氏の筆によるもの。
通天閣は4本の鉄脚で立っており、塔の真下は公道が通り抜けています。そこで2階へは補助棟と呼ばれる円形の建物内にあるエレベーターで上がることになります。

入場券は2階で販売しています。この2階にはちょっとしたゲームコーナーやおみやげ店などがあり、そこまでなら無料で入場することができます。ちなみに3階は貸しスペースとして利用されており一般の入場はできません。

窓口で入場券を買って展望台へのエレベーターに乗りましょう。休日はこのとおり行列することもあり、通天閣の人気の高さが窺えます。

で、真ん中に置いてあるのはなんと卓球台。1時間500円で貸してくれるんだそうです。ゲームコーナーがある展望タワーは珍しくありませんが、卓球台というのはきわめて珍しい。というよりたぶんここだけでしょう。同じ2階にはマッサージチェアが並んでいる一角もあったりして、こういう垢抜けなさがいかにも通天閣らしくていい。

2001(平成13)年の大改修を機に、天井に光の演出効果を施した新しいエレベーターがお目見え(混雑で写真が撮れなかった……)。それに乗って5階展望台に到着です。

通天閣のすぐ東隣は天王寺動物園。中央の建物は市立美術館です。

南側には屋内遊園地・フェスティバルゲートと、世界の温泉が楽しめるというスパワールドがでんと構えています。
北西側には東京の秋葉原と並び称される日本橋の電器街「でんでんタウン」が広がり、その向こうには南海電車の難波駅に建つ南海サウスタワーホテルと、大阪球場跡地の再開発地区に2003年秋オープンする高さ149mのオフィスビルが見えます。
通天閣名物といえば、アメリカ生まれの幸運の神様ビリケンさん。展望台の一角にちょこんと鎮座してまして、足の裏を撫でながら願い事をすると叶えてくれると言われています。そのためよく見ると足の裏がすり減って窪んでいます。まさに点滴石を穿つといったところでしょうか。
おみやげ売場ではオリジナル商品が充実しています。縁起物として多種多様なビリケンさんグッズが売られているほか、キーホルダーや提灯といった昔からの定番ものも取り揃えられています。
下りのエレベーターは4階から乗るのですが、その4階の南側は喫茶スペースになっています。
タワーみやげといえばこれ! タワーのミニチュア置物です。こういうのが欲しいんですよ、私は。ただ、高さが20cmもある大きなものなので持って帰るのは厄介だったなぁ。

実はこれ、エラー商品なんです。展望台下のくびれ部分に時計がついていますが、本当は時計があるのは東面で、すなわち補助棟と同じ方向でなくちゃいけない。このミニチュアは台座と塔本体と補助棟の3つの部品からなっており、それらを接着剤で留めてあるのですが、組み立てる人が向きを間違ったようです。
本来なら南面、すなわち正面になるべき側にはネオンの部分に「通天閣」の文字が入っているので気が付きそうなものですが……。これから買おうという人は、包んでもらう前に箱を開けてチェックさせてもらった方がいいかも。

 2007年4月13日の登頂記録
今回およそ5年ぶりに訪れたのは開業50周年の記念メダルを買うのが目的なのですが、前回は観光客で非常に混雑していたため撮影がままならなかった部分も多かったので、空いている平日に再チャレンジというのも狙いのひとつです。

前回は地下鉄御堂筋線・動物園前駅からのアプローチでしたが、今回は堺筋線・恵美須町駅から。3番出口はアーケード商店街に直結しており、階段を上がったとたん通天閣の姿が目に飛び込んできます。
西面の公共広告ネオンは「元気な大阪、美しい水の都」に変わっていました。

補助塔エレベーターの左脇には通天閣再建設工事の銘板が嵌め込まれています。「起工 昭和30年8月17日」「竣工 昭和31年10月28日」の文字とともに「設計監理 工学博士 内藤多仲」の名前も読み取れます。

この下には平成の大改修の銘板も掲げられているのですが、ステンレスに焼付印刷したもののようで、おそらく50年経ってもこんなに風格のある渋味は出せないでしょう。

通天閣のパンフレット(通天閣では「公式ガイド」と呼んでいるようです)はペーパークラフトになっていることは有名ですが、不覚にも前回はもらいそびれてしまいました。

50周年記念日の2006年10月28日からは特別版パンフレットが期間限定で配布されています。オープン当時の冊子の表紙デザインをあしらっているほか、年表や通天閣トリビアなども掲載してあってタワーファンには嬉しいアイテムです。
入場券のデザインもパンフレットに準じたものになっています。

前回撮れなかった、展望エレベーターの天井に施された光の演出。2台あるうちの一方は夜空に浮かぶビリケン座(この写真)。もう一方では満月に浮かぶビリケンさんが頭上で妖しく(?)微笑んでます。
これまた前回撮れなかった(というより、実は忘れていた)展望台のようす。室内を鉄骨が貫通するスタイルは、同じ内藤多仲博士の設計による名古屋テレビ塔やさっぽろテレビ塔でも見られます。観客としてはジャマなんだけど、構造的にしょうがないのかなぁ。
ビリケンさんの両脇には足型の絵馬に願い事を書いて吊るすコーナーができていました。最近この周辺でイベントかコンサートでもあったのかジャニーズファンと思われる女性のコメントがやたら目に付きました。

まったく余談ですけどこの私、かつてテレビ東京系で放映していた関ジャニ∞の番組にタワーマニアとして出演を打診されたことがあります。彼らのことはよく知りませんがチャンスがあるなら会ってみたかったなぁ。番組側の判断で出演が実現に至らなかったのはちょっと残念。

展望台の壁面には通天閣50年の歴史年表が貼り出されています。よく見ると下段は日立のテレビの年表じゃないですか。
ネオンサインは「日立プラズマテレビ」だし、2階には「Wooo」が展示してあるし(後述)、パンフレットの裏表紙もWoooの広告だし、いま通天閣に登るといつの間にか日立のテレビが脳に刷り込まれるようになっているから気をつけろ!(笑)
展望台は裾がすぼまった形状になっているため、窓際に立てば直下展望が可能です。とはいえ窓の外には清掃用と思われる足場がめぐらされているので眺めはあまりよくありません。
2階に降りてきました。
日立のプラズマテレビ「Wooo」とイスが置かれて休憩スペースになっているここは、確かあの卓球台があった場所だったはず。あれはあれで通天閣らしい光景だったので、撤去されたんだとしたら惜しい。
塔頂部には再建当時の関係者によってタイムカプセルが設置されていたそうで、2001年9月に開封されました。茶壺の中に納められていたのは通天閣再建の経緯を記録した長さ13mにもなる2巻の巻物で、現在2階壁面にその写しが展示されています。
2階には歴史的展示物がもうひとつ。再建当時のエレベーターの部品類を見ることができます。補助塔に設置された世界初の円筒形エレベーターは通天閣の自慢のひとつです。
お土産品は相変わらず充実していて目移りしますが、前回なかったアイテムからチョイスしてみることにしましょう。

左は鈍い金属光沢をたたえたビリケンさんと通天閣のキーチェーン。右は通天閣そのものを象ったストラップ。ミニチュアは大きすぎて持ち帰れないという人はこちらを代わりにいかが?

入口サインボードに掲げられた藤本義一氏揮毫のロゴを表紙に配したメモ帳は、金色のビリケンさんシール付き。全ページに通天閣の写真が刷り込まれています。
サイケ調の色彩が意外と通天閣にマッチしているハンドタオルもおすすめしておきましょう。
通天閣

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