建物名称 瀬戸大橋タワー
所在地 香川県坂出市
高さ 避雷針高132m 展望キャビン最大高108m
竣工 1988(昭和63)年
概要 瀬戸大橋の開通を記念して、1988(昭和63)年3月20日から8月31日まで「瀬戸大橋博覧会」が岡山と香川で開催された。香川県側の会場となったのは坂出市番の洲の一角で、会期終了後の跡地は瀬戸大橋記念公園として再整備され、記念館とタワーは恒久施設として営業を継続することになった。現在瀬戸大橋タワーの運営は同名の株式会社が行っている。
瀬戸大橋タワーは展望室部分が回転しながら昇降するタイプのものでは世界一の高さだというのを宣伝文句にしているが、実はかつて対岸の岡山県倉敷市下津井地区にはここを上回る150mの回転昇降式タワーが存在していた。その名もラ・レインボータワーといい、リゾートホテルの付帯施設として営業していたのだが、何年か前にホテルごと廃業してしまった。したがって瀬戸大橋タワーの世界一のタイトルは「営業を継続しているものの中で」という条件つきになるわけだ。
TF式分類 第2種 I類
登頂日 2001年8月4日
 2001年8月4日の登頂記録
快晴の空に塔の白さがひときわ映える瀬戸大橋タワーの姿。

ゴールドタワーを観覧したのち、宇多津駅前からタクシーでやってきました。その道すがら運転手さんが語るには、ゴールドタワーもそうだが瀬戸大橋タワーを訪れる客もめっきり減ったとか。帰りのタクシーは呼ばなきゃ来ないからと、営業所の電話番号をメモして渡してくれました。

瀬戸大橋タワーにも当初は観光客が押し寄せ、なんと坂出駅前から真っ赤な塗装の2階建てバスが無料送迎していたのだそうです。ところが客足が遠のいて送迎バスが廃止され、やがて付近を通る民間の路線バスも廃止され、現在は坂出市営のコミュニティバスが1日に5本だけ運転されているという状況です。(というのは帰ってきてから知った情報。バス停の存在なんて全然気付かなかったんだけどなぁ……)

タワーの根元にある事務所棟の建物。1階が切符売り場の窓口、2階がタワー乗り場で、讃岐うどんのお店も併設されています。とはいえ客の姿が見えないのでうどん屋が営業していたのかどうかはどうも判然としません。
左手に見える「海岸通り」という名の土産店は営業してます。が、やはり客の姿が見えません。退屈そうな表情で店番のオバちゃんが聴いているラジオ放送がむなしく響いています。「タワーのロゴが入った記念品はあるか」と訊ねたらいろいろ探してくれましたが、どうやらそういうものは製造されていないようです。
で、こちらが切符売り場。窓口に人はいなくて、自動券売機が4台置いてあります。余計なお世話ですが稼働させるのは1台だけにしておいて、電気代を節約した方がいいんじゃないでしょうか?
階段で2階に上がると、そこに「搭乗口」があります。回転昇降式の場合、タワーは「乗り物」ということになるわけですね。

この写真はちょうど先客(いたのか!)を乗せたキャビンが降りてきたところ。左にいるのはタワーの操作やドアの開閉なんかを一人でやっている係員のおじさん。搭乗券はもぎるかわりに昔の駅の改札のようにハサミを入れてくれます。

タワーの操作盤はいくつかのボタン類とランプがついているだけのずいぶんシンプルなもの。おそらくボタンひとつで上昇から下降までの一連の操作ができてしまうのでしょうし、考えてみてもそれ以外には緊急停止くらいしか操作の必要はなさそうです。
逆回転とかスピードアップなんて機能はついてないのかな?
キャビン内はご覧のとおり窓に向かって座席がずらっと並んでいます。定員は100人。でも乗っているのは私ひとり。搭乗料金は800円ですが、1回の昇降にかかる電気代はそれ以上と思われ、これまた余計なお世話ですが少なくともこの1回分に関しては採算割れをおこしているのではあるまいか。

当然ですが窓は開きません。上の方にちょっとだけ写っていますがエアコンはついているのでキャビン内は涼しい。ランニングコストだけはやけにかかってるんだな、このタワーは。

ちなみにキャビンは右回りに動いています。おおむね1分で1回転し、所要時間は約10分。その間、瀬戸大橋の計画から完成までのあゆみを解説するテープ放送が流れます。

なにしろタワーは瀬戸大橋のすぐ横に立っているのでゴールドタワーよりも橋の眺めは圧倒的に良い。

橋の道路部分はだいたい海面上65mくらいですから、タワーが最上部に達したときはそれより高い位置にいることになります。

見えているのは瀬戸大橋の香川県側の始まりの部分。向こう側は重化学工業地帯で、手前は瀬戸大橋記念公園です。公園内にはドームステージや緑地や噴水なんかが整備されていて、意外にも散歩をしにきた地元の人たちをあちこちで見かけます。
要するに人が寄りつかないのはタワーだけというありさまなのです。
キャビンの窓は開かない。と言いましたが、実は内側にはヒンジ式で開閉できる小窓がいくつかあるのです。そこから覗きこむとこんな光景が見られる。こうして柱がモロに見えている方が高度感がよりリアルに感じられるし、いま自分が乗っているキャビンの真下にはなんにもないという事実がいやでも認識されて、なかなかにスリリングなのです。
キャビンが上昇していくようすを連続写真風に撮ってみました。

なにしろ客がいないので、キャビンが動いている状態の写真を撮るのにはなかなか苦労します。このときはラッキーなことに30分ほど記念館を見学しているうちに次の客が来てくれました。
もし1時間ちかく誰も来ないようならもう一度切符を買って、撮影のために無人運転をお願いしようかと思っていたのでやれやれです。

瀬戸大橋タワー

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