建物名称 大沼スカイタワー
所在地 北海道亀田郡七飯町
高さ 全高70m 展望キャビン最大高60m?
竣工 1982(昭和57)年
営業中止 調査中
現状 2008(平成20)年?解体撤去
TF式分類 第2種 I類
概要

道南の景勝地として名高い国定公園・大沼の南岸に位置した回転昇降式展望塔である。年間約200万人とされる大沼エリアの観光客の7割が6〜9月の夏期に偏っていることから通年型観光施設が望まれていたことに加え、青函トンネル開通によって観光客のさらなる増加が期待されたことを背景に、1978(昭和53)年に中核施設としてタワー建設の構想が持ち上がり、大沼宅建を中心とする七飯町の有力者によって大沼スカイタワー株式会社を資本金4000万円で設立。七飯町のみならず函館市や函館観光協会などの賛同も得て1982(昭和57)年7月に開業のはこびとなった。
タワーは三精輸送機製で、全高70m・直径2.5mの支柱を62人乗り2階建てのキャビンが毎分1回転しながら毎分30mのスピードで上下した。乗り場は1階と2階の搭乗口にそれぞれ接続する鉄製の螺旋階段があるだけの簡易な構造で、敷地内には土産店、レストラン、ゲームセンターなどが付属。総工費5億8000万円のうちタワーに3億5000万円、付属施設に2億円余を投じたほか、第二期工事として淡水魚水族館も計画されていた(おそらく実現していない)。タワーの搭乗料金は大人600円・中高生400円・小学生と幼児300円。
タワー会社では当初年間20万人の利用を見込んでおり、大沼・小沼を一望できる眺めが評判を呼んで開業1ヶ月で3万5000人を集客するなど滑り出しは上々であった。しかし、大沼湖岸の道道沿いかつ大沼公園駅から徒歩圏内という恵まれた立地条件にありながら、ごく短期間で営業中止に追い込まれたようで、はたして1988(昭和63)年の青函トンネル開通時まで存続していたかどうかも怪しい。営業中止後はキャビンを支柱の中ほどに停止させた状態で放置されて廃墟化していたが、2003(平成15)年度に七飯町が跡地を2800万円で買収したのちタワーは2008年ごろに解体されたもよう。現在は更地になっている。

北海道立図書館(江別市)には大沼スカイタワーのパンフレット2種が所蔵されている。

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