建物名称 エキスポタワー
所在地 大阪府吹田市
高さ 避雷針高127m
竣工 1970(昭和45)年
営業中止 1990(平成2)年
現状 2003(平成15)年解体撤去
TF式分類 第1種 I類
概要 日本中を熱狂させた一大イベント、1970(昭和45)年の日本万国博覧会のシンボルタワーで、南口ゲートそばの丘の上に建てられた。設計は菊竹清訓氏。1辺10.8mの三角柱状をした鋼管構造のタワーで、大小11個の多面体キャビンが取り付けられて展望台や無線中継基地として利用された。会期終了後はエキスポランドの一施設として1972(昭和47)年から再公開されていたが、老朽化のため1990(平成2)年に閉鎖されて以後はほとんど放置状態であり、一層老朽化が進んだことからついに2003(平成15)年に解体されてしまった。

パビリオンとしてではなく、エキスポランド内のアトラクションという位置づけであったためか、シンボルタワーというわりには万博の公式記録にほとんど記述がない。エキスポタワーという名称が一般公募であったとか、キャビンは近未来の高層居住スペースを想定していたなどのエピソードもあるようだが、それらを裏付ける文献をまだ見つけられていない。

 2002年5月3日撮影
エキスポタワー解体決定が報じられたので、撮影だけでも……と慌てて現地へ駆けつけました。

この写真はモノレール万博記念公園駅から(つまりタワーの北側から)見たタワーの全景。
塔体は航空法の規定によって赤白塗装になっていますが、万博会期中はシルバー一色に塗られていました。

塔体は8.818mごと13のフロアに分かれていました。

多面体の展望キャビンがくっついているのが7〜9階で、設計図によると手前の上下につながっているキャビンは7・8階吹き抜けになっていたようです。
いちばん上のやや小振りな11階キャビンはエレベーターの機械室です。

9階キャビンは警察用無線室。その下の8階にはオープンデッキもありました。
7階と9階の南側にある三角窓の小キャビンはエレベーターホール。9階には同じ意匠の特別室もありました。
上から見ると菱形をしたエレベーターは30人乗りで2器ありました。宇宙船をイメージしたデザインだったそうで、ごく一部分しか見えていませんが、なんとなく雰囲気は伝わりますね。
エレベーターシャフトには壁がなく、言うなればゴンドラは空中に剥き出しの状態で上下していたわけです。ぜひとも稼働している様子を見たかった……。

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