建物正式名称 ポートインフォメーションセンター
建物通称 カモメリア
所在地 愛知県豊橋市
高さ 全高30.8m 展望台床面高26m
竣工 2005(平成17)年
概要 三河湾の渥美半島側の湾奥部を港域とする三河港は、国内自動車産業の一大拠点を後背地とすることから総取扱貨物量の約7割を完成自動車が占める。もちろんその取扱額や台数は全国でもトップクラスであり、輸出では名古屋港に次ぐ第2位、輸入では1993(平成5)年以来不動の第1位を誇る重要港湾である。このように三河港は国際自動車港湾として確固たる地位を築いており、さらなる機能強化を目指してインフラ整備等を行う国際自動車コンプレックス計画を推進中であるが、まだまだ一般的な知名度は高くないのが実情だろう。
ポートインフォメーションセンターは市民の三河港に対する親しみや理解を促進するため豊橋市が管理・運営する体験型展示施設で、小学校団体を中心に広く見学者を受け入れているほか、毎年海の日に開催される豊橋みなとフェスティバルの会場としても活用されている。「カモメリア」という愛称は市民による約100点の公募案から選ばれたもので、三河湾を飛ぶカモメと、フラワーアレンジメントで花びらを多層に重ね合わせる加工技法「メリア」を組み合わせた造語である。
なお当館2階には豊橋市産業部港湾活性課の事務所が置かれ、船員手帳の交付や各種届出等の窓口業務も行われている。
TF式分類 第1種 II類
登頂日 2011年11月27日
 2011年11月27日の登頂記録
ポートインフォメーションセンター「カモメリア」は広い三河港のうちコンテナターミナルや三河港務所があって中心的なポジションにある神野(じんの)地区に所在します。豊橋駅前から路線バスで20分足らず、運転頻度はおおむね70分おきなので決して交通が不便な場所ではないのですが、往路と復路のダイヤの組み合わせを検討すると30分未満で慌ただしく見学するか90分近くの長時間滞在を覚悟するかの二択を迫られるのが悩みどころ。結局はこの程度の小規模タワーなら隅々まで見ても短時間で済むはずと判断して、9時33分着・10時01分発のバスに乗る計画を立てました。滞在できるのはわずか28分ですが、幸いにもバス停はカモメリアのすぐ目の前なのでギリギリまで時間を使えそうです。
バスは定刻に到着。すぐさまカモメリアの外観写真を撮影し、こちらのエントランスから入館することにします。
小規模なタワーですがシースルーエレベーターが備わっています。
ええい、待ち時間も惜しいのになんで4階に停まってるんだ!
カモメリアは近隣の小学校から社会科見学の団体が多く訪れます。対象となるのは主に5年生だそうですが「エレベーターの中で飛んだり跳ねたりしないでね」という貼り紙があるということは、実際に飛んだり跳ねたりするやんちゃな子供が多いってことなんだろうなぁ(笑)。5年生ならもうそのへんの分別はつく年齢だから低学年や幼稚園児向けなのかもしれないけど、それなら掲示位置が高すぎて目に入らないと思われ。
展望室は全周ガラス張りで明るく、狭いながらも快適なスペースです。
北側にはカウンターテーブルが設えてあります。館内は飲食喫煙が禁止されていますが展望室に限っては「ご自由にご飲食いただけます」との掲示があります。
窓辺には双眼鏡が備えられています。各地の展望施設にはよく固定型の大きな望遠鏡が置いてありますが、室内空間が狭いと邪魔になりかねないし、見たい方向を自在に見られるという点でもこんなふうに小さな双眼鏡を常備するほうが気が利いているように思いますね。
西側に広がるのは神野東ふ頭。これから輸出される自動車がズラリと並んでいます。資料によると三河港で自動車の積み出しが行われている岸壁は3ヶ所あって、トヨタ自動車は田原地区、三菱自動車は蒲郡地区、ここ神野地区はスズキが使用しています。私は車に詳しくないので見た目だけでメーカーや車種は判別できませんが、要するにここに並んでいるのは全部スズキ車ということですね。
この日はタイミング良く船積みが行われていました。カモメリアに来れば必ず見られるシーンというわけではありませんし、積み込みのスケジュールも公表されてはいませんから、これはラッキーと考えていいでしょう。
一定の間隔で1台また1台と車載船に吸い込まれていく様子が小気味よく、単調な作業の繰り返しなのになんだか楽しい光景です。カウンターテーブルがこっち側にあれば飲み物片手に1時間くらいぼーっと眺めてても退屈しない気がする。
北側は豊橋市街地の方向なんですが、周囲は業務地域だし特に面白みはありません。右に見える銀色の屋根の建物は「ライフポートとよはし」で、コンサートホール・教育会館・男女共同参画センター・労働会館などから成る市営施設です。
南東方向にタワー発見! あれはこの三河港を管理している愛知県三河港務所の建物で、タワーはおそらく監視塔なのでしょうが現在は使ってなくてモニュメント的な存在になっているんじゃないですかね。いずれにしても一般公開はしていないはずです。
見学に訪れた小学生が綴ったメッセージのファイルが吊り下げられています。傍らの校名一覧を見ると豊橋市内のみならず、静岡県の浜松市、湖西市、磐田市などからも多数が訪れています。スズキの工場がこれらの都市に所在しているので浅からぬ縁があるということなのでしょう。
1階に下りてきました。帰りのバスまであまり時間がないので展示室はさらっと見るだけにとどめます。
三河港を紹介するコーナーには自動車運搬船の動く模型やQ&Aミニシアターなどがあるほか、奥の自動車産業を紹介するコーナーには自動車や関連部品の実物が展示されています。

きょうびの小学生にはやっぱりこういうガントリークレーンのシミュレーションのようにゲーム要素のある展示がウケるんでしょうね。

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