建物名称 福岡タワー
所在地 福岡県福岡市早良区
高さ アンテナ高234m 展望室(5階)床面高123m
竣工 1989(平成元)年
概要 今や「シーサイドももち」といえばレジャーにショッピングにと福岡随一の賑わいをみせるエリアだが、この広大な新興埋立地が現在のように発展するきっかけとなったのが1989(平成元)年に開催されたアジア太平洋博覧会「よかトピア」である。折からのバブル経済を追い風に地方博覧会ブームとなったこの時期に、会場のシンボル施設として建てられた展望タワーが各地に存在するが、福岡タワーもそのひとつである。よかトピア終了後のももち地区は、福岡ドームを筆頭に、博物館や図書館などの文化施設、民間企業の高層オフィスビル、観光船の発着所、人工砂浜など、新しい施設が続々と整備されており、さながら「近未来海浜都市」の様相を呈している。
タワーの外観は8000枚のハーフミラーに覆われた正三角柱で比較的シンプルな形態をしているが、全高234mのうちビル本体部分は150mで、そこから上はテレビ・FM放送・消防無線・船舶無線などの巨大なアンテナとなっているのが特徴的である。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 1回目 2001年11月1日
2回目 2010年5月3日→この日の登頂記録へスキップ
 2001年11月1日の登頂記録
あいにくどんよりと曇った日に訪れたのでハーフミラーが青空を映して輝くさまをお見せできませんが、これが福岡タワーの全景。

パンフレットにもチケットにも公式サイトにも、福岡タワーには「ミラーセイル」という愛称がついていると書いてあるのですが、誰もそう呼ばないし、そもそもそんな愛称があること自体知られていないのではないかと……。

広々としたエントランスホールの一角にチケット売り場とインフォメーションカウンターがあります。

タワーに隣接するセンタービルは土産品売り場やレストラン、多目的ホールがある2階建ての建物で、このエントランスとも直結しています。

シースルーエレベーターで一気に展望階へ。
タワーは一見すると超高層ビル風ですが、1階から展望階までの間は鉄骨があるだけで中身は空っぽなのでした。
展望台は3層になっていて、ここが一般客の出入りできる最上階である5階展望室。床面高は123mですから、タワーのおおよそ半分の高さです。
最近はこのようにモニタ画面付きの望遠鏡をちらほら見かけるようになりましたが、ここのはさらに喋る機能までついている。

「ぼく、てれぼー君。遠くの景色がうーんと大きく見えるよ。見てね!」
「ぼく、てれぼー君。遠くの景色がうーんと大きく見えるよ。見てね!」
「ぼく、てれぼー君。遠くの景色がうーんと大きく見えるよ。見てね!」
「ぼく、てれぼー君。遠くの景色がうーんと大きく見えるよ。見てね!」

……とまぁ、展望室に人がいようがいまいが20秒おきにずーっと喋ってるんです。あー、うるせぇ。

タワーのすぐ北側は博多湾に面しています。ひと昔前は、ももちといえば静かな海水浴場だったそうですが、今あるのは人工砂浜。中央に張りだしているのはマリゾンと呼ばれる施設で、海の中道への航路が発着するほか、レストランとショップが併設されています。
こちらは西側の風景。すぐ隣に建つ高層ビルはネクサス百道(←ももちを漢字で書くとこう表記します)。なんとマンションなのです。

なお、この時期は右に見える砂浜の一角で「中世博多展」が催されていました。ももちは元寇の防塁が築かれた場所でもあり、ちょうどNHKの大河ドラマで北条時宗が放映されていたこともあって、会場では当時の町並みを再現するなど関連の展示を行っていたようです。

こちらは逆に東側のようす。正面に見えるのはホークスタウンの中核をなすシーホークホテル&リゾートで、その陰に隠れているのが福岡ダイエーホークスのホームグラウンドである福岡ドームです。
小ぢんまりとしたお土産コーナー。タワーオリジナルグッズも揃っています。
いま福岡のお土産として密かな人気らしいのが「からしめんたい君」というキャラクター商品で、真っ赤なバーバパパ(というよりバーバブラボーか)みたいな格好をしています。何気なく手に取ったスクイーズ人形の握り心地がよかったもんで、ついつい衝動買いしちゃいました。
4階のカフェラウンジは素通りして3階展望室へ降りてきました。エレベーターホールの床面には真鍮製の方位盤が鈍い光を放っています。
なんでもこの方位盤の中心に立って好きな人の住む町の方を向いて祈ると恋が成就するという噂があるそうなんですが、たぶん噂じゃなくて福岡タワー株式会社の企画担当が勝手に広めているだけに違いないぞ。
そんなラブラブ企画の一環らしく、3階展望室は全体的にピンク系のインテリアでまとめられています。俺みたいな一人モンは恥ずかしゅうていたたまれんわい。
ご覧のようにピンク色のラブラブソファまで用意してある。やっぱり恥ずかしゅうていたたまれないからさっさと1階に降りようっと。
お土産に買ってきたのはミニステーショナリーセットとメモ帳と、タワーの絵柄を彫り込んだ消しゴム。
私が小学生のころはスーパーカーとかキン肉マンなんかを象った消しゴムが流行りましたが、このタワー消しゴムもその類でしょう。余談ですけどこういう消しゴムを使って本当に文字を消そうとすると消えるどころかよけい紙を黒くしてしまったりするんですよね(笑)。
 2010年5月3日の登頂記録
前回登頂時とほぼ同じ地点から撮影した福岡タワー。今回は見事な晴天に恵まれ、クリスタルブルーの塔体を写せたのは満足なんですが、右に見える23階建てのマンション・グランドメゾン百道浜が2008(平成20)年に完成し、どうしてもフレームインしてしまうのが気になる。もう少し前に出て撮ればいいだけなのは確かですが、あまりタワーを見上げる角度になってしまうのもイヤなわけでして。

今回再訪した目的はこれです。年に2回の恒例イベント、その名も「超ウルトラ階段のぼり大会」! 通常は開放されていない577段の非常階段を使って展望台を目指します。

私が参加したのは11時30分にスタートするこの日の第2回開催分。30分前に行列に加わった時点ですでにご覧のとおりの盛況です。体力に自信があれば子どもから大人まで誰でも参加できますが、50歳以上の人は受付前に簡単な健康チェックを受けることが求められます。
参加費は500円で、通常の入場料より300円もおトクです。

行列している来場者に愛嬌を振りまくのは福岡タワー公式キャラクターの「フータ」くん。私がカメラを向けるとすぐに気が付いてポーズをとってくれました。そのあとなぜかハイタッチも。サービス精神旺盛で気が利くいいヤツです。

非常階段はタワーの裏側にあたる北側立面にあります。たとえて言うならタワーの背骨みたいなもんですね。
ドアをくぐったところで記録カードにスタート時刻を打刻してもらい、階段を登り始めます。タイムを競うわけではないので、参加者それぞれのペースで楽しめます。

階段は狭く、5段ごとに踊り場があってぐるぐると目が回りそうなので、やっぱり急がずのんびり行くのがよさそうです。
途中ではテレビニュースや新聞のカメラマンが待ち構えていました。私を含む前後数人がカメラマンの一人に「顔の写った写真を載せても大丈夫か?」と確認を求められたので、ひょっとすると翌日どこかの新聞に載ったかも?
階段登りイベント用に常設されているのか、ところどころに参加者を鼓舞する(?)掲示が貼り付けられています。
階段室の窓はガラスではなくてルーバーが嵌め込まれており風が通る構造です。でも今日は無風なのでけっこう蒸し暑く、登っているうちに汗ばんできました。
中間地点には給水所が設けられており、警備員のおじさんが紙コップにスポーツドリンクを注いでいました。
階段登りは小学生でも難なくクリアでき、「超ウルトラ」なんてタイトルはいささか大げさなんですが、しかしちょうどこのあたりで若い女性がダウンして座り込んでいるのを見かけました。救急車を呼ぶ事態にまではならなかったようですが、途中の階でリタイアすることはできないのでゴールするか1階に戻るかの究極の選択。すでに係員が対応にあたっていたので結局どうなったのかは見届けていませんが、肥えた人だったので運動不足が祟ったのでしょうな。ていうか、あんたさっき俺を追い越したよね?

途中経過を示すこんな掲示も数カ所に。消費カロリーの目安として飴玉とか日本酒が挙げられているのはいいとして、なぜ「きのこの山」が選ばれたのかツッコまずにはいられない(笑)。このイベントに明治製菓は関わっていないはずだけど、コカ・コーラ社は協賛してるんだからそこはコーラを引き合いに出すべきでしょうよ。

階段からはガラス越しに満員のエレベーターがひっきりなしに上下しているのが見えます。タワー内部は中間階がなく巨大な空洞ですから、そう考えると塔体はエレベーターシャフトそのものであるという解釈も成り立ちそうです。
ゴール手前で、ルーバーの隙間からカメラだけ突き出して直下を撮影。まだまだ行列が長く続いている様子が見えます。
577段を制して展望台に到着しました。係の人に記録カードを渡して到着時刻の打刻と制覇記念スタンプを押してもらいます。このあと1階の受付に戻って記録カードを提示すると記念品がもらえるのですが、その前に展望台を見ていきましょう。
Piece of STARという名前がついているらしいオブジェ。何だかよくわかんないけど女性と子どもをターゲットにした企画なのでしょう。「おみくじで運勢を占ったあとは星のかけらに願いごとをしてみてはいかがですか」などと書いてある。
最近あちこちの観光地に出現している「恋人の聖地」のプレート発見。NPO法人地域活性化支援センターが認定しているもので、ここは福岡県における認定第1号の場所だそうです。以前からラブラブ企画には熱心な福岡タワーのことだから真っ先に立候補したんだろうなー(笑)。
傍らのハート型のオブジェはカップルが2人同時に触れると愛情の深さに応じて光るとかいうシロモノ。相変わらずこのタワーの3階は独り者にはいたたまれないのでスルーしたいんだけど、下りのエレベーターはここから乗るしかないんだよ。
オブジェの周囲にめぐらされた「誓いのフェンス」にはラブラブな二人の名前やラブラブなメッセージを書き込んだ多数の「愛鍵」がかけられています。ハート型の南京錠にはカギがなく、一度ロックすると二度と外せません。
下りのエレベーターは長い行列の末にやっとのことで乗りましたが、降りてきてみたら1階エントランスロビーも大混雑でした。そりゃあゴールデンウィークだものね。
そういえば入口付近のレイアウトが前回とは変わっています。どうも一度リニューアルしたようです。
右は階段のぼり大会に参加するともらえる公式認定記録用紙で、これにスタートとゴールの時刻が打刻されます。途中で撮影しながらだいぶゆっくりペースで登った私の記録は約18分でした。ちなみにこの用紙を提示するとタワー内の飲食店やおみやげ店のお会計が割引になる特典付きです。
左は来年まで有効のポイントカードで、階段のぼり大会に3回参加すると次の回の参加が無料になり、4回参加するとゴールドバッジがもらえます。どんなバッジなのか知りたいな〜。ちなみにその気になれば1日で4回参加することは可能です。

1回参加するだけでも記念品として直径4cmほどの小さな缶バッジがひとつもらえます。この写真は受付で撮ったもの。3種類の図柄の中から私は左のバッジを選びました。

ところでせっかくフータがデビューしたのにグッズ展開は全くされていません。それどころか館内ではタワーオリジナルグッズすら販売されていないのです。前回の登頂後にタワーのミニチュアの存在が判明したので今回はそれを買う気満々だったんですが、もう購入することはかなわないのでしょうか……(泣)

2010(平成22)年9月からメモ帳やストラップなど4種のフータグッズが1階の土産店で販売されるようになった。商品点数はこれから拡充されることになるだろう。
福岡タワー

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