建物名称 銚子ポートタワー
所在地 千葉県銚子市
高さ 全高57.7m 展望室(4階)床面高46.95m
竣工 1991(平成3)年
概要 銚子市は千葉県最東端の利根川河口付近に位置し、国内でも一、二を争う水揚量を誇る漁港の町としてつとに有名である。また、初日の出の名所として知られる犬吠埼や、老舗の醤油工場、眺望に定評のある地球の丸く見える丘展望館など豊富な観光資源にも恵まれている。
銚子ポートタワーは水産都市のシンボル及び観光拠点とすべく千葉県による水産ポートセンター整備事業の一環として建設されたもので、併設の水産物即売所「ウオッセ21」と共に同市最大の産業である漁業と水産加工業の振興に一役買っている。なお、タワーの設置者は千葉県であるが運営は銚子市観光協会に委託されている。
TF式分類 第1種 I類
登頂日 2006年11月23日
 2006年11月23日の登頂記録

スカパー!の279ch・MONDO21で放映された「山田五郎アワー 新・マニア解体新書」にタワーマニアとして出演しました。それに先立って「タワーマニアの休日」と題したロケが行われたのですが、その際に訪れたのが銚子ポートタワーです。ということで今回はディレクターもカメラマンも音声もドライバーも全部一人で兼ねているスタッフさんが同行します。

全面ハーフミラー張りの姿は近隣の千葉ポートタワーや大洗マリンタワーによく似た印象ですが、こちらはツインタワー構造なのが特徴です。塔体の水平断面は六角形、展望台部分は八角形になっています。

エントランス脇には水産ポートセンターの碑が建っています。当時の沼田武県知事による「この『水産ポートセンター』は、千葉県の水産業が新しい時代へはばたくシンボルとして建設したものであり、多くの人々に親しんでいただくことを願うものです。」との文言が刻まれています。

タワー右手のメインエントランスから入場します。すでに私の襟元にはピンマイクが仕込まれていて、これから喋ることは全部記録されてしまいます。もちろんもうカメラは回っています。

おみやげ売店を通り抜けた先にチケットカウンターがあり、ここでまずタワーの館長さんにご挨拶。ロケ先の選定は番組側の希望で私が初めて行くタワーをということだったんですが、第一希望に挙げたところは少々お高い撮影料を徴収されるということで、特にそういう要求のなかった第二希望の銚子ポートタワーに決まった経緯があります。こちらではロケを歓迎してくださり、通常は一般に公開していないところも見せていただくことができました。そこはまた後ほど。

シースルーエレベーターで港の風景を見ながら展望室へ。

ハンディカメラをかついだスタッフさんが時折発する質問に答えたりするほかはロケといっても特別に何かするわけではありません。「ここでこれをやってください」とか「こういうシーンを入れたい」というような指示も全くなく、私が館内を歩き回るようすをひたすらカメラが追いかけるというスタイルです。つまり私はいつものとおり自由気ままにタワーの取材ができるというわけで、今まで他のメディアに呼ばれて撮影するときは多少なりとも先方の意向に沿って「ふだんやらないこと」をやらされたりした経験があるだけにこれはありがたいことでした。

4階展望室に着きました。上から下まで全面ガラス張りの理想的な窓配置です。
南に見える小高い丘は愛宕山。てっぺんに地球の丸く見える丘展望館の建物が見えます。あの場所にはかつて回転昇降式の犬吠スカイタワーがありました。
すぐ西側は利根川河口です。今日は波が荒れ気味で、海から川へ逆流していく様はなかなかの迫力でした。
そこからさらに西へ振って銚子の市街地を。右奥には茨城県神栖市へ渡る銚子大橋が見えます。
東側の隣接地にはウオッセ21があり、タワーとはブリッジで直結しています。海産物のお店が軒を連ねるほかレストランもあります。

壁面には銚子港の概略図や古い航空写真などのパネルが掲出されています。公営タワーにありがちなこの手のおざなりな展示は「来場者に港湾事業への理解を深めてもらうことを狙いとしており、校外学習にも役立っています」とかなんとか意義付けできるようにするためのポーズなんでしょうな。深読みし過ぎか。

その脇に置いてあるのは投句箱。犬吠埼にある老舗旅館・ぎょうけい館が募集しているものです。

喫茶コーナー「カフェ・ド・マンボウ」でコーヒーをいただきつつ店員のおねえさんと束の間の歓談タイム。海沿いのタワーなのでしばしば強風に見舞われ、実は今日もわりと風が強いのですが、台風のときなどは展望台が相当揺れるので入場を一時制限する場合もあるという話を聞かせてくれました。むしろそういう状況を体験してみたいと思ってしまった私は悪趣味なのでしょうね。

さて、いよいよロケのために特別に立ち入ることが許された屋上へと上がります。これは私が要望したのではなく事前にスタッフさんが交渉してくれていたようです。屋上には柵がありませんからイベント等で特別公開される可能性すらない場所であり、タワー好き冥利に尽きるありがたい計らいです。

写真はガラス窓の清掃用ゴンドラ。屋上周縁部に敷設されているレールに沿って移動します。「どれくらいの頻度で使用されるものなんですか?」「だいたい2ヶ月に1度くらいですねー」という私と館長さんとの会話は、後日スタジオ収録の際に山田五郎さんから「なんでそんなどうでもいいことが気になるんだよ!?」とツッコまれました(笑)

エレベーター機器室の上にはアンテナや避雷針が設置されています。タワー全高の57.7mというのはあの避雷針の先端までの数値のはず。
このタワーで直下展望が撮れるのは屋上だけ! 高度感にはやや乏しいですがこれは貴重な1枚ですよ。
八角形の展望室のすぐ下の3階は下りエレベーターのロビーとなっていますが、それ以外には特に機能も設備もない狭いフロアです。
通常非公開の場所その2は非常階段です。こちらは屋上よりは安全性が担保されている部分なので、交渉次第では通らせてくれないこともないらしい。
最近は多くのタワーで階段登りイベントを開催していますがいずれもかなり人気が高いので銚子ポートタワーでもときどき開催してみたらいいと思います。せっかく眺めのいいガラス張りタワーなんだし。
窓にはイルミネーション用のチューブライトがところどころに設置されています。
エレベーターの到着階である2階からおみやげ売店「マンボウクラブ」を見下ろしたところ。時計の下の出入口はウオッセ21への連絡ブリッジへ通じています。
タワーオリジナルグッズはほとんどなく、せいぜい大小2種類のガラス製のオーナメントがあるくらいです。買ってきたのは大のほうで高さは5cmほど。タワーとマンボウがレーザー彫刻されていますが、このマンボウこそ銚子ポートタワーのれっきとしたシンボルキャラクターなのです。パンフレットやチケットにもしっかり描かれており決して不遇な扱いを受けているわけではありませんが、グッズ展開には消極的なようでもったいない限りです。

銚子ポートタワー

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