建物名称 千葉ポートタワー
所在地 千葉県千葉市中央区
高さ 避雷針高132.9m 建物本体高125.15m 展望室(4階)床面高113m
竣工 1986(昭和61)年
概要 東京通勤圏の拡大や京葉臨海工業地域の発展などを主な要因として、千葉県の人口は増加の一途をたどってきた。とりわけ1970年代から80年代にかけては急激な増加を示し、1983(昭和58)年には500万人に達した。これを記念して1986(昭和61)年に完成したのが千葉ポートタワーである。人口はその後も増加を続け、2002(平成14)年に600万人を突破したが、今後は微減傾向に転じると予測されている。
タワーはその名のとおり千葉港に立地しており、周囲は千葉ポートパークとして芝生広場や人工砂浜等が整備されている。千葉港の区域は市川市から袖ヶ浦市まで6市に跨る広大なもので、年間貨物取扱量とともに日本一の港なのであるが、旅客船が就航しているわけでもなく、漁船の出入りや魚市場があるわけでもないため市民にはあまりなじみがないのが実状である。タワーの設置者である千葉市の「千葉ポートタワー設置管理条例」によれば「国際港千葉港のシンボル及び港と海に親しめる観光施設として」建てたことになっていて、県人口500万突破よりもそちらに意義が置かれているのだが、事実、夏の花火大会、冬のクリスマスイルミネーション、年間何度か行われるフリーマーケットといったイベントの開催場所として市民の高い認知を得ている。
TF式分類 第1種 I類
登頂日

1回目 2003年2月1日
2回目 2012年1月9日→この日の登頂記録へスキップ
3回目 2013年4月11日

 2003年2月1日の登頂記録
5571枚のハーフミラーに覆われた千葉ポートタワーは、1辺が15.12mの菱形の建物です。パンフレットや観光ガイドブックの類だと、たいてい鋭角側から撮った写真が採用されていますが、たしかにその方が細身に見えてカッコいい。
で、あえてここでは鈍角側から撮った太り気味(?)の姿を見ていただきましょう。意外とこの角度の写真って見たことないでしょ?
こちらがエントランス。右手に窓口がありますが、入場券は自動券売機で買います。

入口脇には展望台から主なスポットの見え具合を◎・○・△・×の4段階で表した掲示が貼り出されています。
ちなみにこの日は千葉市街と幕張新都心が◎、アクアラインと筑波山が△、富士山は×でした。

ロビーをずいずい奥へ進んでいくと、そこがエレベーター乗り場。おねえさんにチケットをもぎってもらって展望台へと参りましょう。
シースルーのエレベーターから鉄骨だらけの塔体内部を眺めます。
おっと、非常階段が見えますね。パンフレットによれば596段あるそうですが、一度でいいからあれを登ってみたいものです。
最上階の4階展望室。客入りは上々のようです。
中央に置かれているタンカーの模型をはじめ、千葉港に関連したパネルなどが展示されています。
何を隠そう私は千葉市民でして、しかもポートタワーからはおおよそ4kmという至近距離に在住しています。
そこで自分ちの方角に向かって1枚。とはいえここから自宅は見えないんですが。
タワーの北東、まっすぐ奥へと伸びる道路は臨港プロムナードと名付けられています。右手には県立美術館、千葉中央郵便局、ホテルオークラ、千葉中央警察署が建ち並んでいますが、左側の京葉線千葉みなと駅前一帯の開発は遅々として進まず、いまだに空地だらけです。
かなたに幕張新都心を望む北西側。サイロや倉庫が建ち並んで港らしい風景ですね。
ひとつ下がって3階はカフェ ラ・プラージュ。ピザやスパゲティなどの軽食、ドリンクが楽しめます。
もうひとつ下がった2階展望室。その一角はアクアファンタジーと題して、ルミライトカラーという特殊塗料で壁画が描かれています。日没後はブラックライトに照らされてラッセンの絵を彷彿とさせる海底の光景が浮かび上がるようになっています。つまり日中見てもしょうがない。
展望台を辞して1階に降りてきました。ここは海洋展示室。主に子どもを対象にして千葉港に関するジオラマや映像展示が行われています。大して広くないので、タッチパネルでクイズを進めていくようなコンピュータ端末が数台置いてある程度なんですけど。

ところで千葉・佐倉・東金版のタウンページでポートタワーを調べてみると「博物館・科学館」の欄に載っています。
ええっ? これを博物館と言ってしまうのはちょっとどうかと……。

海洋展示室の一角には10分くらいの短編映画で港の概要を紹介するコーナーがあります。ナレーションの中で「袖ヶ浦町」と言っている箇所があったので、同町が市になった1991年以前(たぶんタワー開設当初)からずーっと使っているフィルムなのでしょう。テープがすり減っているらしく、画質はかなり悪いです。そろそろDVDで新たに制作したほうがいいと思うぞ。
午後から夕方にかけて限定販売される、タワーオリジナルのソフトクリームは千葉産の牛乳だけで作られているんだとか。館内でもたびたび案内放送が流れていましたが、2月ですよ、真冬ですよ。この日は風が強くてなお寒いっていうのに、誰がソフトクリームなんか食うかっ!
しかし、館内は暖房がガンガンに効いていて、コートを脱いでも暑いくらい。そうやってソフトクリームを売ろうっていう作戦なんでしょうな。

……そんな見え透いた手にまんまと引っかかる俺。味はというと、甘さ控えめであっさり風味。美味いんだけど、ミルク特有の濃さを期待する向きには物足りないかも。

売店には所狭しと県産品が並べられています。千葉名産といえば、やはり筆頭は落花生のようで、お菓子の箱が山積みです。
千葉港に漁船の出入りはありませんが、県内には銚子港をはじめ多くの漁港があるので、燻製などの水産加工品も豊富に置いてあります。
食べ物関係のおみやげが充実しているのに対し、タワーオリジナルグッズはほとんど見あたらず、せいぜいキーホルダーが何種類かあるくらい。それもかなり売れていない様子で、右端の商品なんて変色しちゃってます。どうやらカモメに乗った水兵さんがマスコットキャラクターのようなのですが、公式サイトやパンフレットにも載っていないのが不遇です。
このほか、タワーの水彩画をあしらったマグカップや湯呑み、ロゴ入りの灰皿缶などが売られていました。
 2012年1月9日の登頂記録

朝日新聞出版から刊行した「LOVE TOWER ! ニッポンのタワー」の制作中、千葉ポートタワーからの展望写真を新たに撮影する必要に迫られたので9年ぶりに訪れることとなりました。前回からの間には2008(平成20)年に1階ホールおよび展望3階のカフェを、2011年には展望2階を大幅にリニューアルしており、ちょうどいい機会なのでどう変わったのかも見ておくとしましょう。

今回の外観写真は鋭角側から。午後に順光となる千葉ポートパークの人工砂浜で撮ることにしたのですが、正月とあって凧揚げをしている人が思いのほか多く、シャッターのタイミングにはちょっとだけ苦労しました。

前回は気にも留めていませんでしたが「千葉ポートタワー建設の碑」が入口脇に鎮座しており、県人口500万突破を記念して建設したとの言が和文と英文の両方で刻まれています。
1階ホールはホワイトとブルーを基調に明るく改装されました。券売機もタッチパネル式の新機種が設置されています。左脇のボードには幕張新都心、東京湾アクアライン、富士山などといった主な見どころの展望状況と、今日の日没時刻が掲示されています。
前年6月のリニューアルを期して新しいマスコットキャラクター「ぽ〜とくん」がデビュー! 展望台には記念撮影用の顔出しパネルが設置されています。博多ポートタワーのあいつもポートくんですが表記が異なります。
ぽ〜とくんの顔と体に入っている格子模様がフランケンシュタインみたいだし、肌も土気色でちょっと気色悪いデザインだなーというのが率直な第一印象なんですが、ちょっと考えてこれは千葉名産・ピーナッツのカラをイメージしているのだろうと気が付いた。不定形の網目模様にしてしまうともっと不気味なデザインになりかねないものね。
4階展望室はあまり目立った変化はありませんが、フロア名称が「ビュープロムナード」になりました。以前は窓側の頭上に掲げられていた眺望案内の写真パネルは新調して壁側に移動しています。
展望台から見える風景も以前とは大差ありません。千葉みなと駅周辺は相変わらず空地が多い状態で、新しい建物としては左下に見えるオリックスグループの有料老人ホーム「グッドタイムリビング千葉みなと/海岸通」が目立つくらい。逆に消えた建物もあって、前回の写真と見比べると道路左側にあった規模の大きなレンガ色の建物が跡形もなくなっています。あれは結婚式場かなにかだったっけなぁ?
3階のカフェ ラ・プラージュは店名も営業形態もそのままながら内装やレイアウトが変わっており、食券の販売機を廃止してカウンターで直接オーダーするようになりました。
最も大きく変わったのは2階です。このフロアは「愛のプロムナード」と名付けられ、エレベーター前には天空縁結び神社が設けられたほか、アクアファンタジーのあった壁面はイラストレーター・エム ナマエ氏の常設ギャラリー「愛と夢の世界」になりました。
当然と言うべきか、恋人の聖地にも認定されています。
恋人同士が南京錠をかけるためのフェンスも今後あちこちのタワーに設けられるのでしょうね。なんかこの絵面って蛾の大群がたかっているように見えて仕方ないんですが。

1階の売店「ポートショップ」は大幅に拡張されました。商品点数が豊富で通路も広く、快適におみやげ選びが楽しめます。農業も漁業も盛んな千葉県にはおいしい産品がいっぱいありますよ!

映像ブースは引き続き存置されていますが、千葉港の紹介ビデオを流すのではなくてテレビを放映しているだけ。単なる休憩スペースになっちゃってます。
タワーマニアとして絶賛したいのは全日本タワー協議会の紹介コーナーです。協議会加盟タワーへ行くと20タワーの写真パネルが掲示されているのはおなじみですが、ここ千葉ポートタワーではそれに加えて19タワーのパンフレットが常備されていて、なんと自由に持ち帰ることができるのです。ちなみに足りない1タワーは東尋坊タワーで、あそこはそもそもパンフレットを作ってないからしょうがない。
さらに 2013年4月11日の登頂記録
前回再訪の時点ではぽ〜とくんグッズはまだアイテム数が少なかったのですが、現在は多数の商品展開がなされています。中でもマスコットぬいぐるみのかわいらしさは出色。顔と体の格子模様は省略されていますが、やっぱり無いほうがいいぞ。
イベント用の着ぐるみも第一印象の悪さを完全に払拭するくらいかわいいんだ、これが。
千葉ポートタワー

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