ふきのとうも顔を出していました.
道路から外れて,家に行くためにはこの吊り橋を通らないといけません.知人以外には渡らない橋です.
橋は老朽化してこのように床板は穴が空いています.かなりスリリングです.渡るときかなり揺れます.
恐る恐る橋から川を見ると,川辺の木々が芽吹いていました.
橋を渡ると粗末な碑がありました.1983年,更生自治会とあります.稲牛の開拓何十周年を記念して,住民が建てたのでしょう.
これがその人の家です.玄関の戸は閉まらず,ビニールがかけられています.長い寒い冬をここで越したとはとうてい信じられません.80歳を遙かに超えたその人は,誰かの世話になって家を直していたら,自分はこんなに長生きはできなかったと言っていました.他に住むところがないわけではない.ですが一人でこの地で暮らすのが,彼の本当の幸せなのでしょう.
家の周りは何もありません.でも毎年ここで季節の巡りを感じることに幸せを感じて生きてきたのでしょう.そんなふうに生きてきたこの人を私は心から尊敬しますし,うらやましくも思います.ここを訪れるといつもそんなことを考えます.