寝台電車 583系

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寝台電車583系 きたぐに&津軽
+ 最近の活躍状況(おまけ)

 


583系とは?

  583系とは,国鉄時代に開発された寝台・座席両用車です。583系の前身に581系という車両があり,夜は名古屋から九州方面(大分)への寝台特急列車,昼は九州及び北陸方面への特急列車として,文字通りフル回転の活躍でした。583系は東北方面へも走れるヴァージョン(※電源周波数の相違)で,こちらは上野〜青森間で昼は「はつかり」,夜は「はくつる」&「ゆうづる」として活躍しました。

 現在,定期列車としての運用を持つのは急行「きたぐに」のみとなりました。しかし,座席車にも寝台車にもなり,またグリーン車も連結するという便利さが功を奏してか,臨時列車としてしばしば使用されています。最近では,会津若松〜仙台で快速「白虎」として運転されて話題となりました(もちろん,一部の人々の間で・・・ではありますが)。

※JRでは地方,路線により電化方式が違い,直流1.5kV,交流20kV50Hz,交流20kV60Hzの3種類が存在します。基本的に北海道・東北(茨城を含む)が交流50kHz,北陸・九州が交流60KHz,それ以外は直流となります(一部例外もあり,仙石線・七尾線・富山港線・筑肥線は直流である)。件の581系は直流及び交流&60Hz用,583系は直流及び交流50/60KHz(=全電化方式対応)となります。


急行「きたぐに」とは?

 急行「きたぐに」は大阪〜新潟(米原・金沢・直江津経由)を結ぶ夜行急行で,583系の特長を生かし,寝台あり座席ありと,様々な用途に利用できる非常に便利な列車です。

 運転時刻は
   下り:大阪(23:25頃発)→新潟(翌8:30頃着) 新津〜新潟は快速列車
   上り:新潟(22:55頃発)→大阪(翌6:48頃着)
となります。小生には縁がないですが,USJ見物などには結構重宝するのではないでしょうか?

 ちなみに,もともと「きたぐに」は大阪〜青森間の急行でしたが,上越新幹線開業時(1982年11月)に現在の区間に短縮されました。それほど北の国に行かない割りに「きたぐに」となっているのは,そういった歴史があったからのようです。


「きたぐに」の設備と料金

 「きたぐに」の編成ですが,基本が10両編成でB寝台車4両,A寝台車1両,グリーン車1両,座席車(自由席)4両となっています。それぞれの特徴ですが・・・

B寝台車
 中央に通路を持ち,その両側に3段式のベットが並ぶ。
 下段は非常に広く(幅1m)大きな窓あるが,中段・上段は幅70cmで小窓のみとなる。
 但し,下段(6300円)と中段・上段(5250円)では価格差がある。
 8号車(モハネ582)の1・2・11〜14番には上段が無く,下段と中段(他より広い)のみになるが,当然中段は5250円となるため,窓が無い点を除けば非常にお得である。指定の価値あり(通称:パン下中段)。

A寝台車

 B寝台とは異なり,ベットが2段式となる。
 583系がきたぐにに投入されるに当たって改造された。ただでさえ複雑な機構に手を加えたのだからすごい。

グリーン車

 583系は寝台に用いるために天井が高くなっているが,この車両もそうなっている。よって,ものすごく開放感がある。ちなみに,きたぐにには小さなラウンジが存在する。

座席車(自由席)
 向かい合わせ(4人ボックス)の座席が並ぶ。座席の下に手を伸ばすと簡単にベットに出来るが,やってはいけない。


 さて,きたぐにに乗る方法ですが,基本的に乗車券(一例)と急行券が必要で,寝台・グリーン席を使用する場合は寝台券・グリーン券が必要です。寝台・グリーン席は予約が必要です。ちなみに,寝台券と急行券は同時に発売されます(一例)。購入時には,日付に注意いたしましょう(特に,京都から乗る場合)。

種別
急行料金
寝台・グリーン料金
備考
A寝台(下段)
〜1,260円
10,500円
 
A寝台(上段)
〜1,260円
9,540円
 
B寝台(下段)
〜1,260円
6,300円
 
B寝台(上・中段)
〜1,260円
5,250円
3段式寝台寝台のみの値段
2段式の場合は上段も6,300円
グリーン車(指定)
〜1,260円
1,900円
 
普通車(自由)
〜1,260円
 


「きたぐに」写真集


583系 急行 「きたぐに」  (新潟駅)
3段寝台。
蚕棚のようにベットが並んでいます。
昼は,このベットを折り畳んで
座席車になるのだからすごい。
(↓津軽の写真をご覧あれ)
下段の様子。
窓を独り占めできるのがポイント。

夜(車内減光時)はこんな感じです。




急行「津軽」とは?

 急行「津軽(上野〜青森:奥羽本線経由)」は地元を走ると言うこともあり,昔から気になっていた列車ではありますが,通過時間の関係からなかなか見ることが出来ず(小さい頃は特に),そうこう言っているうちに山形新幹線工事のために置賜地方から姿を消してしまったのであります(仙山線〜東北線経由となった)。さらに,「津軽」自身も臨時列車へと格下げされた後,消えていく運命をたどったのです。

  下の写真は寝台特急「あけぼの(上野〜青森)」が陸羽東線経由から上越〜羽越本線経由に変更された(1997年春)のに伴ってか,奇跡的(?)に臨時列車としての本数が増加(春休み中)した時の写真であります。
  このときは仙台から上野まで利用しましたが,B寝台・自由席・指定席が設定されると言った急行「きたぐに」の様な編成であり,今後とも大いに利用できるのでは!!大いに期待したものでした(急行だと当時の周遊券も使えたので,都合が良かったですね)。

  まあ,こんな期待もむなしく,きっちりと「津軽」は消えてしまったのではあります。結構宣伝すれば需要があると思うんだけどなーーー(山形新幹線新庄延伸に伴い,物理的に無理にはなったのですが。)

 そして,2002年12月,東北新幹線八戸延伸と共に,八戸〜青森・弘前の特急として「つがる」の名称が(だけ)復活したのでした。
583系 急行 「津軽」  (上野駅)
座席車の風景。
(寝台を片付けるとこうなる)
早朝のけだるい雰囲気が漂っています。


最近の583系

 JR東日本には,現在9両編成1本,6両編成1本が現存していますが,特に6両編成の方が臨時列車として頻繁に使用されているようです。これらは快速列車で運転されることがほとんどで,気軽に利用することができます。ありがたい,,,と思っているのは私だけ?

例:白虎(仙台〜会津若松), 日光新緑(仙台〜日光),仙山もみじ(仙台〜山形)
   ムーンライト東京(仙台→東京),ムーンライト仙台(東京→仙台)
   ゴロンとさくらんぼ山形(大船→山形),ムーンライト横浜(山形→大船)

 「ゴロンと」とは,寝台をセットして横になることができるものの,毛布・浴衣のサービスが省かれている状態をいうものです。寝台料金(5,250〜6,300円)が不要(代わりに,座席指定券510円,もしくは指定席特急券が必要)なので,割安に利用することができます。寝台特急「あけぼの」にも連結されています。
快速「仙山もみじ」。
(2004.10.24)
快速「水戸観梅」。
(2005.3.6)




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