旅の記憶 その20

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伊豆旅行再び



0 出発前夜  

 今回の旅は,確かY氏が提案した「韮山反射炉」がメインテーマだったと思う。さらに,箱根の旅館で板前として働く中学の同級生I氏に会うことが目的として加わった。個人的には,退役間際とされる伊豆急行のリゾート21の乗車と,これまた東海道新幹線からの撤退が報道された500系を写真に収めなくては,との野望も。
 いつも1泊2日のキツキツの日程であることを反省し(←それは,土・日きっぷに固執するからである。),2泊3日のプランを組み立てる。当初,暑さが本格化する前の6月に出かける予定であったが,日程が合わず延期することに。とりあえず,夏の盛りは避けて,9/8〜10日に設定した。
 今回はレール&レンタカーを利用。レンタカーの乗り捨て料金(駅レンタカーは高い)と,乗車券・特急券の割引額を天秤にかけての「苦渋」の決断。実は,トータルではあまり徳をしていないのだけど,まあいいか。

 ※今回はY氏より写真をお借りするだけでなく,旅行記もいただきました。少し違った視点でどうぞ。
   (Y氏の記憶に出てくる「M」は小生です。)



1 いざ,伊豆半島へ。 山形駅/赤湯駅→(普通)→福島駅→(Maxやまびこ104)→東京駅→(ひかり407)→熱海駅






  出発当日(9/8)。本来は「つばさ102」号または「つばさ104」号に乗って一気に東京に向かうところだが,東京からの接続と,Y氏の乗車地である赤湯を「つばさ104」号が無情にも通過する,といった諸問題により,普通列車で福島まで向かうことにした。けっして,特急料金をケチろうとか,峠の力餅を買いたいという理由だけではないのだ。

 山形駅で2両編成の普通列車に乗り込み,6:31に出発。この日は平日の金曜日。従って,赤湯駅からは,Y氏とともに大勢の高校生が乗ってきた。結局,Y氏は米沢駅まで立ち通し。大変申し訳ない。米沢駅を出ると車内は落ち着きを取り戻し,列車は福島へと向かう。残念ながら,峠駅での立ち売りはなかった。庭坂駅,笹木野駅で乗客を集め,福島駅に到着(8:03)。
 福島駅で新幹線に乗り換え。ホームではTV局がなにやらインタビューを行っていたようだが,知事か?「Maxやまびこ104」号の2階席に乗り込み,つばさの併合を待って福島駅を出発(8:18)。この列車は,途中大宮駅のみに停車し,迅速に東京駅に到着(9:44)。
 今度は東海道新幹線で,熱海へと向かう。東京駅を出て(10:06),車内で早めの昼食を食べるとまもなく,熱海駅に到着(10:43)。

 とまあ,ここまでは普通の移動であったが,熱海駅では重要なイベントがひとつ。500系「のぞみ2」号の写真を撮るのだ。*istDSに200mm(35mm換算:約300mm)のレンズを装着し,ホームの三島方に向かう。熱海駅付近は急なカーブとなっており,列車は180km/h程度に減速して通過する。10:50ごろ,お目当ての500系が通過。

 無事写真を撮り終えたところで,改札口を出て駅レンタカーの窓口へ。それにしても暑い。お借りしたマーチに乗り込み,熱海市長選の街頭演説の中をすり抜け,一路韮山反射炉へと向かう。

Y




 赤湯駅出発。奥羽本線在来線高校生で込み合う。Mは椅子だがたどり着けず立つ。米沢駅で高校生いなくなる。庭坂までゆったり乗れる。庭坂で通勤客がどっと車内に。
 福島駅では,立ちそばコロッケ入りを数分で食べる。やまびこ2階に乗車。東京駅でひかり自由席に乗る。駅で購入した駅弁あなご弁当はおなかいっぱいで味がわからなかった。
 熱海駅下車。Mは写真撮影に力が入る。レンタカーを借りたが,市長選の演説でうるさかった。とにかく暑い。熱海では,坂が多くマーチでは力不足のように思われた。



まずは300系,「のぞみ118」号で練習。

お目当ての500系「のぞみ2」号が通過。
ホワイトバランスが微妙。

熱海を出て,山を越える。



 2 韮山反射炉,修善寺を巡る 熱海駅→(レンタカー)→韮山反射炉→(レンタカー)→修善寺→(レンタカー)→土肥金山→(レンタカー)→三島






 熱海から,狭く急な坂を越え,熱函道路を経て函南町へ。ここからR136を伊豆箱根鉄道沿いに走り,程なく韮山反射炉へ到着。
 歴史好きのY氏によれば,ここで製造されたほとんど役に立たなかったらしい。また,歩留まりも非常に悪かったらしい。しかし,小生としてはこのような炉の構造を思いついた先人にただただ感服するばかり。復元された大砲(※)も,なかなか迫力のあるものであった。

 韮山反射炉を後にして,今度は修善寺へ。とりあえず,駐車場を探して街の中を走るが,それにしても狭い。こんなときは,小回りの利くコンパクトカーは非常にありがたい。結局,寺から少し離れた市営(?)駐車場に車を停める。
 修禅寺は最近補修工事が終わったところだった。 「古さ」が感じられるようになるまでは,しばらく時間がかかるのだろう。また,宗派が何度か替わったり,源頼家が殺害されるなど,歴史的には結構「ドロドロ」なところのようだ。
 それにしても,温泉街を歩いていると,射的屋の多いことにびっくり。この辺では定番なのだろうか。 また,川辺の散策路はどこも雰囲気が良く,非常に楽しい。今回は温泉にこそ入らなかったが,改めてゆっくりと訪れてみたい。

 修善寺の次は土肥金山に向かう。坑内はひんやりとして非常に心地よいが,外に戻ってくるとその熱気にうんざりする。加えて,メガネが豪快に曇り,これまたうんざりする。坑内は比較的広く,石見銀山よりは作業環境も良かったのかな?

 土肥からは海沿い(県道17号線)を走り,宿泊地である三島へと向かう。道路は地形に逆らわずつくられた感じで,これでもかというほどのカーブが続く。それでも富士山が見えれば若干気分も良かったのだが,あいにく,もやがかかっているような感じで拝むことができず。残念。

 本日の宿泊先は三島のアルファー・ワン。ここで,中学時代の同級生I氏と落ち合う予定だが,連絡が付かず。しかたなく駅前の庄やで軽く夕食をとるも,まだ連絡が付かず。どうも仕事が延びているようだ。
 その後,やっとこさ連絡が取れ,I氏が箱根の山からやってきた。早速本格的に夕飯ということで,案内してもらったのは「かっぱ寿司」!! いろいろと昔話などをしながら,閉店まで居座る。ちなみに,I氏へのお土産はミルクケーキであった。
 そんなこんなで1日目は終了。おやすみなさい。

 ※この大砲は,(株)木村鋳造所で復元されたもので,ホームページに関連記事がありました(http://www.kimuragrp.co.jp/cast_talk/index4.html)。  

Y




 韮山反射炉へ向かう。反射炉への入場は100円だが,ガイドもついてお得。最後は土産を勧められるが。江川英竜は昔パンも製造していてパンを購入する。江川邸もちかくにある。以外に反射炉は小さく,地震でだいぶ修復されたそうだ。お台場の大砲は韮山産だそうだ。

 修善寺はまさにデートコースといったところで,アベックが多い。足湯,射的場,寺,墓,竹林の道など隠れた名所もある。源範頼の墓に行く。池の魚が死んでいた。

 土肥金山では金塊の重さにびっくりしたが,以外は特に特筆すべきところはない。砂金採りでもしないとつまらないかと。戸田港へ向かったが,海岸線の道はカーブが多すぎで運転が困難。道幅も狭い。富士山は視界不良のため見えず。

 三島へ。庄やで軽く飲んで,Iと合流。なぜかかっぱ寿司に行くこととなる。間違えて御殿場方面に行ってしまったが,実はかなり近くにあった。ビジネスホテルへもどる。Iは箱根へ。



韮山反射炉。

復元された大砲。

この大砲は(株)木村鋳造所の製造。

修善寺。

静かに川が流れる。

雰囲気のある竹林。

川辺の足湯に集う人々。
土肥金山坑道の入口。
中はひんやり別世界。
坑内作業の様子を再現。
あり得ない方向に首が曲がる?


 3,半島の背骨(?)をひた走る 三島→(レンタカー)→浄蓮の滝,いのしし村,天城峠,河津七滝(大滝)→(レンタカー)→下田市内→(レンタカー)→休暇村南伊豆






 2日目は三島からR136〜R414〜R135を下田までひた走るプラン。まずは浄蓮の滝へ。外国人観光客が多く,ちょっとした海外気分を味わう(?)。近くにはわさび田もあったが,う〜む,ちょっと手狭な感じかな。

 続いて天城いのしし村へ。 ここでは猪のほか,黒豚,ロバや拾われてきたヤギなどが飼育されていた。入園時間が早かったせいか,始めに見た猪ショーはほとんど観客がおらず少々不安になるが(拍手もしにくいし・・・。),続いての猪レースの頃には人も集まり,なぜだかこちらが安心したりする。ちなみに,入場券がレースの勝猪投票券を兼ねており,レースは大いに盛り上がる。ちなみに,子どもには投票資格がないとのこと。
 ひと通り園内を見学し,猪ラーメンを食べていのしし村を後にする。

 今度は天城越え。比較的空いているシーズンということもあり,レンタカーで旧天城トンネルをするっと抜ける。小説や歌のおかげで観光地として整備されているから良いものの,普通旧道のトンネルといったら単なる心霊スポットだよなぁ・・・。

 そんなこんなで山を降り,ぐるぐる橋(ループ橋)を渡ったところで,河津七滝の大滝(おおだる)に寄り道。ここは天城荘という旅館の敷地内であり,滝の直近に行くためには入浴料が必要だ。今回は時間の関係上パスしたが,いずれゆっくりと訪れてみたい(←この表現2度目)。

 車をさらに走らせ,今度は海に沿って下田に向かう。9月ではあるが,海水浴客でにぎわう。日本海側と違って,盆を過ぎてもクラゲなどは出てこないのだろうか?断崖絶壁にある展望台に立ち寄りながら,道の駅 開国下田みなと(ベイステージ下田)に到着。遊覧船に乗り,下田港内を巡る。
 下田の街に入り,開国博物館や了仙寺などを見る。毎度のことだが,もう少し日本史の知識があればなどと思うが,まあ,初めて知るのも新鮮だから良いかな。

 本日の宿泊先は休暇村南伊豆。これまた毎度のことながら無難な選択とする。比較的早めに到着したため,海岸をうろついたり早風呂に入りながらのんびりと過ごす。日程に余裕があるのはよいものだ。


Y




 8時30分にホテル出発。伊豆半島中央へ,浄蓮の滝へ行く,とにかく大きい滝で道路からかなり下へ階段をくだらなくてはならない。下では外国人でにぎわっていた。周辺にわさび棚があたので,わさび購入。どっちの料理ショーでとりあげられたらしい。南下して道の駅へしいたけコロッケを購入。あまりしいたけの味がしなかった。わさび棚は閉鎖中のようだった。

 南下し,いのしし村へ。1年半かけての調教で可能となったショーやレースを観る。ショーは芸が少なかったがよく調教できたものだと感心する。ふれあい動物園という感じでヤギやロバも触ったりできる。山に捨てられたヤギを保護していた。いのししラーメン(800円)はボッタクリかと。しかし,いのししの肉は高い。青森は安かった気がするけど。いのししカレーと肉の缶詰を購入。

 旧天城峠へ,車でも通行できるとは以外であったが,林道を抜けるとトンネルが現れ,ほぼ真っ暗の中数百メートル歩行した。(トンネルも通行できる。)

 河津七滝へ,すべて見れないので,大滝のみ散策した。どうやら某旅館の私有地を開放しているらしく,一定の場所で見るしかなかった。川のそばには温泉やプールが整備されていて入浴料が別途かかる。旅館に宿泊している人が利用するようだった。わさびソフト(バニラとわさびをハーフにしてもらったが)を食べたがかなり辛い。舌がおかしくなりそうだった。

 下田市内へ移動。港で遊覧船に乗船する。あやしいイラン人らしき人が上半身裸で乗船しており胸毛もすごかった。港を出て周辺を一周して戻るコースで,20分程度。やはりつりのスポットが多く感じられた。開国博物館へ。展示品はいまいちだったが,ハリスや日本人初の写真家の展示など興味深い内容もあった。玉泉寺へ。普通の寺という感じだった。

 休暇村南伊豆へ。弓ヶ浜は非常に美しく。休暇村のすぐ前にある。海水浴客もあって,ファミリー向けの施設だろう。温泉は単純泉で適度に広い浴室。夕食はバイキングだが,メニュー豊富ですべては食べることができなかった。地ビールはおいしかった。



浄蓮の滝。
滝に隣接したわさび田。

いのしし様。泥を塗っておすまし顔。

こちらは黒豚。

いのししの子ども。
暑さに参っているご様子か?

猪レース。予想以上に足が速く,
ピントもシャッターチャンスも不合格。
雰囲気だけでも味わっていただければ・・・。

河津七滝(大滝)
遊覧船,サスケハナ。
休暇村南伊豆からすぐの弓ヶ浜。
夏の休暇には最高の立地と思われ。


 4,おまけのつもりが,意外や意外 休暇村南伊豆→(レンタカー)→下田海中水族館→(レンタカー)→下田駅






 最終日,下田を離れる前に海中水族館に立ち寄る。なにも水族館に行かなくてもと思われる方もいらっしゃるかもしれないが,これには深い訳があるのだ。休暇村に通常プランで宿泊するより,水族館入場券付きファミリープランの方が200円ほど安かったのだ。むろん,休暇村のフロントのおにいさんがいぶかしげな顔をしていたのはいうまでもない(?)。

 そんなわけで,無理矢理立ち寄った感もあったのだが,実際行ってみると大変楽しめるものだった。おなじみのイルカ&アシカのショーのほか,イルカを飼育している海中に入ることも可能であった。1日かけても楽しめるといった感じ。残念だったのは滞在時間が短かったのと,持ち込んだ望遠レンズが長すぎたこと。後者の問題を解決するために,望遠ズームレンズのための予算(3月補正)を計上することにした。

 水族館を出て,レンタカーを返却する前にガソリンスタンドで給油。レギュラーガソリンが154円/L。ひえぇぇぇーー。  

Y




 旅行も最終日をむかえた。夜や朝のバイキングを食べ過ぎたおかげで,胃の調子が良くない。

 海中水族館へ向かう。海中なので海中散歩でもできるのかと想像したが,海の入り江に囲いを作ってできた面白い水族館だった。入り江の中にはイルカが放たれていて希望者は海中で触れ合うことができるしくみだ。ショーもあるようだった。今回はイルカとアザラシのショーを見学したが,イノシシとは違って芸の完成度が高く,記念撮影のサービスや海中での技などイケメンスタッフとともに非常に大人気であった。カップルかファミリーに紛れて我々はあやしい入園者だった。規模の割にはショーなどで楽しめる内容が多く,見学時間も効率的に配分できる分苦痛がなかった。しいて言えば,展示水槽が少ないこと,カキ氷はあまりおいしくないこと,ペンギンとの写真撮影は自由に撮影させてもらえないところがいまいちだった。



ペンギンさん,その1。

ペンギンさん,その2。

イルカ&アシカのショー。

伊豆急下田駅。南国ムード。

出発を待つリゾート21。

熱海側から撮影。
左右で車体色が異なる。
(海側:赤色,山側:青色)

 
展望車入口。
特徴のある座席配置。
向かって右が海側。
 


 5,今度こそ,本当のおまけ 下田駅→(普通:リゾート21)→伊東駅→(スーパービュー踊り子6)→東京駅→秋葉原など→上野駅→(つばさ127)→赤湯駅/山形駅






 いよいよ帰り道。特急に乗って一気に東京に向かうのも良いが,老朽化による引退が噂される2100系(リゾート21)に乗りたい一心でプランをねじ曲げ,とりあえず伊東まで向かうこととする。この車両は前後の展望席,海を眺めるための窓向きの座席など,色々と特徴的である。これに乗車券だけで乗れるというのは何とも贅沢ではないか(但し特急リゾート踊り子等で運転される場合を除く)。というわけで,大人げなく最前列を確保して下田駅を発車(11:38)。途中,新島などを見ながら,伊東に到着(12:45)。ここで小休止し,お土産などを買う。今度は「スーパービュー踊り子6」号に乗って東京に向かう(伊東発13:26→東京着15:08)。

 そのままとっとと山形に戻れば良いところだが,せっかくだからと秋葉原などに立ち寄り,来るべき紅葉シーズンのために交換レンズの調査を行う。とりあえず,この日の購入は思いとどまる,えらい(後日購入・・・)。

 上野から「つばさ127」号に乗り(18:14),赤湯駅でY氏と別れ(20:33),山形駅に到着(20:55)。これまでは最終列車を使ってばかりだったが,やはり余裕のある時間に戻れるのはよいことだなあ。移動に要した経費を考えれば,土・日きっぷ使用時に比べ大幅増(1.5倍弱)となったが,体力的には相当楽であった。今度は3連休パス?そのうち,また行こう。

Y




 
下田から電車(普通列車だが特急並みの座席)で伊東へ行く。駅弁を食べる意欲は失われたままだった。伊東で干物を購入後,踊り子で東京へ。移動中はPATで馬券を購入したが,惨敗する。

 東京到着。神田にある100円ダイニングに向かったが,平日のみの営業となっていた。残念。Mと別れて御徒町や秋葉原を散策したが1時間程度しか時間がなくまたの機会に行きたいと思う。秋葉原はかなり以前とは違った町になっていた。新幹線で赤湯へ。旅行は終了となる。 

 今回の旅行はいろいろ面白みがあったが,メインと言えるものがなかったのかもしれない。伊豆の場合は自然が豊富なので,もっとレジャーを楽しむのがよかったのかもしれない。また,I氏との再会も時間が少なく残念だった。季節的には10月下旬がいいのかもしれない。





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