牡丹玉変種モーゼリアヌム
オーストリアのギュンター・モーゼル氏栽培。
原産地球。稜は非常に薄く、刺が特徴あるT字型をしている
緑牡丹 Gym. friedrichii forma
"Midori-botan".
牡丹玉の一つのタイプで、これは形の違いでなく肌色に特徴がある。牡丹玉は光線が強いと紫色に焼けるのであるが、本種はいつでも緑色を保つのでこの名前がある。形態や花は牡丹玉と同じである。
牡丹玉変種モーゼリアヌム Gym. friedrichii
var. moserianum Paz.
最初瑞雲丸の一型としてGym. mihanovichii forma
Yrendagueという名前で紹介されたものに対し、瑞雲丸系の研究者であるチェコのPazout氏がこの品種についての収集家であるオーストリアのGunter
moser 氏にちなんでモーゼリアヌムと命名した。採集地は北西パラグアイのYrendagueでボリビアとの国境に近い所である。写真の球はパラグアイに居るA.friedrich
氏が採集して1964年1月モーゼル氏の所に送って来た標本球の中の1本である。
通常単幹で、径8cm位、老球になると円筒状になる。稜数8〜12、非常に薄く、牡丹玉よりも更に鋭角である。頂点は少し凹んでいる。肌の色は暗緑色で牡丹玉と似ている。この品種の最も特徴と言えるのは刺で、黄色味のある灰褐色の3本の刺がT字型に開き、長さは1〜1.5cm、横に広がった2本の方が長く、下向の1本はやや短い。花は頂点の新しい刺座から咲き、うすいピンク色。果実はビール瓶を逆さにした様な形で、赤く色づく。種子は牡丹玉と同じ明るい茶色で艶はなく、ぶつぶつがある。
モーゼル氏よりカラースラィド数葉を送ってもらったが、中には牡丹玉に非常によく似て刺の特徴の少いものもある。刺は脱落しやすい様で、原産地球の老株は殆んど下の方の刺が落ちていた。
参考
山名利三郎:サボテン,110号 (1968) (日本サボテン協会)