緋牡丹錦
山名利三郎氏栽培。正木。
斑周りの良否でその価値が決められる。


牡丹玉綴化 Gym. friedrichii f. crest.

牡丹玉の綴化種で小型ではあるがよく連って面白いものである。和歌山の島村氏が種子にレントゲン線を照射したところ斑は出ないで綴化が可成りの比率で出来たということであった。


緋牡丹 Gym. friedrichii cv. "Hibotan" Watanabe.

フレームの中で一ときわ目立つ存在である緋牡丹は最も一般化した斑入種であるが、これは昭和17年故渡辺栄次氏によって緋牡丹錦と共に作出された日本原産のサボテンである。葉緑素が全くないので正木では育たない。すべて接木で栽培されている。今までに見た一番大きな球は太い鬼面角に接がれた径8cmのものであったが、太低は5cm位で白くなって腐ってしまう。緋牡丹にも色々なタイプがあるが、稜が鋭角で横縞の細かく赤色のさえたものが見ごたえがある。生長点の青い方が丈夫である。濃紅色のものを血牡丹と称している。綴化もあるが寿命の短かさに問題がある。


白雪牡丹 Gym. friedrichii cv. "Shirayuki-botan"

交配種から出た斑物であろうと思われるが緋牡丹に似て、全身桃白色で夏は殆んど白色、冬にはピンク色になる。非常によく仔吹きするので接木で繁殖することは容易である。花はあざやかなピンク色である。


緋牡丹錦 Gym. friedrichii cv. "Hibotan-nishiki"

故渡辺栄次氏によって昭和17年に1万粒播種した牡丹玉の実生の中から見つけ出され、接木、芯えぐりして作り出された斑物の中の王者である。赤、黄、緑、紫等の色が全身に散ったものは見事である。斑物はすぐ接木される様であるが、本種は葉緑素があるので正木でじっくり作る方が良い。接ぎ木によって小苗のうちは良斑であったものが、全く無地になってしまうということもある。本種も緋牡丹同様、横縞の細い、稜の薄いものがよい。昭和36年頃には綴化も作出された。

参考
渡辺栄次:シャボテン 30, 23 (1961)
三保谷南雪:シャボテン 30,表紙写真(1961)
伊藤竜次:サボテン日本 60,表紙写真(1967)