祥雲丸
故津田宗直氏栽培。体径3寸5分、高さ4寸5分。
シャボテン、22、口絵写真(昭和11年9月号)


瑞雲の峰 Gyn. mihanovichii f. crest.

瑞雲丸の綴化で、小型種の綴化としては大柄な味がある。別名瑞雲冠とも称している。


瑞雲錦 Gym. mihanovichii cv. "Zuiun-shshiki"

瑞雲丸の黄及び紅斑であるが、どちらかと言えば紅色はあまりさえない。オレンジ色と黄色が緑色の肌に散っている上斑は緋牡丹錦の派手な柄に比して、一種独得の渋さと美しさがある。かつては斑物銘鑑の王座に君臨したこともあるが、最近では緋牡丹錦との中間型が多くなり、他の斑物に押されて少し影がうすくなった。


瑞光 Gym.mihanovichii cv. "Zuiko"

瑞雲丸の紅斑で、瑞雲錦とは区別されている。最近は殆んどその姿を見ない。


小豆瑞雲錦 Gym. mihanovichii cv. "Azuki-zuiunnishiki"

瑞雲丸の斑入りで、小豆色を呈する。大低は総斑入りで、よく根のこじれた時に小豆色に変色して、生長が止ることがあるが、これは順調こ生育している時でも小豆色をしているので、斑物として扱われている。しかし比較的面白味のない斑である。


白花瑞雲丸 Gym. mihanovichii var. albiflorum Paz.

瑞雲丸は黄花であるが、白花のものが採取されている。体形は大体瑞雲丸と同じであるが、少し稜がするどく、刺も太く、荒々しい感じのものである。1963年Pazoutによって発表された。
参考:Friciana Rada,3:17,5〜7 (1963)


祥雲丸(しょううんまる) Gym. mihanovichii var. stenogonum Fric et Paz.

日本に渡来したのはかなり古く、昭和初期の雑誌に既に名前が出ているし、写真も紹介されたが、どうしたことか現在祥雲丸らしき球にお目にかかれない。後述のフィラデルフィエンセを祥雲丸だと言って売った業者もあるようであるが、輸入種子による実生苗はようやく4〜5cmに達したところで、古くからある標本球は絶滅したのかも知れない。しかしチェコには25年以上もたった老球があり、よく雑誌の頁をかざっている。1), 2)
体型は原種の瑞雲丸より稜がするどく、稜間の谷は深い。そして老球になっても下の方になお谷を有していて、牡丹玉の老球の下方が円筒状となるのと少し異る。稜数は7〜12、刺は瑞雲丸より細く、且つ長い。刺色も新刺は赤褐色である。花色は原種より淡い黄緑色である。体径15cm位になると言われている。

(註)1.j.Valnicek;Kakteen und Andere Sukkulenten 13, 179 (1962)
   2.Kaktusy 68 No,2添付カラー写真


追加資料

祥雲丸
写真の球の栽培者 西宮市 團上 和孝 氏 径 12cm

西宮市の團上氏が保存されている祥雲丸です。
下の方まで稜線をはっきり残し、祥雲丸の特徴を良く再現している標本球です。