写真の球は庵田知宏氏栽培。
光琳玉 Gym. cardenasianum Ritt.
優型ギムノを守る会々報品種解説No,1参照.
戦後発見されだギムノの中でも特に目立った優品で、我が国に紹介された時も大変もてはやされたものである。残念なことにそのすべては種子によるもので、原産地球は未だに輸入されていない。聞くところによると、ドイツのウィンター商会には親木が約300本あり、それは原産地で採りつくしたということであるが、わずか300本位しかその品種が生えていなかったということが先ず疑問である。別の群落が必ずある筈であるから、その内に又発見されるであろうと思う。今のところはこのウィンター商会の採種した種子が輸入されているだけである。
さて我々の栽培している実生の光琳玉についてそのあらましを述べてみると、球型からやや円筒状に育ち、径10cm、稀に15cmになる。稜数8、稜は非常に低く殆んど瘤を有せず、刺座の間にわずかに横に切れ込みがある程度である。体色は白粉を帯びた明るい緑色で、強光線下でわずかに紫色を帯びる。刺は通常5本であるが、3本のものや7本のものもある。通常中刺はなく、下に向って伸びた1本がやや浮き上って内側にカーブする。刺の非常に荒れたもの、肌に巻きつくように伸びるもの、殆んど直刺の様なもの等、個体差が大きい。花はベージュがかったピンクで花底は濃いバラ色、花首はみじかく、頂点の刺の中に埋ったような形で開花する。産地はボリビア南部、Mendez州Tarija及びCarrizal
1)と記されている。Backeberg 2)
の記載した写真の標本は貧粗な感じのものであるが、我々の栽培している光琳玉は仲々魅力的である。新刺の色の濃いものを選ぶとよい。本種の栽培法については庵田氏がくわしく紹介している
3)
(註)1,Backeberg;Das Kaktuslexikon,p165 (1966)
2,Backeberg;Die Cactaceae,V,1746(1959)
3,庵田知宏;刺(大阪サボテンクラブ会報別冊)No,2,6
(1965)