ゼガラエ
輸入原産地球。
山名利三郎氏栽培。 径12cm
ゼガラ工 Gym. zegarrae Card.
優型ギムノを守る会々報品種解説No.28 (1964)参照。
1952年にはじめて紹介された品種で、その時は新天地のボリビア産変種ということでGym.
saglione var. bolivianumという学名をつけられた1)が、その後Cardenas博士が1958年にGym.
zegarraeと命名して記載したことがBackeberg2)によって報告されている。原産地球もいくつか入っているし、それ以前に種子が輸入されたこともあるので、それらの標本球とBackeberg2)の紹介文を参考としながら述べてみることにする。
本種の学名の変更に間違いがないとするとGym.
saglione var. bolivianum(ボリビアヌム)としてシャボテン社のリスト3)に紹介されたのが我国に入った最初である。しかし同じリストのNo,18
4)によると、前項アルビプルパのところでふれた様に、var.
bolivianum からvar. albipurpaに変更されたことになっているので、アルビプルパはゼガラエと同一ではないかという疑問は残っている。ゼガラエとして種子が発表されたのは1962年5)である。
産地はボリビア、Campero州のCochabamaba、海抜1700mとあるから、比較的高地性である。
形態は天賜玉より新天地の方に似ていて、比較的大型になる様である。稜の形は新天地よりも丸味が少く、やや角ばったところがあり、稜の高さも新天地程高くなく、刺座の間には横溝が切れているが、天賜玉の様な弓型ではない。肌色は青緑色で天賜玉に近く、艶のないビロード状である。通常直径11〜18cm位。高さは10cm位になる。稜数約13、アレオレは楕円形で約1cm。灰色の綿毛がある。縁刺8本で湾曲しながら横に拡がり、中刺1本が上方に向ってそり返る。長さ1.5〜2.5cm。錐状で黄白色がら灰白色に変り、先端は褐色又は黒味を帯びる。
花はBackeberg2)によると、側生ということになっているが、天腸玉の様に項点附近の新しい刺座ではなく、やや預点をはずれた刺座に咲く様である。花首は短く、杯状で、花弁は白色(うすいマゼンタ色(青紅色)の中筋があり、花底は青紅色(前回の品種解説中で茶紅色という表現をしたが訂正しておく)鱗片は青緑色で白く縁どられている。萼は尖っていて、蕾も天賜玉の様にやや尖っている。花の直径も新天地より大きく、3〜4.5cm、子房は丸く、果実はオレンジ色に色づく。種子は小さく、丸くて光沢のある茶色。この種子の形は次のラグニラセンセとの大きな相異点である。
原産地球は昭和39年4月(1961)にラグニラセンセと同時に入荷した。輸入球の中にはラグニラセンセに近いものもあり、いくらかタイプの相違が見られた。
(註)1,Rev. Agricult.Cochabamba,7,(1952)
2,Backeberg;Die Cactaceae V,1773 (1959)
3,シャボテン社リストNo,11 (1959)
4, 仝上 No,18 (1960)
5, 仝上 No,31 (1962) 12月