49 Gym. triacanthum (十字軍)

学名からも判るように、3本刺であるが、3本刺のものはこの他にも鳳頭、快竜丸、守殿玉など幾つかあるので、3本刺と言うだけでは特異性はない。従って学名を直訳して三刺玉という和名がつけられたこともあるが適切ではないと思う。
快竜丸に近い形態であるが、アレオレの間隔がつまっていて、端正な姿をしている。
刺も長さ約1.5cmで長く、丁字形に整然としている。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1730(1959)


50 万珠玉 Gym. stuckertii

暗緑色の肌に刺は7〜9本、少しカーブして広がる。
稜はアゴ状に突出する。花は白からうすいピンクで底紅。比較的小型種で、6〜7cm位までであると言われている。北アルゼンチン産。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1733(1959)
  Borg;Cacti,p300,(1952)


51 雪冠玉 

光竜丸系であるが刺が長く、又刺数も多い。どちらかと言えば九紋竜及び G. gerardi に近い感じのする形態である。中刺はなく、刺の根本は赤みを帯びている。花は白色か少しクリームがかっている。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1738(1959)
  Borg;Cacti,p299,(1952)


52 巨輪玉 Gym. grandiflorum

アゴ状の瘤を有し、体型は多花玉に似る。肌色は濃緑色。刺は5本であるがあまり長くなく、灰白桃色。
花は白色巨輪、系7cm位。現在標本球は殆どないと思われる。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1747(1959)


53 活火山 Gym. valnicekianum

紅蛇丸に似た体型で、肌色は紅蛇丸より淡く、つやのある緑色。刺は7〜15本で、比較的細く、中刺は1〜数本、縁刺はねじれたり曲がったりして無造作に横に開く。花は白で底紅。大球になると言われる。
Gym. tobuschianum は本種の異学名である。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1759(1959)
  根岸 栄;サボテン日本、46,6,(1965)


追加資料

活火山 
Gym. valnicekianum
    写真の球の栽培者 西宮市 團上 和孝 氏氏  径11.5cm


54 明宝玉 Gym. joossensianum

日本で明宝玉といえば牡丹玉に似て薄稜の紫がかった肌で円筒形に育つものと、シュンケル商会から種子で入った翆晃冠に近いものの2種類がある。Backeberg は後者に近い感じのもので、波光竜又は天主丸に似て中刺がなく、ブドウ酒色の花と記載している。産地はパラグアイ。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1779(1959)
  Br.& R.;The Cactaceae,V,166,(1922)
  Borg;Cacti,p303,(1952)


55 クネベリー Gym. knevelii

綾鼓に似る。刺は綾鼓よりも色がうすく黄褐色。その他は殆ど同型。Backeberg 以外には解説は見当たら
ない。Backeberg の解説も番外で Kreuzinger の説明を紹介しているだけであまり詳しくなく、写真も
載せていない。

 cf. Backeberg;Die Cactaceae,V,1785(1959)
  Kreuzinger;Verzeichnis,14,(1935)