39a 斗鷲玉
Gymnocalycium mazenense var. ferox Backbg.
写真の球の栽培者 東京都 根岸 栄 氏 径約10cm 原産地球


斗鷲玉についての解説は比較的少ない。伊藤1)は魔天竜との相違点のみを記し、Backeberg2) はわずかに1行のラテン語文と2行の解説しか載せていない。
大体原種の魔天竜と同じであるが、その学名の通りより強大な刺を有する変種で、刺の数も多く、7〜12本、中刺も2本以上出るものもあり、乱れて湾曲しながら放射する。長さ3〜7cm。
この品種もタイプの変化が大きく、五大州の刺を強くしたような比較的整然と出るものから、全部上の方に向かって出るもの、乱雑に乱れているもの等があり、又稜の形も魔天竜よりコブの突出したものから殆どコブのない丸いものまであり、Gym. nidulans(猛鷲玉)に至る中間的なものが多い3)。
本種は魔天竜が殆ど入荷しないのに一昨年末大量に輸入されて普及した。
最近では竜胆寺4)が写真を掲載している。


参考文献
1) 伊藤芳夫;サボテン図説,p183,(1957)
2) Backeberg;Die Cactaceae ,V,1767,(1959)
3) 山名利三郎;サボテン日本 ,42,13,(1964)
3) 竜胆寺 雄;カクタス研究 ,48,表紙(1965)


刺の放射具合は昭和30年代に入って来た原産地球の斗鷲玉に非常に良く似ており、仙太郎の斗鷲玉に対するイメージにぴったり当てはまります。
素晴らしい標本球と思います。

 斗鷲玉(闘鷲玉)
Gymnocalycium mazenense var. ferox Backbg.
写真の球の栽培者 更埴市 柿崎 碩 氏 径約13cm