37 月冠玉
Gymnocalycium deeszianum
写真の球の栽培者 大阪市 山名利三郎 氏 径約6cm ウィンター商会種子の実生


偏球形で、小苗のうちはつやのある明るい緑色であるが、大きくなるにつれてつやのない深緑色となる。
径6.5cm位までで、体形から受ける感じは緋花玉と九紋竜の中間と言ったところである。
頂点付近には刺はなく、ただわずかにアレオレの部分に小さな綿毛を持っている。
稜数は8〜10稜であるから、稜はかなり巾広く、下の方に廻ると殆ど稜の谷がなくなり、円筒状となる。
アレオレの間隔は約1.5cm。
刺は通常7本で、時にその上に短いのが2本出ることもある。中刺はなく、1本は下向きに上の2本は斜め上方に出てからカーブする。後の4本は横から斜め下向きに出る。いずれも曲がりくねって肌にそって体を巻くように出る。
長さ約2.5cm、汚れた黄色から白色で基部は少し茶色を帯びる。
花は長さ約4〜4.5cm、うろこは白味を帯びたうすい緑色、外弁は灰緑色の中筋をもった白色、花弁はクリーム色を帯びた白色で、花底はうすいローズ色である。花弁の先はさじ状であるが、部分的にとがっている。花柱、花糸は白色。
産地はアルゼンチン、コルドバ州の山地と言われている。
この植物は De Leat により征冠玉として紹介された。たしかに王冠玉や征冠玉に似た所があり、その一連のものと思われる。
原産地球は入っていないが、ウィンター商会より種子で入っており、内地実生で繁殖されている。このウィンター商会の種子からは直刺のものと、写真のような曲刺のものと2種類が出たが、曲刺系のものが記載と一致する。
本種の和名は筆者の命名で、今回のアンケートにより多数使用されているので和名で記載した。

参考文献
1) Backeberg;Die Cactaceae ,V,1716,(1959)