29 光竜丸
Gymnocalycium platense
写真の球の栽培者 大阪市 山名 利三郎
氏 径約5cm
偏円形の小型種で、産地では殆んど半分地中に埋っているという
1),2)。
暗緑色の肌色で、休眠期には紫色から赤くなる。稜数8〜14
1)、盛り上がったアゴ状 2)で、瘤の間は横溝で区切られている。
棘は7本、中棘はなく、白色で基部は赤褐色を呈し、剛毛状で肌に添っている。長さ1cm以下。
花は花筒の長いロート状、約6cm、巾広い鱗片があり、数は少ない。花弁は白色で緑色の中筋があり、花底はオレンジ色を帯びた紫紅色。この花首の長いのが特徴である。
柱頭は黄白色 3)で雄しべの下にかくれている。
産地アルゼンチン、Buenos Aires州、(ベンタナ山脈)
Br. & R. 2)によれば、異なった5つの写真又は図をのせ、いずれもG.
platenseとしているが、説明によると、現在ではおそらくG.
leptanthum(桃冠玉)等種として分けられているものを含めて
G. platenseとして記載したのであろうと思われる。これについてはBackeberg
1)も指摘している。
我が国では肌色の黄味勝ちのものを光竜丸、黒緑色で光沢のあるものを蛟竜丸と言って区別して来たようである
4)が、栽培条件によっても体色は変わるからあえて区別する必要はないと思う
5)。
参考文献
1)Backeberg;Die Cactaceae,V,1712(1959)
2)Br. & R.;The Cactaceae,V,163(1922)
3)伊藤芳夫;サボテン図説,p194,(1957)
4)平尾秀一;原色シャボテン,p175,(1957)
5)山名利三郎;サボテン日本,23,13,(1961)
J.Borg;Cacti,p298,(1951)