21 緋花玉
Gymnocalycium venturianum Backbg. 1934
写真の球の栽培者 守口市 庵田知宏
氏 径約6cm
普通単幹で球状、頂点は少し凹んでいる。濃緑色の肌、径5〜6cmの小型種である。稜は9〜11稜
1)、丸味を持った稜に、アゴ状の突起がアレオレの下に突出する。アレオレは小さく綿毛は少ない。
棘は5本で長さ5〜7mm、柔軟で、中棘はない。黄白色で基部がいくらか赤い。
花は中輪 1)で径4cm位、ビロードの様な光沢のある濃紅緋色又は黒緋色
2)、外弁は緑色を帯びた赤色である。産地はウルグアイ、モンテビデオの近く
3)。
Backebergは最初 4)G. venturianumとして記載したが、その後
1)以前と同じ写真をのせてG. baldianumと変更し、venturianumという学名を取り消している。従って最近baldianum(日本では瑞昌玉という和名が対称されている)で輸入される種子は日本でいう瑞昌玉ではなく、Backebergの説に従っているらしく緋花玉のようである。又Schenkelから入ったG.
lafaldenseの種子から赤花で緋花玉に近似したものがあったが、lafaldenseは羅星丸G.
bruchiiの以前の学名であるから、これはなにかの間違いであったのだろう。
緋花玉の形態にはこれという魅力はないが、その花の色がギムノの中では特異的な存在であり、特にその中でも黒味を帯びた濃い赤色のものを良型としている。中にはおそらく光竜丸あたりと交配したものであろう白花の緋花玉も売られており、購入に当っては花を見て買いたいものである。
参考文献
1)Backeberg;Die Cactaceae,V,1731,(1959) G. baldianum参照
2)津田宗直;シャボテン,22,112(昭和11年)仙人掌栽培法
3)Borg;Cacti,p305,(1951)
4)Backeberg;Kaktus ABC,p296,(1935)