18a 牡丹玉
Gymnocalycium mihanovichii var. friedrichii Werd.
写真の球の栽培者 守口市 庵田知宏 氏


瑞雲丸より稜がより鋭形で高く、肌色もより紫褐色がかっていて、緑がかった横縞がある。
径5〜7cm位までは偏球形であるが次第に円筒形に育つ。棘は濃褐色から灰褐色で短く、約5mm、3〜5本で時には1本のものもある。アレオレは小さく、約1.5cm〜2cmはなれている。
花はうすいピンク色で外弁は緑褐色の中筋が入る。長さ4cm、径約3cm。春から秋まで続開する。
瑞雲丸同様弱光線を好み、強光線に当てると赤茶けてまったく生長しなくなることもある。
こんな時は砂の中にうずめるか、全く直射光線の当たらない所にしばらく置くと回復する。
稜の間に綿をはさんで光線をさえぎり、綿をしめらせておくと元にもどるとも言われている。
本種については伊藤1)によれば京楽園の写真集「サボテンと多肉植物」に出展を求め、牡丹瑞雲 G. mihanovichii var. fleischerianum の異和名としているが、牡丹瑞雲は本種と瑞雲丸との交配種ではないかと考えられるので、Backeberg2)の記載している var. friedrichiiに当てる方が良いと思う。
又、現存する市販の牡丹玉には色々なタイプがあり、縞の細いもの、疎いもの、棘の長いもの、花の白に近いもの等あり、これらは緋牡丹錦作出のために雑交配されて出来たものが同名で売られているためと考えられる。

参考文献
1)伊藤芳夫;サボテン図説,p201(1957)
2)Backeberg;Die Cactaceae,V,1782(1959)