17 綾鼓(あやつづみ)
Gymnocalycium marsoneri Y.Ito.1957
写真の球の栽培者 伊丹市 水巻 巧 氏 直径10cm
Fricが1934年に記載したのを伊藤1)がラテン語記相文をつけて発表したがBackeberg2)はナンバーをつけずに紹介している。
単幹で偏球形、波光竜が円筒形に育つのに対して綾鼓は大体偏球形のまま育つ。肌は光沢の少ない濃緑色、約15稜、波光竜よりややアゴ状で、より低いイボにくずれている。棘は針状で中棘なく外棘約7本、肌にそって横に開く。アメ色から淡灰褐色となる。アレオレには黄褐色の綿毛をもつ。
花はロート状、長さ3〜3.5cm、径4〜4.5cm、にごった黄白色で、ややベージュ色を帯びている。外弁の先端に赤い斑点がある。波光竜同様花は側生である。
我国では相当古くから綾鼓として栽培されて来た球があるが、波光竜の方に近く、棘が浮いたものが多い。
参考文献
1)伊藤芳夫;サボテン図説,293,175頁,(1957)
2)Backeberg;Die Cactaceae,V,1784,(1959)
(山名利三郎)