16 波光竜
Gymnocalycium schickendantzii Br. & R.
1922
写真の球の栽培者 大阪市 山名利三郎氏 直径8cm
通常単幹で最初は偏球形であるが、次第に球状から円筒状になる。径約10cm位であるが、20cmに達することもある。肌色は暗緑色で、稜数7〜14、又はそれ以上になる。稜はコブ状を呈し、アレオレの下で少し突出する。棘は外棘6〜7本、中棘なく、やや偏平な針状で少し外側にカーブしているが、肌に巻きつく程ではない。棘の色が特異的で、新棘は黒褐色で次第にうすくなり、淡褐色、その上面により濃い褐色から黒褐色のすじがはいる。
花はうすいベージュがかったくすんだ桃白色で、より濃色の中すじが入る。花茎4.5cm前後、花筒は長い方で4〜4.5cm。
波光竜の類はその蕾の出る場所に特徴があり、大部分のギムノは頂生であるのに対し、側生である。従って花筒は球体の横からまがって上向きに出る。花糸、花柱は白色で、柱頭が薄い黄緑色。
本種は異和名が多く、竜光丸、鯱竜丸、華竜丸、新天竜、瑞星玉、シッケン玉、瑞光丸、天主丸等と呼ばれたとこもあるが、現在では波光竜が正式名として通っている。
産地は北西アルゼンチン、コルドバ州、カタマルカ州からツクマン州にまたがっている。 (山名利三郎)
参考文献
伊藤芳夫;サボテン図説,173頁,(1957)
Borg;Cacti,P301,(1951)
Backeberg;Die Cactaceae,V,1778,(1959)
Br.&R.;The Cactaceae,V,164,(1922)
山名利三郎;サボテン日本,23,18,(1961)