6A快竜丸A型(異和名:鉄冠)
Gymnocalyciumu bodenbenderianum Berg.
写真の球の栽培者 守口市 庵田知宏氏


シャボテンの研究、昭和11年7月号に写真が出て、和名を募集1)、翌月、鉄冠と言う名前が当選したが、異議申し立てがあって9月号にて取り消し、それより以前に付けられていた快竜丸が正和名となった。快竜丸の命名者、篠崎雄斉氏3)。鉄冠の命名者、岡智氏2)。
体型は鳳頭によく似ているが、稜に丸み少なく、刺座の下に小さいこぶがあり、切れ込んでいるので稜が立った感じを受ける。
3〜5本の刺が外側に反り返って伸びるので体から浮いたような形である。
刺の長さ約1cm、刺座の間隔は狭い。肌色は灰色がかった緑で、鳳頭のようには白粉を帯びず、どちらかと言えば鳳頭より緑が濃い。成長点にはわずかに綿毛を持つだけで、アレオレの綿毛が早く脱落する点が鳳頭と異なる。
稜数11〜14。
花は白色でややピンクを帯び、褐色の中筋を有する4)。
花筒は肌色と同じで、花弁より長い。鳳頭より花は小さく、径3.5〜4cm。
Backeberg5)によれば、HosseusがLa Piojaから、BergerがCordobaから採集したが、Cordoba産のものは花以外鳳頭と区別し得ないと言っている。又、Fricが記したGym,riojense(Kat,kakteenjagar,8,1929)は明らかにbodenbenderianumであると言っているが、これは空間的な産地の広がりと見るより鳳頭の変種と見るか、又はSpeg.のように同一物と見るものもある。
伊藤6)によれば、現在守殿玉として栽培されている球と似た挿し絵を入れており、鳳頭の絵の方が快竜丸に似ている。写真ではないので本当の姿がつかめないのが残念である。(山名利三郎)

参考文献
1)シャボテンの研究、昭和11年7月号、291P、
2)ibid 8月号、331P
3)ibid 9月号、371P
4)Borg;Cacti,297(1951)
5)Backeberg;Die Cactaceae,V,1725(1959)
6)伊藤芳夫;サボテン図説、193(1957)


追加資料

 


快竜丸A型(異和名:鉄冠)
Gymnocalyciumu bodenbenderianum Berg.
写真の球の栽培者 守口市 庵田知宏氏
写真提供者 東京都 おっちさん

おっちさんより、庵田氏が栽培しておられた上記鉄冠のカラー写真を提供していただきましたので掲載します。
稜の切れ込み、反り返っている刺などが良く分かると思います。
2002年現在、いつ頃から登場したものなのかは分かりませんがこれとは異なるタイプで、刺が直刺で肌色が灰色っぽいものが鉄冠として売られています。