2b 天平丸B型 (中間型)
Gymnocalyium spegazzinii Br.& R.
写真の球の栽培者 守口市 庵田知宏氏 (本年6月輸入の原産地球) 径10cm、高さ9cm
Britton & Rose10)及び Backeberg11)によって、G.
spegazzinii として記された写真のタイプで、A型に比べて刺が肌にくっつくように伸びるものである。
肌色はほとんどA型と同じであるが、やや白粉を帯びた感じ。稜は低く、8〜13稜で、巾広く下へ廻ってくるとほとんど稜の谷はなくなり、下部では線を残すのみ。円筒状となる。次C型ほど直径は大きくならない。
新刺は黒褐色又は黒色で、刺の外側に白い筋を持ったものもある。次第に白粉を帯びて、黒褐色から灰褐色になる。縁刺5〜7本で1本は下向き、後の4〜6本はカーブしながら縁から下向きに伸びる。長さは個体差があって、2〜4cm、成長点付近には灰白色の綿毛を有し、アレオーレは楕円形。花は5cm位の長さで、Br.&
Rの記載によればバラ色となっているが、ベージュがかったうすいピンクで花底は濃いバラ色である。
Br.& r.もBackebergもA型は見ていないようで、このB型を典型としているのは採集地の関係であろうか。(山名利三郎)
文献
Britton & Rose ;The Cactaceae V,155,(1922)
Echinocactus loricactus Spegazzinii Anal.Mus.Nac.Buenos Aires.V,
4,502(1905) Not Poselger.1853
偏球形、高さ6cm、直径14cm、灰緑色で13稜、巾広く低い。ふちの方では丸くなっている。
アレオレは楕円形で、刺は通常7本、錘状の剛直刺で稜に添っている。時には後方へ湾曲する。
灰褐色で2〜2.5cm。花は長さ7cm位、内側の花被の部分はややバラ色がかっている。花糸と花柱は紫で柱頭の裂片は16、白色からバラ色、子房の鱗片は少なく、巾が広い。産地
La Vina 、サルタ州、アルゼンチン。分布はこのタイプのみ知られている。この植物には新しい名前が必要なので、アルゼンチンのラプラタの熱心なカクタス研究家、カルロス、スペガッチーニ博士にこのカクタスを捧げることは我々の大きな喜びである。162図の写真は博士寄贈のタイプ標本である。