バルデジー/紅籠(アズテキウム属)
Aztekium valdezii

花籠、ヒントニーに続き、2013年にメキシコのValdez氏によって発見されたばかりのアズテキウム属の新品種で、当然ワシントン条約1類ですがその年の8月には欧州に持ち込まれたようで、更に東南アジア経由で日本にももたらされ、すでに紅籠という和名がついています。
その名の通り、根本が白く、先がピンク色のツートンの美しい花をつけます。
白花の花籠にも、濃いピンク花のヒントニーにも似ておらず、どちらかと言えばマミラリアのルエティ、テレサエ、サボアエに似た花です。

肌が蛇腹ですからアズテキウム属には間違いありませんが、ランポー玉のように基本が5陵という変わり種。
と言うか、花籠よりも素直な形をしているところを見ると、こちらが本元で、花籠の方が突然変異の地域隔離種なのかも知れません。

実生で栽培すると花籠同様に5年栽培しても1センチに満たない超鈍足種らしいですが、これも花籠同様に接ぎ木すると一気に肥培が進んでボコボコに群生する性質があることから、現状では主に接ぎ木で普及が進められています。
でなければお小遣いの乏しい仙太郎の元にこんな新品種の貴重種が来る訳ないですもんね。

原産地球の写真を見ると、どれも単頭で小さいですが、日本の栽培技術で花籠のように立派な群生株がそのうち登場して来ることでしょう(原産地には群生株もあるようですが、さすがにそのような大きな株は輸入出来ないと思います)。

 


<ひとくち栽培メモ>

来たばかりなので不明。
特に今回は接ぎ木苗ですし。
将来種が取れたら実生して性質を調べようと思いますが(と言ったって、超鈍足ですからこちらの寿命の方がもつかどうか)、花籠やヒントニーと同じだろうと考えると、強い太陽光線は特に苦手だろうと言うことだけは想像されます。
まだ発見されたばかりなので、実生で育てている人たちの経験談もこれからですね。