ビカラー(ギムノカリキウム属)

ビカラーは仙太郎にとって懐かしいギムノです。
ずらりと並べられている原産地球のその姿を見たのはシャボテン社に大量のギムノが入って来た1967年頃のことで、当時は「セントリスピヌム」という名称で売られていました。でも本当の名前はビカラー(二色と言う意味)で、その名の通り、ギムノとしては非常に珍しい、刺色が中刺と下に3本T型に出る太い刺が黒褐色、残りの刺は対照的なコントラストを見せて白いという、大変に特徴がある姿をしています。種の固定が進んでいないギムノとしてはこれは珍しいことです。
初めて見たその姿が珍しくて、買う予定に入っていなかったのにその場で高価な原産地球を買い求めてきたものでした。この球は結局根ぐされが入っていて、その後2年ほどの内に失ってしまったのですが、今回又、関西の専門業者の元でその姿に出会い、なつかしくてに買い求めてきました。まさにあのときの原産地球の姿そのものですから、あの輸入球達のカキ仔による生き残りなのだろうと思います。
碧厳玉系のギムノです。

<ひとくち栽培メモ>

強光線にあてるという、強刺系ギムノの典型的な栽培をします。根も丈夫ですから、肥料も多く与えて大丈夫です。
ただし天平丸や光琳玉などのように乾燥気味の環境はあまり良くないはずで、その艶やかな肌を保つためにはかなり空中湿度を高くするべきだろうと思います。
今のサボテン趣味が大きな温室全盛の時代にあって、光琳玉や天平丸は非常に普及しているのに、多花玉類はさほど多くは行き渡っていません。これはおそらく今の乾燥気味な温室では美しく育てにくいのがその理由ではないかと想像しています。
元来はフレーム栽培に適した品種なのですが、ちょっと大きくなるのが難点。