魔天竜(ギムノカリキウム属)
 

魔天竜、この悩ましきもの。
一般的に固定化が進んでおらず、個体差が激しいギムノの中にあっても、魔天竜の個体差はまた格別のような気がします。
魔天竜、闘鷲玉、猛鷲玉、若武者、華武者、これらの特徴を明確に分けられる人が果たしてどれだけいるでしょうか。
種をまく度に姿が違う、輸入球が入って来ると1本1本全て姿形が違う、刺の太さも長さも伸び方もそれぞれに個性があれば、刺と肌の色も個々にばらばら、とにかく種の特定が困難を極めるように思えるのです。
そんな中でも一応の古典的代表的な姿というものはあって、今回買い求めてきた個体は仙太郎が魔天竜に対して持っているイメージに大変近いものです。
でもこの苗だって、我が家に来る前は華武者で売られていたのかも知れませんし、闘鷲玉で売られていたのかも知れません。
とりあえず仙太郎のイメージにある魔天竜はこの球のように、赤褐色の比較的細い刺が上に向かって巻き上げているものです。
肌色はもう少し緑の濃い方がイメージなのですが、これは栽培でも変わりますから、もうしばらく栽培して様子を見ようと思っています。

<ひとくち栽培メモ>

天平丸などと並んで少々高山性の植物のような気がします。
このために夏は元気がありませんが、秋から冬あたりにかけて元気が良くなるようです。
思いの外、根も丈夫ではないようで、蛇竜丸系のように多湿を続けると根腐れする事があります。
少し乾燥気味に、かつ光線量は多くするように努めます。