白瑞鳳玉(アストロフィツム属)

仙太郎にとってサボテン趣味の会では本当に久しぶりに瑞鳳玉の、それもとても美しい大きな標本球が競りに出されているのを見ました。
オリジナルの瑞鳳玉よりも白点が多くて美しい、変種の白瑞鳳玉でした。
瑞鳳玉は径が10センチを越えるあたりからは上に伸びてしまうことが多く、このように太い姿になることがあまりない品種なので、まさに選別品であったわけです。
昔から瑞鳳玉好き人間の仙太郎は喜んでその競りに参加しました。
昭和のサボテンブームの時代は瑞鳳玉類はオリジナルの瑞鳳玉をはじめ、群鳳玉、鳳凰玉、黄鳳玉、大鳳玉、雄鳳玉など色々あって、そのバラエティを集めて楽しんだものなのですが、最近になって趣味を再開してみたら殆ど大鳳玉だけになっていたと以前書きましたね。
今回、趣味の会で久しぶりに瑞鳳玉の競り苗に出会い、競りに参加してみたと言う訳なんですが、なんと80名ほどの参加者の中で競りに参加したのは仙太郎一人だけと言うなんとも寂しい状況に出くわしました。
値が安いと一斉に競りに参加して来る業者の人達も一人も参加して来ませんでした。
多分、仕入れて帰ってもぜんぜん売れないと思ったんでしょうね。
おかげでこの標本球の出品者には本当に気の毒な値段で落札されてしまいましたが、それにしても瑞鳳玉の人気の無さがこれほどとは思いませんでした。

でも仙太郎は世の中での人気なんて気にしません。
とにかく瑞鳳玉が好きなので、大切に栽培して行こうと思います。
底紅の黄金色の花は大変に美しく、鸞鳳玉よりも少々ばらけた感じで肌に貼りつく白点のたたずまいがまた良いんです。

注:白瑞鳳玉の学名とされるcapricorne var. niveumの記述は、違うとのご指摘をメールで頂きましたので外しました。
確かにcapricorne var. niveum
をサーチエンジンで探ると、その殆どはより刺が太くて巻いていない偉鳳玉そっくりの写真が出てきますので、日本で言う白瑞鳳玉はcapricorne var. niveumではない可能性が高そうです。

 



大鳳玉(雄鳳玉?/アストロフィツム属)

趣味の会で競り落としてきた大鳳玉です。
今や大人気の大鳳玉ですが、つい最近まで、刺が黒くて太い大鳳玉は結構な値段がついていました。
ところがここ1〜2年のうちにずいぶん値が下がって来たような気がします。
どこの趣味家に行っても刺が黒くて太い大鳳玉が並んでいますから、もう需要が一巡してしまったんでしょうね。
かつての牡丹類や烏羽玉類、象牙丸類と同じ道を辿っているのでしょう。
とは言っても大鳳玉は豪壮な感じがして、瑞鳳玉類の中でも白眉の一種であることに変わりはありません。
いくら人気が落ちても瑞鳳玉ほどのかわいそうな眼に合うことは今後も無さそうです。

因みに、仙太郎の感覚では今の大鳳玉は昭和時代の大鳳玉強刺変種の雄鳳玉なんですが、大鳳玉の方が言葉のゴロ受けが良いからでしょうか、強刺のものも大鳳玉と呼ぶみたいです。
雄鳳玉という名称は消えてしまったんでしょうかね。

 



偉鳳玉(アストロフィツム属)

趣味の会の競りに珍しく、瑞鳳玉の強刺変種となる偉鳳玉が出ていました。
体表の白点の付き方は瑞鳳玉そのものなのですが、刺がより太いので昭和時代は人気がありました。
花色も瑞鳳玉と同じで、底紅の金色に輝く美しい花が咲きます。
まだ残っているとは思いませんでしたから、再会した時は嬉しかったです。
勿論競り落としてきましたとも。

<ひとくち栽培メモ>
瑞鳳玉類の栽培の難易度を一口で表せば、鸞鳳玉ほど丈夫ではなく、兜ほど弱くもないと言った位置関係にあると思います。
兜ほど過湿に気をつける必要はありありませんが、鸞鳳玉みたいに常にじめじめでも平気と言う訳にも行きません。
ですから仙太郎の場合は基本的に兜と一緒の水やりをしています。
瑞鳳玉類はかなり強い太陽光線耐えますし、その方が刺が良くなります。
体がフィンを持ったラジェター構造をしていますから、兜などよりもずっと放熱効率が良いので日焼けし難いんでしょうね。