海王丸(ギムノカリキウム属)

サボテンを再開して驚いたことの一つがこの海王丸です。
知らぬ間に海王丸には実に様々なタイプが登場しており、そのどれもがなかなか素晴らしい姿をしているのです。
強い刺の形とか根本の色から想像するところ、多花玉や金碧を使って園芸改良されたものが多いのではないかと想像していたのですが、最近あちこちで花を見る機会が多くなったので良く観察してみると、その殆どは多花玉の薄弁のピンク大輪ではなくて、昔からある海王丸の花首の短い丸厚弁花であることが多く、生粋の海王丸から優系分離されて来たものも多いのではないかと思うようになりました。
この海王丸もちょっと綴化がかった特殊な花を咲かせますが、非常に短い花首や丸弁など、海王丸の花の特徴を良く備えています。
日本産の園芸優系種として、これからも末永く人気が続くことだろうと思います。




海王丸(ギムノカリキウム属)

仙太郎には昭和30年代の海王丸のイメージがどうしても焼き付いていて、それも、シャボテン社で見た海王丸の印象が強く残っていて、どうしてもそのイメージの海王丸を好むようです。
この海王丸はそのイメージにぴったりの球で、鮮やかな緑の艶肌に、蜘蛛の足のように張り出した黄刺が一糸乱れず、丸い疣を掴むようにすっぽり包み込んでいる姿があのシャボテン社で出会った海王丸にそっくりなのです。
この球は3年前の大阪の山城愛仙園の屋上温室にぽつんと1本だけあったものを買ってきて育てたものなのですが、当時のラベルには金子海王丸カキ仔と書いてあります。
今流行の刺の荒々しい海王丸とは違いますが、安心感があるというか、やはり海王丸はこの球のように優美な姿をしている方が仙太郎には好みだなあ。

 



海王丸/栗原海王丸(ギムノカリキウム属)

2006年春の狂人会で、関東では海王丸で有名な栗原さんが海王丸の大きな標本球を持って来られました。
栗原さんが改良された海王丸も元はシャボテン社海王丸なんだそうで、仙太郎が好きな、刺があまり乱れずに疣を包み込む優雅な姿をしていました。
駄目もとでお願いしてみると快く安価で譲って下さり、持って帰ると直ぐに大きな蕾を上げてきて、一週間程で花を咲かせてくれました。
栗原さん、どうもありがとうございました。
仙太郎の栽培でこの肌の美しく優雅な姿をどこまで維持出来るんでしょうか。
チョット心配だなあ。



 

<ひとくち栽培メモ>
蛇竜丸同様、ギムノ類の中では弱光線を好むタイプに属する筈なのですが、より強い刺を見るところ、蛇竜丸よりは強光線下にさらす方が良さそうに思えます。
蛇竜丸同様に水を好み、過湿にも強いですから、水は多めに与えます。
培養土の配合は普通で問題ないでしょう。