黒刺太平丸(雷帝)/原産地球(エキノカクタス属)

姿形は花王丸の系統に見えますが、刺が特に太くて根本が黒い事から豪壮に見えると言う、大変に特徴的な品種で、比較的新しい時代に見つかった品種のようです。
当然、仙太郎が太平丸の輸入球を買っていた昭和40年代には見たことのないタイプです。
花王丸系は太平丸の中でも癖があって、仙太郎の元では非常に生長期間が短く、春の終わり頃に動き出したら直ぐに花を付け、それが終わる7月初めにはもう寝てしまうと言う、とんでもなくルーズな生活を送るやつでした。
この黒刺君もそうなのかなあと思っていたら案の定、もう1本の赤刺太平丸が秋も元気に刺を出し始めたのに対し、この黒刺君は我がフレームでは5月から6月一杯まで動いただけで、あとは寝てしまいました。
すなわち、花王丸系の太平丸であることは間違いないようです。
一般的に「雷帝」と言う通称名がつけられて流通しています。

 

黒刺太平丸/国内実生球(エキノカクタス属)

肌色が青く、刺色も黒くて美しい国内実生球の黒刺太平丸が競りに出ていたのですが、あまり値が上がらなかったので落札して来ました。
刺がさほど太くはないので一般的な太平丸なのかと思っていたら、「雷帝」に近い太平丸だったようで、今年の春に鮮やかな濃いピンク色の花を付けました(平日に咲いてしまったので写真が撮れませんでした)。
輸入球の黒刺太平丸は荒々しい姿をしていますが、国内実生の黒刺太平丸も端正な姿で見栄えがして、鑑賞価値がなかなか高い姿をしていると改めて思います。

 

黒刺太平丸(雷帝)/国内実生球(エキノカクタス属)

かつて少量輸入され、今では殆ど市場には出廻らなくなった輸入球の雷帝(実はメキシコ政府のCITESが付かない、密輸だったという噂があります)。それに代わってそこから取れた種から繁殖された国内実生の雷帝が次第に出回るようになりました。
つい最近までは高価だったのですが、2006年現在に至って多量に出回り始め、急にその値もこなれて来て、仙太郎でも買える値段に下がって来たので1本買い求めてきました。
こうしてみると薄粉を帯びたような青白い肌に豊富な刺座の綿毛と根本の黒い太い刺、花も非常に美しいものですからなかなかの役者と思います。
美しい、濃いピンク色の大輪を咲かせますし、今後も長く、その人気を保つ太平丸となるに違いありません。

 

黒刺太平丸(雷帝)/国内実生球(エキノカクタス属)

2006年秋の大銘品展の競りに今回も雷帝の国内実生球がいくつか出ていて、値が上がらなかったので競り落としてきました。
もう接ぎおろしの場合は諭吉さん1枚でこんなのが複数買えてしまうくらい値段が下がって来ていますが、輸入の雷帝が高くて買えなかったファンには嬉しい時代になってきました。
雷帝が国内初お目見えしてまだ5〜6年でしょうか、最初の頃の採種でしょうが、成長が非常に遅いと言われる花王丸系の太平丸でも、名人の手にかかると接ぎ木ものではもうこれくらいの大きさになってきているんですね。
フレーム栽培の仙太郎の環境では想像も出来ません。

<ひとくち栽培メモ>
No,17花王丸参照。
フレーム栽培では春終わりから夏前までしか成長しないようですから、とにかく気長に付き合って行く必要があるでしょう。
温度差が付けられる温室ではもう少し生育期間が長いようです。
生長していない期間は過湿にならないように注意する必要があります。