金冠竜(フェロカクタス属)


仙太郎がサボテン栽培を盛んにやっていた昭和40年代に久しぶりに輸入されて来たサボテンで、それまでは全く日本国内には残っておらず、再び原産地球が入って来た時は大騒ぎでした。
カリフォルニア半島沖のセロドス島にしか自生していない貴重種だったからです。
入って来たものを見ると意外に小型で、更には刺が密生していて、原種と言われる鯱頭よりも良いじゃないかと思ったものでした。
今国内に出回っている金冠竜は恐らくこの時入った輸入球から取れた種子から繁殖されているものが多いと想像します。
原産地球は9割くらいが黄刺で、残りが赤刺又は朱色の刺でしたから、輸入当時は赤刺種の方が貴重で高価でしたが、その後の繁殖によって、今では赤刺種でも黄刺と同じ価格で買えるようになりました。
原産地球は球形でしたが、国内実生すると長球形に育つ傾向があります。


<ひとくち栽培メモ>
フェロカクタスの標準的な栽培法を用います。
遮光は少なく太陽光線には十分に当て、培養土は水はけを良くして夏は通風を計って涼しく過ごさせ、成長期となる冬はなるべく5℃以上を保ちます。
湿気の多い場所では刺座が汚くなり易いので、乾燥気味の環境の方が美しい姿を保てます。