烏羽玉(山堀の原産地球/ロフォフォラ属)

この鳥羽玉は原産地から入って来た時のままにしてあり、下にある塊根がやたらに大きくて、そのせいか、球体の方はなかなか大きくなりません。昭和40年頃に芦屋市にあった白仙園から買った当時は親株1個に殆ど同じくらいの大きさの仔が4〜5個程度回りについた状態でした。
でも、烏羽玉は当時沢山入って来ていて、このような群生株でも学生のこづかいで買える位安かったのです。
非常に丈夫なサボテンで、話によると体に含んでいるアルカロイドに耐菌性があり、腐れが進入しないのだとのことでしたが、ただしこれは体液が濃い輸入球だけの話のようです。試しに時々取れる仔の太根を真ん中から切って乾かしもせずにそのまま土に挿しておいても、しばらく上までもろもろに根が崩れるだけで、いずれその先から新根を伸ばして来ます。
体に含むアルカロイドが麻薬になるとか言われ、ワシントン条約が施行される前に既に輸入が禁止されたと記憶しています。
今の国内で改良された烏羽玉は綿毛が豊富ですが、そんな傾向はこの烏羽玉にはみじんもありません。
春から夏にかけて次々と桃色の小さな花を咲かせ、自家受精して種子をいっぱい周りにばらまきます。

 


 

翠冠玉(ロフォフォラ属)

考えてみると、鳥羽玉類を買ったのは30年ほど前に白仙園の輸入球の鳥羽玉以来です。
もう1本ある仔吹き烏羽玉は神戸の谷口さんからもっと以前に買っていますし。
当時はこんなに綿毛の豊富な烏羽玉類なんて想像も出来なかったですが、最近は本当に多く見られるようになってきましたね。
これは寺町さんの元で、ご推薦のタイプを手に入れてきたものですが、これが来て以来、他のサボテンの多くも水やりを頭から掛けなくなりました。
来たとたんに早速アカダニが取り付いてきて、ダイシストンの実験台になってくれましたf(^-^;)




翠冠玉(ロフォフォラ属)

こちらは2002年度の埼玉大銘品展の競りで入手して来た翠冠玉です。
これほど綿毛が豊富でも値が上がらないのには驚きました。
今ではいぼの形が特殊だとか、個体に個性がないと高く取り引きされないみたいですが、仙太郎はこのようなオーソドックスな姿の翠冠玉がやはり好きだなあ。

 



銀冠玉(ロフォフォラ属)

烏羽玉類の中では白粉を帯びた銀色っぽい肌色をしており、独特の趣があります。
小型で群生するタイプや、この球のように大きくなってからやっと仔吹きするタイプなど、様々なタイプがあるようです。
烏羽玉類の中では一番根が弱いそうですが、我が家で分かったことは、赤ダニにも一番弱いと言うこと。とにかく油断しているとあっという間にたかってきます。

 


<ひとくち栽培メモ>
輸入球の鳥羽玉は体液が濃く、そのせいか強い太陽光線にも比較的強く、根腐れもしにくいのですが、国内実生された鳥羽玉とその仲間はふくよかな見栄えが喜ばれるせいか、軟光線でふっくらと育てられているものが多いようで、このような育て方をされている場合はあまり粗雑な扱いは避ける方が良いようです。
なるべく遮光の多い軟光線の環境に置き、水も多めに与えて行かないとやせて肌がみにくくなり易いようです。
但し国内実生品でも根は決して弱くありませんから(銀冠玉だけはそうでもないと聞いたことがあります)、培養土の配合は普通でよいと思います。
頭から水をかけてしまうと綿毛がヨレヨレになりますから、なるべく横から水差しなどでそっと水をあげるのが良さそうですね。