天賜玉/原産地球(てんしぎょく/ギムノカリキウム属)

昭和30年代から40年代にかけては輸入球が自由に入って来ましたから、仙太郎も色々なサボテンを買って育てていました。
当時、いくらでも入って来て安かった輸入球のサボテンは太平丸、烏羽玉、綾波、亀甲牡丹、大統領などがありました。
寮生活時代にその殆どが失われましたが、その中でわずかに残った輸入球が烏羽玉と白刺黒王丸とこの天賜玉です。
天賜玉は新天地系の中では小型種で、直径は最大15センチ前後まで、その後は円筒状に上に伸びると言われています。
新天地に比べると肌色が浅緑色で、肌のざらっとした感じも強く、なかなか渋い味わいを持っています。
天賜丸は開花球になる頃から仔を吹くと言う特徴があります。

 


 

天賜玉/カキ仔(てんしぎょく/ギムノカリキウム属)

8年前のこと、信州の専門業者の元で、仙太郎がかつて見た天賜玉の中で最も豪壮な姿をした天賜玉を見つけました。
柿崎氏の愛倍品だったそうで、ザラザラの浅緑色肌をした生粋の天賜玉なのに既に径18cmほどもあり、その大きさでまだ長球形になっていませんでした。
昭和30年代の輸入球の中にはこのような優品も幾つかあって、そのような良い球は輸入直後に誰かが持って行ってしまって、正規に販売が始まってから買いに行くような仙太郎が買えるはずもなく、優型ギムノを守る会幹事の庵田氏の温室でも似たような球がありましたから、この球もおそらく当時の輸入球からのカキ仔ではないかと想像するのですが、2cmばかりの仔を1個付けているのを見つけて釘付けになりました。
業者さんにお願いしてみたところ、快くその仔を外して譲って下さいました。
以来8年間、先に掲載した原産地球とほぼ同じ大きさになったのですが、8稜からいまだに増稜せず、刺も刺座も大きく、写真ではとても同じ大きさには見えません。
一日6〜8時間しか日が当たらない場所で育ってこの刺ですから、一日11時間日が当たる場所に作ったフレームに移動したこれからの成長が楽しみです。
天賜玉なので既にいくつかの仔を吹いていますが、親を早く大きくしたいので小さいうちに外して個別に栽培していますが、小さくてもすぐに根を伸ばしてそれぞれに元気に育っています。
つくづく丈夫なサボテンだと思います。

 


 

<ひとくち栽培メモ>
栽培は容易で、基本的に新天地と同じでよいと思います。
新天地同様、春から夏にかけては球体だけが大きくなり、秋から冬にかけて新刺を出して来る傾向があります。
原産地よりも日本の気候の方が肌に合っているのか、我が家に来てからこの方、とにかく仔を吹きながら元気いっぱいに生長しています。