新天地錦(ギムノカリキウム属)


新天地錦は昔は高級品でした。
緋牡丹錦や兜錦と並んで斑物の王者と言われていましたが、その斑のコントラストの高さから来る独特の美しさを見ればおおいに納得出来る話です。

新天地錦はカキ仔では良斑が得られませんから、今でも実生で繁殖されている筈です。
斑柄の良い新天地錦を得るためには斑物同士の新天地を掛け合わせたのではべた斑になってしまうので駄目で、斑の部分の花粉を青物の部分に交配しないと細かい見事な散り斑は出現しにくいのですが、そのために斑物の出現率が低い上に、新天地錦の種子を1000粒播いて得られる上斑ものは10株前後と言われたものです。
非常に非効率な話ですが、だからこそ高かったのです。

それが今では本当に安くなりましたね。
嬉しいやら、有り難いやら、寂しいやら、何だか妙な気分です。

仙太郎は斑物は斑柄と無地のコントラストが強いものならば割と好きで、色合いが美しいものを選んでフレーム内のあちこちにアクセントとして置くようにしています。


フレームに置くには大きくなりすぎたので、2008年に宝塚市の中山寺に出家しました。

<ひとくち栽培メモ>

斑物としては丈夫な品種で、栽培は新天地に順じてよく、無地の新天地同様、比較的強光線にも耐えます。

斑物で気を付けなければいけないのは冬の管理で、無地物に比べると耐寒性が劣ります。
冬は出来れば5度以下の環境にはしない方が無難と思います。