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韓国の政治経済2010年以降

Kr11-2 韓国の2011年の成長率は3.6%にとどまる(2012-1-29)


Kr.11-1.韓国の2011年2Qの成長率は前年同期比3.4%とやや低調(2011-9-14)

Kr10-4. 韓国と米国のFTAどたん場でまとまらず(2010-11-12)


Kr10-3,韓国の2010年2Qの成長率は7.2%(2010−7−27)

Kr10-2,韓国の最近の農村花嫁は10人に4人が外国人(2010−7−7)


Kr10-1韓国の2010年1Qの実質成長率は7.8%(2010-4-27)

韓国銀行の発表(2010-4-27、速報値)によると2010年1Q(1〜3月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で+7.8と09年4Qの6.0%、3Qの1.0%、2Qの-2.2%、1Qの-4.3%と09/4Qに引き続き大幅に改善された。

製造業が+20.0%と09/4Qの+13.0%に引き続き大幅回復となった。これは09/1Qの-13.6%、に対する反動増であるともいえる。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が+16.1%と09/4Qの+9.8%に引き続き大幅伸びとなった。しかし、09/1Qの-10.6%に対する反動増とみることもできる。

(GDE=支出)

個人消費は6.2%と09/4Qの+5.8%と引き続き極端に増加している。これも09/1Qの-4.4の反動増である。

固定資本形成(設備投資)は+10.7%と09/4Qの+7.1%に引き続き高い伸びっとなった。特に機械設備の伸びが+28.8%(09/4Qは+13.3%)と大きい伸びを示した。これは民間企業の設備投資が活発化してきていることを示している。もちろんこれも09/1Q=-23.1%という極端な落ち込みからの反動という面がある。

2010年通年では5%前後の成長に落ち着くものと思われる。中国経済の過剰成長にどのような形で「修正局面」が現れるかが韓国経済にとって問題である。

表46-1 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)


Kr10-2,韓国の最近の農村花嫁は10人に4人が外国人(2010−7−7)

韓国の農業は日本に比べまだ順調にいっているような印象を受けるが、農村地帯の花嫁不足は深刻で、韓国政府の男女共同参画および家族省の調べによると、昨年結婚した農村地区の8569人の男性の伴侶のうち41%は外国人であったという。

国籍はベトナム人、フィリピン人、中国人およびその他のアジア人であるという。カンボジア政府はカンボジア人が韓国人と結婚することを法律で禁止したため、数は激減しているという。

これらの「国際結婚」にはブローカーが仲介しているケースが多いという。

昨年5月の段階で外国人が韓国人と結婚したケースは累計で総数167,090人あり、そのうち41,417人が韓国国籍を取得したという。

2000年以降に結婚した人は81.1%に達する。

国籍別では中国人が30%、ベトナム人が20%、フィリピン人が6.6%、日本人が4.1%、カンボジア人が2%となっている。

夫との年齢差は10歳以上というケースが多く、離婚率は3.2%、4%の人が4.7年以内に夫と死別しているという。

(出所;Korea Times, 2010-7-7 参照)



Kr10-3,韓国の2010年2Qの成長率は7.2%(2010−7−27)

韓国銀行の発表(速報値)によると2010年2Q(4〜6月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で+7.2と1Qの8.2%、09年4Qの6.0%、3Qの1.0%、2Qの-2.2%、1Qの-4.3%と09/4Qに引き続き大幅に改善された。

製造業が+18.0%と1Qの20.7%に次ぐ伸びに次ぐ。これは09/2Qの-7.2%、に対する反動増であるともいえる。商品輸出の伸びが+15.0%好調であったためである。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が+13.9%と1Qの+16.6%に引き続く大幅伸びとなった。

(GDE=支出)

個人消費は+3.7%と1Qの6.2%に比べればスロー・ダウンしたが、高水準にある。

固定資本形成(設備投資)は+6.1%と1Qの+11.4%に比べスローダウンしたが、09/4Qの+7.1%に引き続き高い伸びを継続している。特に機械設備の伸びが+29.0%と1Qの+29.9%に次ぐ高水準にある。(09/4Qは+13.3%)と大きい伸びを示した。これは民間企業の設備投資が活発化してきていることを示している。

表46-1 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)


Kr10-4. 韓国と米国のFTAどたん場でまとまらず(2010-11-12)
 
オバマ大統領と李大統領の直接会談が11月11日(木)にソウルで行われたが、3年ごしの米韓FTA交渉が最後の段階でまとまらないという異常な事態が起こった。(最終的には決まった)

懸案になっているのは自動車と牛肉の問題であったといわれる。特に自動車はオバマ大統領が米国からの目玉輸出商品と考えていたが、韓国が「燃費効率」や「廃棄ガス」の問題で米国車に対し厳しい条件を提示したと伝えられる。

しかし、最後の段階のツメの問題であるとして、オバマ大統領は「数週間のうちに」合意に達するであろうと語ったという。

今日本ではTPPへの対処方針をめぐって、菅首相は「第2の開国」だなどと息巻いているが、とてもお呼びでないという感じである。「労働力の自由化」などはできる相談ではないし、農産品の問題もここ1年やそこらで片付くはずもない。

米国も同じ問題を抱えている。無制限に移民が米国に入れるはずもないし、農業保護も外せない。EUも同じである。この辺の問題がなけれWTOのドーハ・ラウンドなどとっくに片付いているはずである。

米国国内でも最近売り出し中の右翼団体は「FTAに反対」だという。先進工業国がむしろ「保護政策」をとらなければ国内の労働市場を維持できなくなってきているのである。「自由貿易」という大枠は外せないにせよ、労働市場の自由化などできもしないテーマには最初から乗らない方が身のためである。

そもそも5%ぐらいの関税を取っ払ってもらうために、FTAなど必要ない。それよりも「為替」のギャップの方がけた違いに大きいのだ。現在韓国のウォンと円は1万ウォンが740円だったが、一昔前は1万ウォンは1,000円(2008年8月)であった。日本は製造業がダメだというならば、円はウォンに対しむしろ弱くなければ話が合わない。日本の通貨当局の無策の結果である。

株式市場もようやく「空売り」対策に重い腰を上げるらしい。遅いし鈍いし、役人も東証も今まで一体何をしていたのであろうか?


Kr.11-1.韓国の2011年2Qの成長率は前年同期比3.4%とやや低調(2011-9-14)

韓国銀行の発表によると2011年2Q(4〜6月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で+3.4と1Qの4.2%に比べやた低下した。

製造業が+7.2%と1Qの9.8%に次いでやや低下している。

その最大の理由は輸出が+9.6%と1Qの+16.8%に比べスローダウンしていることが響いている。商品輸出の実数は2011年1〜7月は3201.3億ドルと前年同期の2600.7億ドルに比べ23.1%と大きく伸びている。ウォン安にも支えられて韓国の輸出は好調である。

建設部門の伸びが2011年1Qの-9.9%についで2Qは-7.6%と不振であった。韓国の不動産投資が2009年から低調を続けているが、2011年に入り一層悪化していることを物語っている。

(GDE=支出)

個人消費は+3.0%と1Qの2.8%とほぼ同じである。2010年1Qは6.6%と高水準であったがその後落ち着を示している。

固定資本形成(設備投資)は-1.1%と1Qの-2.2%と同様に不振だが、機械設備の伸びが+7.5%と伸び率は1Qの+11.7%に比べ低下しているが高水準にある。

表46-1 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2008 2009  2010 10/1Q 10/2Q  10/3Q  10/4Q  11/1Q 11/2Q 
GDP 2.3 0.3 6.2  8.5 7.5  4.4  4.7  4.2  3.4 
農林水 5.6 3.2 -4.3  0.9 -2.2  -7.3  -6.7  -8.6  1.0 
製造業 2.9 -1.5 14.8  22.2 17.8  9.8  11.1  9.8  7.2 
電ガ水 6.2 4.1 4.7  4.8 5.5  3.2  5.6  3.4  2.7 
建設 -2.5 1.8
-0.1  2.2 0.8  0.9  -3.2  -9.9  -7.6 
サービス 2.8 1.2 3.5  4.5 3.7  2.8  3.0  2.7  2.6 
民間消費 1.3 0.0 4.1  6.6 3.5  3.6  2.9  2.8  3.0 
政府消費 4.3 5.6
3.0  3.4 2.9  2.5  3.2  1.5  2.1 
総固定資本形成 -1.9 -1.0
7.0  12.5 6.8  6.8  3.4  -2.2  -1.1 
 建設 -2.8 3.4 -14  4.3 -2.3  -3.1  -2.9  -11.9  -6.8 
 機械 -1.0 -9.8 25.0  29.1 30.5  26.6  15.9  11.7  7.5 
輸出 6.6 -1.2 14.5  16.7 14.5  11.6  15.7  16.8  9.6 
輸入 4.4 -8.0
16.9  21.5 18.0  14.7  14.2  10.8  7.9 

Data; http://www.bok.or.kr/ (2011年9月6日に発表された速報値)



Kr11-2 韓国の2011年の成長率は3.6%にとどまる(2012-1-29)

韓国銀行の発表によると2011年の成長率(実質国内総生産)速報は前年比で+3.6%と2010年の6.0%と比べ低下した。また、李大統領の目標とする7.0%は大幅未達となった。
製造業が+7.1%と韓国の経済成長をリードしている。しかし、建設は-5.6%と落ち込み、サービスも2.6%と振るわない。

ウォン安を背景に輸出が+10.0%と韓国経済を牽引しているが、民間消費は2.2%の伸びにとどまっている。輸入は6.6%増にとどまった。

韓国はウォン安は輸出増加には役立っているが、一方において輸入品の価格高騰を招き、消費者物価を押し上げるなどして消費を抑制している。.


固定資本形成(設備投資)は機械設備の伸びが+3.8%にとどまり、2010年の+25.0%からみると大幅なスローダウンしている。

2011の4Qをみると韓国経済の低調ぶりがうかがえる。輸出が前年同期比5.2%とスローダウンしたのに伴い、製造業の伸びも3.5%と低調である。ウォン安でサムソンや現代自動車は輸出の伸びを謳歌していると伝えられるが、輸出全体としてはさほどではない。中国向け、EU向けが低調なためである。

内需に期待したいところであるが、極端なウォン安は輸入物価の高騰を招き、それがインフレ率の上昇につながり、内需を抑制するというジレンマに陥っているようである。4Qの民間消費は1.2%増にとどまっている。


表46-2 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2008 2009  2010 2011  11/1Q 11/2Q   11/3Q  11/4Q
GDP 2.3 0.3 6.2  3.6  4.2  3.4  3.5  3.4 
農林水 5.6 3.2 -4.3  -1.0  -8.6  1.0  -2.7  4.0 
製造業 2.9 -1.5 14.8  7.1  9.8  7.2   6.1 3.5 
電ガ水 6.2 4.1 4.7  3.4  3.4  2.7   2.2 5.3 
建設 -2.5 1.8
-0.1  -5.6  -9.9  -7.6   -3.3 -2.6 
サービス 2.8 1.2 3.5  2.6  2.7  2.6   2.6 2.6 
民間消費 1.3 0.0 4.1  2.2  2.8  3.0   2.0 1.2 
政府消費 4.3 5.6
3.0  2.3 1.5  2.1   3.4 2.0 
総固定資本形成 -1.9 -1.0
7.0    -2.2  -1.1   -2.0 -3.0 
 建設 -2.8 3.4 -14  -6.5  -11.9  -6.8   -4.6 -4.0 
 機械 -1.0 -9.8 25.0  3.8  11.7  7.5   1.0 -3.4 
輸出 6.6 -1.2 14.5  10.0  16.8  9.6   9.6 5.2 
輸入 4.4 -8.0
16.9  6.6  10.8  7.9   6.0 2.3