株式会社アールストーンは、トレルボーグ社に唯一公認された販売代理店です。
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フェアプレン(リーブコート)の歴史
100年の歴史を誇る「フェアプレン」は、
フラットダイアフラムの最高峰として
あらゆる産業機器の心臓部で生き続けております。
フェアプレンの歴史は1916年に(米)デュポン社が当時コネチカット州にあって幌馬車の幌等のゴム引布を作っていたFairfield Rubber Co.,を買収した時からスタートしております。同社は豊富な資金力と高度なポリマー開発技術を基礎にこれを業界屈指の高品質な工業用ゴム引布に昇華させ、「フェアプレン」として商標登録し世界中の主要な産業機器の重要部品の素材として製造・販売してきました。その後70年近くはデュポン社の製品でありましたが、1984年に事業部の再編があって別会社化され独立しました。その後は数度の所有企業の変遷があり、2008年にトレルボーグ社に買収され現在に至ります。
商品名は、同業他社のリーブス社に買収された一時期に同社の商標である「リーブコート」を使用しましたが、現在は製品の生い立ちを基本とするという考えにより「フェアプレン」をメインに使用しております。
~年表一覧(クリックで拡大します)~
主な特徴と多様な商品群
100種類にも及ぶ豊富なラインアップ
多くのゴムと織布の組み合わせと、高度な製膜技術により多種多様なゴム引布を規格品(既製品)として生産。100種類近い豊富なラインアップがあります。代表的なNBRとナイロン基布の組み合わせであるBNシリーズをはじめ、耐熱用途を重視したVXシリーズ(フッソゴム/ノーメックス)など様々な用途、業種に対応した商品を、分かりやすい品番と厚みによって選ぶことが可能です。
長尺・巾広品なので歩留まりが良く、部品単価低減に寄与
厚みは極薄0.15mmから3mm以上の厚物まであり、巾は品番にもよりますが、狭いもので910mm(36")から、1,420mm(56")・1,470mm(58")などの幅広が特徴です。一番の長さは厚さによって違いますが、長尺品として連続生産されております。0.15mm等の薄物であれば300M近くの巻もあり、厚いタイプでも20M以上巻いているものが多いです。このように本製品は色々な厚みのシートを幅広・長尺で供給できるのが大きな特徴であり、これによりどんな形状のダイアフラムでも無駄なく抜くことが可能で、歩留まりの良さで評価を得ております。300mm角や500mm角のプレスシートと比較して格段のコストメリットがあります。
高強度で永く安定した性能を発揮
全てのシートは基布が必ず中間に入っており、いかなるダイアフラムとして使用された場合でも作動に偏りがなく寿命の永い安定した性能を発揮します。また、表面は平滑で、エアーや液体の漏洩の原因となるピンホールの心配は全くありません。
用途に応じたきめ細かな設計
ある程度ターゲット用途を定めた、特徴のある製品のラインアップをしております。例えば同じBNシリーズ(NBR/ナイロン)でも、厚みの違いだけでなく、用途に適した選択がしやすいようにシート材を設計しております。微圧でも安定した作動を要求される小型エンジンキャブレター用には基布にシルクを使った製品(#7947)等や、空気圧業界向けには、ゴムと基布の間を伝っての漏れ(層間漏れ)を極力抑えた接着力の強い製品(BN-0002等)を用意するなど、きめ細かく様々な用途に対応しており永年に亘り好評を得ております。
主要用途
ダイアフラム
・自動車(燃料噴射システム用、燃料ポンプ等)
・小型エンジン用キャブレター
(バイク、カート、チェンソー、芝刈り機、発電機その他に搭載)
・空気圧機器(レギュレーター、電磁弁他各種バルブ)
・油圧機器
・真空ポンプ
・都市ガスLPGガス機器(レギュレーター、ガスメーター、給湯器その他)
・半導体製造機器関連(半導体研磨装置など)
・その他
その他の用途
・各種パッキン及びガスケット
・ベアリングシール
・ジャバラ、ダクト
・貯蔵タンク用シールパッキン
・防護服(産業用、宇宙開発用)
・医療用衣服(手術着、エプロンなど)
・基板製造用圧着シート
・その他
組成(構造)と材質
組成(構造)と材質
本製品は日本では一般的に「ゴム引布」と呼ばれることもあり、左図のように上下のゴム層の中間に各種基布を入れて補強したゴムシートです。ゴムと布の組み合わせや、厚み、巾は多種多様にあり用途に応じて自由に選択することが可能です。
~ゴムの材質と主な特徴~
ニトリルゴム(NBR) : 耐油・耐ガソリン性良好。廉価で汎用性がる
フッソゴム(FKM) : 高価ではあるが抜群の耐熱性・耐化学薬品性がある
EPDM : 耐候性・耐水性・耐スチーム性良好
クロロプレン(CR) :歴史の古い合成ゴムで、特に耐候性が優れている
フロロシリコン :優れた耐寒性と適度の耐熱性を兼ね備えている
その他(シリコンゴム・エピクロヒドリンゴム・ウレタンゴム等)
~基布材と主な特徴~
ナイロン :最も歴史が古い合成繊維で物性的にも基布材に最適
ポリエステル(テトロン) : 最も生産量の多い繊維で、多くの用途で使用
アラミド繊維(ノーメックス) : 抜群の耐熱性と難燃性を有する高機能素材
ガラス繊維 :硬くて強度があり、不燃性が特徴
シルク(絹) :しなやかな風合いと柔らかさが低圧作動に最適
コットン(綿) :独特な剛性が特徴
含浸法
含浸法(Dip Coating)
布をエラストマー等が入ったタンク(液槽)に直接浸して塗布した後、ドクターブレードで余分な量を絞り、乾燥炉を通過させ溶剤を飛ばし巻き取るという方法です。これを数度繰り返すことにより布目にエラストマー等を充分浸透させることが出来ます。いわゆる“どぶ浸け”であり、比較的ラフな方法なのでゴム引布完成品ではなく、基布に接着剤を塗布する際などに使われるのが一般的です。
スプレッドコーティング
スプレッドコーティング(Spread Coating)
この方法は基布を固定された細長いブレード(刃)の下を通過させ塗布した後、乾燥炉で溶剤を蒸発させます。既定のコーティング厚みを得られるまで、通常数回繰り返し通過させます。主に薄物のゴム引布の製造に適しています。
カレンダー製法
カレンダー製法(Calendering)
概要の説明を入力します
高品質・高精度な製品を製造する為に、いわゆるZ型カレンダーを導入しております。この機械はゴム業界では技術的に高度な塗工装置として評価されております。この製法では、配合されたゴムのマス(塊り)が高精度に薄膜状に連続的に成形され、基布の両面に同時に積層されていきます。コンピューター管理により、ロール間の間隔、コーティング層の厚みや重量を走行中に検知、調整しゴム引布完成品の均質性及び高品質を保っています。多くの製品がこの製法で作られております。