第5日目 「ブルゴーニュワインの里観光」


10月12日(月)です。

今日は、バスでディジョンから、ブルゴーニュワインの中心地ボーヌに行き、 またディジョンに帰って来るという日程です。 ディジョンに連泊なので、気合いを入れてスーツケースの荷作りをする必要もなく、 朝はのんびりした感じです。

それにしても、朝飯が日増しに良くなっていきます。 今回のおフランス旅行中、このディジョンのホテルが、 部屋も朝食も断然ナンバー1です。

さて、話を旅行に戻します。 バスは、最初にクロードブジョーというシャトー(ワイナリー)を目指して走ります。

バスから見える景色の大半は、葡萄畑です。 ブルゴーニュのワイン用の葡萄には、葡萄を植える畑にもグレードがあります。

そして、特級や1級の畑で採れた葡萄で作ったワインには、 自己主張するように、これ見よがしにラベルに表記してあります。

グラン・クリュの葡萄畑には、こんな看板があります。

せっかく、これだけ葡萄があるんだから、ちょっと味見してみるべぇということになりました。

また、バスは、ときどき道の狭い小さな町の中も走ります。 ギリギリまで建物が建っている、バス1台がやっとで通れる細い道を 駆け抜けていきます。気分は、岸和田のだんじりです。

また、葡萄畑の中にときどきお墓があります。 どのお墓にも、色鮮やかなきれいな花が供えてあります。 きっと、お彼岸だったにちがいありません。

また、ある村には、白鳥の池もあります。

バスの中では、ガイドさんから、これから向かうシャトーのお話をうかがいます。 その昔、「利き酒騎士団」っていう人たちがいて、 どうしたとかこうしたとか言ってました。 どうせ単なる飲んべオヤジ軍団のはずなのに、 「騎士団」という言葉を用いることで、イメージをごまかすという フランス人の技には、思わず脱帽です。

という、シャトー・クロードブジョー です。

試飲がなかったので、私の記憶にはあまり残っていないシャトー・クロードブジョーの見学を 終えると、再びバスでボーヌを目指します。

シャトー・クロードブジョーの近くには、ロマネコンティの会社の建物があると ガイドさんが言ってました。看板もない地味な建物だそうで、 そんなんで、わかるかい!!

そうこうするうちに、ボーヌに到着します。 ボーヌでは、オスピスというところを見学します。 外観の独特の屋根の模様で、かなり期待が高まりました。

しかし、単なる病院(の跡?)らしく、地味でした。 ある意味、地味じゃなかったのは、これくらいでしょうか。

オスピス見学後、少し時間があったので、近所の酒屋を見に行きます。 思わず、カルバドスとソムリエナイフを購入してしまいました。 そしたら、そこの店のオヤジが、日本人だから言葉が通じないだろうと甘く見て、 私たち日本人一行の悪口を言っていたらしいのです。 しょうがないので、 チャッチャと働け、このハゲ! と笑顔で(日本語で)突っ込んでおきました。うーん、日仏親善。

昼食は、今回の旅行でもっとも安いのではないか?という、 テーブルにソースとタバスコが置いてある店に行きました。 どう考えてもチキンにしか思えない仔牛のシチューなど、 とてもシラフでは食べられるものではありません。 まるで、一升瓶男のスルメ攻撃を受けた仮面ノリダーのように、 ワインがすすんでしまいます。(嘘)

そんなこともありながら、昼食をチャッチャと済ませたら、また少し時間がありました。 そこで、近所のワインショップに行ってみることにしました。 可能であれば、実家に1ダースくらいまとめてワインを送りたかったのです。

幸い店のオヤジは英語ができました。 これなら(少なくてもフランス語よりは)交渉ができます。

とりあえず、日本への送付は可能ということを確認しました。 しかし、膨大なワインの中から、何を選べば良いのか検討もつきません。 困っている私を見て、「選ぶのを手伝ってあげるから予算は?」というオヤジに、 素直に予算を告げてワインをみつくろってもらうことにしました。

買うワインが決まれば、次は伝票の作成です。 最初、メモ用紙を渡されて名前を書けと言われたので、素直に書いたのですが、 オヤジはそれを見ながら、慣れない手つきでパソコンに投入しています。 次に、住所を書けと言われました。 しかし、わずかな休憩時間しかないので、 こんなところでチンタラ伝票作成に付き合っている場合ではありません。 うざったくなった私は、「自分でパソコンに住所を打ち込ませてくれ!」 と言いました。オヤジは、笑顔で即OKでした。どこの国のオヤジも、 パソコンは嫌いなようです。

しかし、ここで困った問題が発生しました。 フランスのパソコンのキーボードは、アルファベットの配置が 似ているけど微妙に違うのです。かっこ良くオヤジに代わったものの、 1文字1文字目で確認しながら打ち込む羽目になってしまいました。

という思いをして買ったこのワイン1ダースは、非常に高くつくことになりました。 できれば、後日談でご紹介したいと思います。

さて、買い物も無事(?)終わり、いよいよ本日のメインイベント 「ワイン試飲講座」 です。

ワイン試飲講座は、ワイングラスさえなければ会社の会議室という1室で行われました。 まず、最初に、配布資料とOHPを使って、 ブルゴーニュ地方のワイン畑の特色などのお勉強タイムです。

昼食後に、会議室みたいなところで、黙って人の話を聞いているなんて、 日本でさえ眠くて気絶しそうになります。 しかも、時差ボケまで加わっているわけですから、 起きていろ って言うのがそもそもムチャなわけです。

と眠さと闘っているのをしっかり対面の席の老夫婦にチェックされながら、 なんとか講義の時間をのりきります。次はいよいよ実技です。ふっふっふ。(^.^)

色を見るだの、回して空気に触れさせるだの、香りを嗅ぐというまわりくどい作法があり、 その後でようやく飲めるわけです。 吐き出すための壷も用意されているのですが、 もちろんそんなものは使いません。白2種類、赤2種類残さず頂きました。

試飲講座が終わりディジョンに帰るころになって、急に天気が良くなってきました。 ちょっと悔しい思いをしながら、バスでディジョンに向かいます。

この日は、ディジョンに戻り、翌朝まで自由行動です。夕食もありません。 まず、ホテルの向かいの公園に行って、ポンポンさんとか言われている 熊(?)の像の写真を撮ります。どうも、よく覚えていないけど、名物らしいです。

さらに、リバティ通りを散策します。 お土産物を買いたかったのですが、あまり観光客向けのお土産物屋はありません。 ここでお土産物屋を探すのは、日本で言うと、 「東京観光に来た田舎者が、東京タワーの置物を探しに銀座の商店街を歩き回る」 ようなものなのかもしれません。

早々にお土産物GETをあきらめると、次のテーマは夕食の確保です。 レストランで派手に食うほどの食欲もないので、 ラファイエットデパートの地下食料品売り場で、 適当に何か買ってホテルに帰ることにします。

そうしたら、みんな考えることは同じらしく、 夕食を買い求める同じツアーの人たちに遭遇しました。 けっきょく、ワインとチーズとソーセージの缶詰とタコチップと 水を購入して帰りました。なかなか美味しかったです。


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