江の島

かなり恨ミシュラン(注)モードはいってます。
(注)西原理恵子/神足裕司著 朝日文庫 上下巻 各700円

平成10年9月19日(土)、以前から気にはなっていたものの、 今まで一度も足を踏み入れたことがなかった、 観光スポット「江の島」に行ってきました。

自宅(川崎)からは、東海道線下りで藤沢まで行き、 そこで小田急線に乗り換えて、片瀬江ノ島駅に行きます。

江の島に上陸するために、江ノ島弁天橋という遊歩道を渡ります。 歩道沿いには、おでんの屋台が並びます。 しかし、この程度の罠に引っ掛かるほど、私もやわではありません。 余裕でクリアします。

江の島に上陸するとすぐ、江島神社の鳥居と参道が見えます。

参道をしばらく進むと、そこから先は登りがきつそうです。 でも、大丈夫です。上に楽に登るための 「エスカー」 なる乗り物があります。

さて、エスカーなる乗り物は、いかなる乗り物でしょうか。 以下のヒントから、考えてみましょう。

  1. 上への楽な移動を実現
  2. 「待ち時間がなくすぐ乗れる」というキャッチコピー
  3. 「エスカー」という怪しげな名前

ま、ま、ま、まさか。

エスカレータに乗るのに金取る気か!?

# そのとおりである

エスカーは、4つのエスカレータから構成されていました。 下から順に、1連、2連、3連、4連と呼んでいたようです。

2連目の出口の前には、江島神社辺津宮が立っています。 景気付けにおみくじを引いてみたら、見事に大吉をGETしました。(^_^)

願事 初めに気をつけないと途中で失敗します。
旅行 行きなさい。女色におぼれてはいけません。出費には注意することです。
争事 女性を相手にすると負けるでしょう。
縁談 女性は思うままになります。
   男性はとりかえしのつかぬことがおこりますから、注意することです。

# 「注意することです」って言われても...
# これホントに大吉なのか???
(注)作者は、マジで2週間後に挙式予定だったりします。しゃれならんぜ。

気を取り直して先に進むと、絵馬がたくさんぶら下がっている一角があります。 絵馬は、神社にはありがちな光景なので別に珍しいことじゃないのですが、 ここの絵馬はなんとなく妙です。色がピンクなのです。

3連目のエスカーの出口の目の前には、江島神社中津宮が立っています。 そのあたりからは、江の島のヨットハーバーが見えます。

最後の4連目のエスカーも上り終えたあたりには、 ちょっとした広場、飲食店、そして植物園があります。 植物園の中には、江の島灯台があります。

江の島灯台は、展望台になっていて、エレベータ(有料)で上ることができます。 エレベータは、「これ荷物用ちゃうん?」っちゅうくらい、雑な作りです。

エレベータを操作するのは、エレベータガールではなくオッサンです。 オッサンは、一緒にエレベータに乗り、おもむろに上行のボタンを押します。 そして、最上部で客を降ろすと、置き去りにして降りてしまいます。

エレベータを降りると、エレベータだけではなく、展望台そのものが古くて ぼろいということがわかります。もともと高所恐怖症の私は、 「展望台が今にも崩れるんじゃないか?」という疑惑に基づく恐怖と闘いながら、 景色を眺めます。

いくら景色が良くても、ここは高所恐怖症の人間が長居をする場所ではありません。 とっとと帰ろうと思います。

ここで問題となるのは、エレベータは客を置き去りに下に降りているということです。 普通のエレベータなら、下行のボタンを押して待っていると、 自動的に自分のいるフロアに来てくれるので乗ることが出来ます。

しかし、オッサンが手動運転していたエレベータで、そのような呼び寄せるための ボタン操作ができるとは思えません。あきらめて階段で降りようかと思った瞬間、 変なものが目に付きました。

展望台を降りて気がついたんですが、ここは植物園の中でした。 しかし、この植物園は地味です。私の心を動かすようなものは、ほとんどありません。

植物園をとっとと出ると、江の島でもっとも怪しい場所があります。

まぁ、そんなに怪しい場所ばかりでもないだろうと気を取り直し、 さらに奥にある江島神社奥津宮を目指します。 そしたら、いきなりこれです。

奥津宮までの道の途中には、民宿兼食堂がたくさんあります。 素通りすると罪悪感を感じるほど、強力な客引きセリフを駆使するオバサンがいるので、 強い心が必要です。でも、素直に誘惑に負けてビールを飲んじゃうのも良いかもしれません。

奥津宮の隣には、龍宮があります。たしかに龍です。

奥津宮のそばのトイレは、瓦屋根で素敵な外装です。 でも、中身もいけてます。

結局、奥津宮のさらに先の芭蕉の句碑というところまで行って、 疲れたので帰ることにしました。帰り道の方が、客引きオバサンのセリフが胸に刺さります。 が、お腹も空いていないし、振り切って帰ることにしました。

幾多の困難から逃れ、無事に江の島の山から下りてきた私の目には、 虫けらのように数多くのサーハーが、湘南の海に黒い点となって漂っているのが映りました。


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